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映画感想文「異人たち」山田太一版のリメイク。あらすじ同じながら、表現の違いが興味深い
もう40年近く前なのかと驚く。
山田太一原作の「異人たちの夏」。風間杜夫演じる中年になった息子が幼い頃に亡くなった父母に遭遇するという、ホラーなんだか人情ものなんだか、というストーリー。
さすがにリアルタイムで映画館では観てない。しかし原作は読んだし、テレビで放映されたのを観てしんみり泣けたのをおもいだす。
片岡鶴太郎と秋吉久美子が演じた昭和のお父さんお母さん。言葉はぶっきらぼうながら息子への愛情が溢れるやりとりが胸に迫った。
その作品のリメイク。
まずは、こんな風に海外(イギリス)でリメイクされることが日本人として誇らしい。
そして時を経て、なのか、お国柄ゆえか、元祖とは微妙に表現が異なることが興味深い。
ロンドンのタワーマンションで一人暮らしのアダム(アンドリュー・スコット)。12歳で両親を失い、心を閉ざして孤独に生きている。そんな彼に近寄ってきた、同じマンションに住むハリー(ポール・メスカル)。
ある日アダムは幼い頃に住んでいた街を訪ねる。そこには12歳の頃のままの父母が暮らしていた。子供の頃に戻り両親と気持ちを交わし合うアダム。
そして両親とのやりとりを通じ、少しずつ外界に対し心を開いていく。しかし、その幸せは長くは続かない。
という、ストーリーはほとんど同じ。しかし表現がところどころ異なるのが楽しめる。
日本人としては日本版がやはり好きだ。
でもアダムが父親(ジェイミー・ベル)と時を経て気持ちを伝え合う場面はグッときた。
ちなみにジェイミー・ベルは大好きな映画「リトル・ダンサー」で主人公のバレリーナを目指す少年を演じた俳優さんであった。名前に見覚えあってググってしみじみ時の流れを感じる。
こんな風に演じ手達の変遷を辿るのも映画鑑賞の醍醐味の一つだ。
ファミリーストーリーが好きな人向き。