映画感想文「あみこ」山中瑤子監督の個性炸裂。地方都市に住む女子高生のユウウツを描く快作
自意識過剰すぎるー。
みんなと一緒、は嫌。その癖、みんなと一緒じゃないと不安になる。そんな「めんどくせーんだよ!」と一喝したくなる情緒不安定さ。
これぞ、思春期だ。観ている方もムズムズと恥ずい。でもそのむず痒さがクセになる。
北陸の田舎町に住む、女子高生あみこ。美人なわけでもない。勉強ができるわけでもない。クラスの人気者でもない。地味な地方都市の女子高生である。
だが、自分だけは特別だと思ってる。
それって若者っぽいね。と言いたい。しかし残念ながら、きっと幾つになっても似たようなものだ。あえて違いといえば、大人になるにつれ、そう思う自分を隠すのが上手くなる、ってことくらいか。
映画監督というより、詩人ですか?と見紛う言葉選びの秀逸さ。印象に残るセリフ多数。加えて、独特のカメラワーク。え?こう撮るの?という意欲的な画に、何度も心奪われた。
素晴らしい!
古今東西何度もあったであろう問い。女の子のやりたい放題が心地いいか、不愉快か。これらに好き嫌いはあれど、傑作なこと間違いなし。何しろ、山中瑤子監督のオリジナルな個性が溢れてるのだ。
「ナミビアの砂漠」の監督のデビュー作として興味持ち視聴。おすすめ。