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映画感想文「アイアム・ア・コメディアン」お笑い芸人村本大輔の魅力がわかるドキュメンタリー
ダサい。ウザい。
近くにいたらしんどいな。正直そう思うのに。
涙も鼻水も酔っ払いの愚痴も、全てそのまま垂れ流す真っ直ぐさに、不快感を感じながらも胸打たれていた。そんなドキュメンタリー。
お笑い芸人のウーマンラッシュアワーの村本大輔。相方の中川パラダイスと共にコンビで2013年にTHE MANZAI2013で優勝。以降売れっ子に。
ピーク時の2017年にはテレビ登場回数年間250件。しかし村本の政治的発言によりテレビから次第に敬遠され、いまやテレビには出禁状態。ほとんど出ていない。
やむなく、テレビから劇場に場を移し活動。また米国留学しNYでスタンダップコメディを目指し慣れない英語で異国の地のステージに立つ。
間にコロナの自粛期間も挟み、しんどい日々だったことが伺える。また原発をはじめとする彼の政治的発言。その背景には原発の街、福井県出身である彼の出自も影響していることがよくわかる。
そんな彼の不安でいっぱいながらも、自分を信じ前に進もうとする強さ。そして時には虚勢と防御が入り混じる弱さ。それらを綴る本作。
父親や母親など家族との生々しい喧嘩や掛け合いもそのまま映ってる。
40過ぎた大人が何言っちゃってるの、てことも満載だ。それでも、ひとりの男の覚悟を感じる作品に仕上がっており、否が応でも心を動かす。
彼自身の生き様が凄いのはもちろんだが、これをまとめ上げた監督の手腕が素晴らしい。見応えあるドキュメンタリー映画である。