映画感想文「プリンセス・ダイアナ」人生は二項対立で成り立ってると痛感するドキュメンタリー映画
食い入るように、テレビに見入ったのを覚えてる。
生まれて初めてみた。あんなに長いベール。真っ白で何メートルも延々と続いてた。厳かな気持ちになった。
そして金髪で碧眼。まさにお姫様な完璧な容姿。
不幸が入り込む余地なんて全く見えなかった。おとぎ話のようなシンデレラストーリー。
そんなダイアナ元皇太子妃のドキュメンタリー。
彼女の人生は、皮肉だ。皇太子妃になったからこそ、彼女は力を持ち、多くの機会を得て、天職とも言える社会活動に勤しむことができた。
しかし、彼女には皇太子妃という仕事は窮屈で辛いものであった。
それもわかる。
それでも、皇太子妃であるからこその能力の発見と発揮。しかし皇太子妃であるが故の葛藤と不適合。
この矛盾よ。
人生とはいかに二項対立で成り立っていることか。
そんな矛盾を感じるドキュメンタリー映画。当時の映像やメディアを中心に語られており、派手さはないが堅実な作りであり好感が持てる。