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映画感想文「366日」赤楚衛二に沼り、上白石萌歌の隙なき好感度に震える掘り出し物ラブストーリー

よくあるやつだよね、とたかを括ってた。

そう、ベタな恋愛映画。

まるでテンプレートあるよね、みたいな。

女の子は愛らしくちょっと抜けたとこもある健気キャラ。そこにタイプが異なる男2人。大抵はクールとホットの組み合わせ。

最初は女の子の片思い。でも途中でクール男はなぜか急に彼女の良さに気付き、2人は付き合うことになる。

自分の気持ちを脇に置き、彼女の恋を応援するホット男。だが、彼女はちっとも気付かない。

やがて、ちょっとしたすれ違いで彼女とクール男はやむなく離れ離れになる。その後もタイミング合わず。視聴者を悶々とさせる。

予想通り、驚くくらいテンプレート通りであった。おまけにご都合主義の度々の偶然もセット。

なのに。良かった。

ひとえにキャスティングの見事さと主演の赤楚衛二、上白石萌歌。2人の好演による、ケミストリーの勝利である。

特に赤楚衛二。この人はやばい。名前は認知していたがノーマークであったことを本作で猛省した。これから作品をチェックしたい。

なにしろ、イケメンキャラだが、欠け具合が絶妙なのだ。うまく言葉にできなかったり、ちょっぴり不器用だったり。完璧ではない欠け具合が最高だ。

そして溌剌としていないところ。要するに微妙に陰がある。それも魅力的だ。

イケメンで不完全、っていちばんモテるやつだ。

完璧な2枚目で勉強もスポーツもできて、弁舌さわやか、コミュニケーションスキルも高い。そんな人は実際は、さほどモテない。手を差し伸べる余地が見出せないからだ。

それより欠けてる人に、人はそそられる。

役柄もそう言う役だし、演じる彼もそれにハマっている。なんかもっと上手く生きられなかったかな。っていう、少しカッコ悪いところがとても素敵だ。そんな彼を余すことなく、堪能する映画である。

沖縄に住む高校生のミナト(赤楚衛二)。下級生のミウ(上白石萌歌)と出会い恋に落ちる。卒業して東京の大学に進学したミナトを追って上京したミウ。幸せな同棲生活を送る2人だが、やがてすれ違っていく。

ちなみに、ホット男を演じる中島裕翔も好演。それに役柄が誰が見ても支持したくなる男の中の男なのだ。雲ひとつない青空のような男を演じている。

選びがたし。

要するにホットとクール。自分ならどっちに惹かれるかなーとあり得ない空想を膨らませ、無邪気に楽しめる作品である。

最後に。上白石姉妹の好感度の高さよ。もはや親御さんに誰かインタビューしてほしいレベル。どんな風に育てたらこんな風に素敵に育つのか、知りたい。上白石萌歌のどこをとっても隙のない好感度の高さに震えた。素晴らしい。

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