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映画感想文「四月になれば彼女は」頭で考えずに身体で感じる映画。長澤まさみと森七菜は最強だ

長澤まさみが好きだ。

彼女は、素晴らしい女優でありながら、そうではない仕事をしてもきっと成功しただろうと思わせる普遍的なクレーバーさ、誠実さを備えている。

なぜだか、そんな感じがするのだ。

だから、大女優なんだけど隣の同僚のような感じもあって。妙な親近感がある。

そんな長澤まさみに、森七菜。これって、いまの日本の映画界として、最高の組み合わせである。

森七菜からは本能で演じてる感じをいつも受ける。恐らく、生まれつきの天性の女優なのだろう。

この2人が主人公の藤代(佐藤健)をめぐる女達である。基本的にこの3人を主軸に物語は進む。

獣医の弥生(長澤まさみ)と結婚を控えた精神科医の藤代。そんな彼のもとにある日学生時代の恋人ハル(森七菜)からのエアメールが届く。彼女は昔2人で行こうとして果たせなかったプラハやウニユ湖へとひとりで旅をしていた。

そんな中、結婚を前に弥生が姿を消してしまう。なぜだかわからない藤代。後半はその秘密を探る、謎解きのような話が続く。

なにかのインタビューで長澤まさみが「弥生のことは理解できない。だから演じるにあたり困ったんだけど、そのまままっすぐにその時の感情を伝えようと途中から思った」みたいなことを語っていた。

すごくわかる気がする。

長澤まさみは頭で理解する人のように思えるからだ。

原田美枝子と菅田将暉主演の「百花」とかもそうだが、川村元気の小説の映画化はツッコミどころが結構ある。本作も同様だ。

あれ?なんでそれ、わかったの?えー、そこ、帳尻あわないけど。いやー、そこで、主人公がその行動取るの、全く理解できないんだけど。みたいな感じがいくつかある。

しかしそれでも、それらをも帳消しにする圧倒的な感情へ揺さぶるものがある。エモーショナルさが群を抜いてるのだ。私のような素人がいうのも恐縮であるが、それこそが誰にも持ち得ない、彼の素晴らしさだと思う。

そう、だから頭で考えると理解できない。

そして、本作は藤井風の主題歌がメロディも歌詞も素晴らしい。映画にぴったりの曲。そしてなんなら映画の世界観をも超えてる名曲だ。

この映画は感性に身を任せ頭で考えずに全身で感じるべき作品である。

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