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映画感想文「GOD LAND」アイスランドの雄大な自然を前に人間の小ささを感じるロードムービー
アイスランドの自然が美しい。
雄大な山脈。ともかく山々が目に刺さるくらい迫力ある。透明な水を湛える川。高くて青い空。
それを楽しむと思えばよし。しかし、内容は、ひらすら暗い。そして、ひたすら長い。
しかも日本人に苦手な宗教。
デンマークの牧師ルーカス。彼は当時デンマーク占領下のアイスランドに布教活動に訪れる。
僻地の村に教会を建てるのだ。
しかし、言葉は通じない。村人は心を開いてくれない。村までの道は険しい。雨風の災害にも見舞われる。孤独と疲労の中、段々と彼は精神を病んでいく。
無宗教の身で言うのも恐縮だが、だいたい布教活動というもの自体に胡散臭さを感じる。自分たちの信じてるものは素晴らしい。だからあなたも入るべき。教えてあげる。
という感じ。宗教でその土地を占領しようとする施しの思考にしか思えない。
誰であれ、支配は不愉快である。
よって、占領されていたアイスランドである。どう考えてもデンマークにいい感情はないだろう。おまけに、その土地の人々や文化に歩み寄らないデンマーク人の宣教師である。
人が分かりあうことの難しさ、それを嘲笑うかのように、なんの頓着もなくそびえ立つ雄大な自然。そのコントラストに自然の前の人間の小ささをしみじみ感じる作品。