映画感想文「憧れを超えた侍たち 世界一への記録」組織論を学べる胸アツ映画
そう、こんな時だけ急に日本人だ。
スポーツは国をひとつにする。結末知ってるけど、観るべき映画。理由はふたつ。
まず、組織論として勉強になる。やっぱり、栗山監督は凄い。
1.指揮官の直接アプローチ
球団を通して参加依頼を伝えるのが常だが、その選択肢を取らず、本人に直接アプローチをかけたこと(しかも海外組に対しては栗山監督が現地訪問対面交渉)
2.当事者意識を促すアプローチ
このチームにはリーダーを置かないと宣言し、全員の当事者意識を引き出したこと
3.裏でしっかりフォロー
その癖、裏では個別に「ダル頼むよ」等しっかりベテランに後輩指導とチーム牽引をお願いしてること
4.選手のプライドと自主性を重要視した起用
不調だったエースをずっと使い続けプライドを傷付けず奮起を促したこと。試合中に指を骨折した内野手を本人の「試合に出たい」を尊重し最後まで使い続け、これまた奮起を促したこと。
これ、そのままどの組織にも当てはまる勝利へのセオリーだ。わかっちゃいても、なかなかできないわけだが、それをやり抜いた肝の座り方が素晴らしい。
二つ目。大谷選手の凄さがまざまざとわかる。
どんなシーンでも、ひとりだけ会話の視座が違う。
それぞれが自分のコンディションや気持ちを語る場面で、彼だけは会話の対象が「自分」ではなく「世の中」。更に、その時の時間軸が未来。
「過去にWBCに出場した先輩たちをみて僕らもこの場に立つことを夢見てきました。だからこの試合をみて野球に憧れる子供達がたくさんうまれることを願ってます」みたいな感じ。
タイトルにもなってる憧れを捨てましょう、の名言も言うまでもなく。
もはや、同じ時代に生まれたことを感謝したい。
胸アツになれるシーン満載。3週間の限定公開、早めに映画館へ。
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