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映画感想文「ボストン1947」僕の前に道はできる。高村光太郎の詩の様な、史実に基づいた物語

史実を元にした物語。

1936年(昭和11年)ベルリンオリンピック。日本がアジアを制覇し植民地にしてブイブイ言わせてた時代のオリンピック。

マラソン競技で日本は金メダルを取得する。しかしそれは、日本名でオリンピックに参加した韓国人のソン・ギジョンの功績であった。

第二次世界大戦が終わり韓国は日本の植民地ではなくなる。でもメダルの記録はそのまま日本の栄光として残された。またソン・ギジョンは表彰された際に日本国旗を見えづらくしたという罪を日本に問われ、その後マラソンから引退する羽目に陥る。

そんな踏んだり蹴ったりの状態のソン・ギジョンがコーチとなり、戦後韓国にマラソンの栄光を勝ち取るまでの物語である。

韓国にその栄光をもたらした新人ソ・ユンボク選手。彼の活躍が描かれるが、演じた俳優さんが日本人俳優の松下洸平にクリソツで思わず本人かと画面を見直した。

日本人としては「ごめんなさい」の気持ちになるが、戦争とはすなわちそういうことである。だからここは真摯に受け止めながらも、どちらかというと2度と戦争を起こしてはならないという教訓として受け止めたい。

そしてこういう先人たちが積み上げてくれた歴史の上に、いまがある。ということを感謝したい。

僕の後に道はある。僕の前に道はできる(高村光太郎「道程」から)。僕の後の道に感謝しつつ、僕の前の道を作っていこう。そのようにしみじみ思う作品であった。

しかし余談になるがこの詩を作った時、高村光太郎、齢31歳。昔の人は早熟だ。

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