マーケットの声に耳を傾ける際の注意点〜awoo Japan Go To Marketの記録〜
推測は確信へ
awoo Japan 日本事業開発責任者の吉澤です。
2020年夏、台湾から日本に本格上陸してから約半年が経過しました。さて、この半年間で何が変わったか。それは、
推測が確信に変わった
ということです。僕はとにかく、カントリーマネージャーになって最初にやったことは、マーケットの声を聞くことでした。市場はいま、何がペインポイントなのか。僕たちMarTechベンダーが求められている責務とは何か。消費者は今何を必要としているのか。こうした声をとにかく拾い上げること。そして、その先にある我々のベネフィットを考えること。まずはここに徹底集中しました。
スタートアップを立ち上げた人は皆これをやると思いますし、一般論としても、経営において重要なことなので、皆さん「わかってるよ」と言いたくなると思います。
しかし、実際これを的確にできている人はごくわずかではないでしょうか。多くの人は、ここで誤った方法をとっています。その原因は、きっとこうだろう、というバイアスがかかっているからです。
バイアスを捨てよう
何かプロダクトを作ってローンチするとき、少なからずその人には自信とプライドがあります。人は誰しも、自信とプライドを傷つけることには向き合いたくありません。だから、わずかな賛同人の声を全体の声として捉えてしまうのです。周りにいるイエスマン、褒めてくれる仲間、おだててくれる友人・知人。頑張っている人間を応援したくなるが故に、こういう人たちは、いいところだけを伝えてくれます。
しかし、世の中は表と裏が必ず存在します。良い面ばかりではありません。良い面もあれば、必ず悪い面もあるのです。
何が言いたいかというと、何かをヒアリングするときには、必ず中立的な立場の人に、正直に話を聞くことです。そして、質問の仕方にもバイアスがかからないように注意することです。
「こういう理由でこういうことに貢献するためのプロダクトを作りました。どう思いますか?」
まさか、こんな聞き方、していないでしょうね?
こんな質問したら、「いいと思いますよ」って返ってくるに決まってます。これじゃあ、ただ「自信が欲しいので背中をおしてくれ」って言っているだけで、ヒアリングではありません。
マーケットヒアリングにおいて、一番重要な前提条件は、プロダクトのことは一切話をしないことです。
その人の素を引き出す
その人が感じるマーケットの課題を、ごく自然に、頭の中にある素の状態を引き出すことがヒアリングでは重要です。
今あなたが感じるマーケットの課題は何か
この1点を、とにかく根掘り葉掘り掘り下げて聞いていくこと。なぜなら、最初に質問した時点で「自分がいまマーケットに対してどんな課題を感じているか」なんて、言語化できている人はそうそういません。
だから、コーチングのように質問をどんどん繰り出していきながら、その人の本質的な課題を一緒に探していくのです。この旅の途中に、必ずプロダクトのベネフィットにつながるヒントが隠されています。
あとはヒアリングをたくさん積み重ねていくだけです。
ちなみに、ヒアリングは必ず録音しましょう。そして、テキストに起こしましょう。あとで考察するときに資産になります。
このヒアリングを繰り返したおかげで、僕は、awooが持っているプロダクトの価値をどう伝えればよいのか、言語化することができ、この半年で、仮説立てたベネフィットが確信に変わったのです。
しかし、この作業はとても大変で、苦しいものです。なぜなら、価値が定まらないなかクライアントに提案を続けなければならないからです。
「うちのプロダクトはこんなベネフィットを持っています!」ということが言えないので、1社1社課題を徹底的に深掘りして、自分たちのベネフィットを推測しながら、マッチングポイントを追求し、提案を続けていく。
営業活動としてはかなり負荷のかかる作業です。これを提案の度に1人で続けるのは、さすがに疲労困ぱいでした。
確信に変わったその先にあるもの
しかし、これを続けた結果、その先には「確信」という二文字が待っていることも知っていました。それがモチベーションになり、半年間ずっと耐えながら必死にバリューを探し続けました。
2020年は、この「確信」を探す旅でもありました。まさにマーケット立ち上げのフェーズ、Go To Marketの入り口です。
そして、確信を得た今、2021年に目指すものは「拡張」です。
バリューがわかれば、あとはそれを「伝えまくる」。
伝えまくったその先には、「認知」され、「評判」を生み、「拡散」する。それがawoo Japanが掲げる2021年の目標です。
サイトリニューアル
最後に。
awoo Japanにとっての「確信」とは何か。
サイトをリニューアルしたので、ぜひチェックしてみてください。
ベネフィットポイントをふんだんに取り入れました。
それではまた後ほど。
awoo Japan 日本事業開発責任者 吉澤 和之