映画感想文「名探偵ポアロ ベネチアの亡霊」安定のアガサ・クリスティ、謎の達成感あり
前2作より好きだ。
ケネス・ブラナーの名探偵ポアロ3作目。
子供の時に貪るように読んだアガサ・クリスティ。人間の矛盾や愚かさを徹底的に描いてるところが好きだった。
あー、やっちゃったかー。
なんでこうなっちゃうかな。
でも‥もしかしたら、なにか掛け違ってたら、自分もあるのかもしれない?という恐ろしさ。
だから、オリエント急行とか、ナイル殺人事件みたいな派手な豪華さには欠けるが、人間心理に迫った本作、ミステリーとしてはいちばん良かった。
ベネチアで隠遁生活を送っていたポワロが、旧友に誘われ降霊会に参加する。場所は子供の亡霊が出るという古い屋敷。そこでは1年前にも女主人の娘が命を落としていた。
冷静な理論派で幽霊など信じないポワロは、幽霊屋敷の謎をどう解いていくのか。という物語。
怖いの苦手なため、大丈夫かなー、とちょっとドキドキで臨んだが、基本的にホラーではなくミステリー作品なため超常現象で終わらないはずだと、安心して観れた。
そうそう。そういうのもアガサ・クリスティの好きなとこだった。現実的なところ。
しかし、こんな風に何十年も経っても世界中で読み継がれるって、素晴らしいなと、しみじみ思う。
雨のベネチアが、美しく物悲しかった。
推理小説好きに。達成感得たい人に。謎解きは自分で解いてないのに、達成感あるから不思議だ。