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映画感想文「騙し絵の牙」大泉洋を当て書きした秀逸なお仕事映画
予告とは違い、熱き、お仕事映画。
大泉洋を「あてがき」した小説を映画化。
出版不況の中、廃刊手前の雑誌の編集長が、派閥の蠢くなか、大胆な奇策に打って出る姿を描く。という半沢直樹的なお話。
それだけでも充分楽しめる。
が、秀逸なのは彼の部下である、実家が街の本屋さんを営む、松岡茉優演じる本を愛する新人編集者を配したこと。
大人達の思惑で翻弄される中、もがきながら、大好きな本の未来を模索する、彼女の真っ直ぐな言動が随所で眩しく光る。
それぞれの価値観、それぞれの選択。何が正解、どちらが勝った負けた、ではなく、自分なら何を選ぶか。
佐藤浩市、池田エライザ、宮沢氷魚、木村佳乃、國村隼等々。豪華な出演者のいずれもが、自分の正義で懸命に生きる役を好演。
それが心地よく、明日からも頑張ろうと活力を貰える。
大泉洋のエッセイを担当した雑誌『ダ・ヴィンチ』の編集者が作家塩田武士に「あてがき」を持ちかけ、この作品が実現したという。
それも凄いし、そもそも映画というもの自体が才能のかけ算。その化学反応がみたくて映画を観る。
良い映画を観て、人の可能性が無限大だと思える瞬間が好きだ。