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うのの さあら
2020年6月26日 23:30
セメントに足をとられて幾星霜あなたのためのレリーフになって一旗上げたいとりんごを捨ててやってきたあの木と私とどちらが先に朽ちるか散るか食われるか恋物語はどうやら先に化石となって葬られ残る我らが身の不憫朽ちるか散るか食われるか
千年と3日回って三月の日暮れに香る沈香を辿って出会う粗忽者さて洒落込んでどこへ行くもう会わないと言ったのが星より遠いあの日ならきっと忘れて手を取ってあぁ、染め抜きの手拭いが私の頬を拭うまであと数秒で世界が寝込む
きなりの服を染めた赤赤々と伸びる夕焼けの陽閃光が飛んでどうと出る風も吹くやら吹かぬやら 荒川の土手で見た影に追われて問うて蹄鉄の音を聞いたと思ったがそれも幻工場の子遠くの煙突の煙に母慕う夕餉の湯気の恋しくてねぇ父ちゃん僕いつかここを出て行けるかいねぇ父ちゃん2人でここを出られるかい
ねぇあんた私の髪をといておくれでないかいもう私には夢もない金もなければ愛もない私の唯一の自慢のさぁ私の髪をといておくれでないかいそのつげの櫛で別れをつげてそれでおしまいそれまでよ惨めな思いはさせないでおくれな夢も金も愛も無くてもさぁ人って生きるもんだねぇ性懲りもせず腹を空かせてだれかの腿にまた手を当ててしんねりしなをつくるのさぁあんた、私のた
めぇめぇ羊にベェベェ山羊さん寄らず計らず迫りくる微笑みの声先行投資右斜めから双剣の股の間のセントラル銘々集めて東京の朝
にゃあと鳴き3日目の夜諦めた僕と君とは君と僕とであれやしないバターの匂いのする君と珈琲色の僕とでは混ぜて混ざらぬツルゲーネフと椿姫金色夜叉をなぞらって 君は僕を捨てたらいい月夜の晩に捨てたらいい今月今夜のこの月を僕は忘れてしまうだろうミルクの香りに誘われてあぁにゃあにゃあとまた鳴いて君のことなど忘れるよ君のことを忘れてもバターは僕を起こすだろうか
キュウとプゥとで走ったよ赤い靴点々とどこまでも追いかけて小さな膝に噛み付いてケタケタホゥと声上げて2人で走れば風神雷神怖くもないさねぇでもプゥ君はいつの間にかずいぶん大きくなったねぇその身体ではもう走れないかもしれないねもう飛べないかもしれないねでもプゥ僕は君を置いて行ったりしないよ真っ黒でボタボタとした君をどこへもやったりしないよも
2020年6月25日 11:30
食う寝る遊ぶは一つのことよトントン隣の和尚さんが月指差して言ったとなあれこいさん行儀ようせなあきませんあんさんもいずれ帰りはる月夜の晩にはまんまるの毬などついていらっしゃれ帰り道にゃ迷わぬようにテンテン手毬と歌うていればやがて迎えも来らっしゃるテンテン手毬とこいさんの丸いほっぺと青い月
2020年6月24日 11:30
蕎麦の実を食む君の欠けた歯
2020年6月23日 11:30
なんでも口に入れてはいけないよそう言ってあなたは優しく精悍な手でドロリとしたそれを私から取り上げて清潔で安全な退屈を手渡す
2020年6月22日 11:30
キンキンと光る水曜日流れる雲の速さに驚いてキツツキも我を忘れる金曜日暗澹たる土曜日と日曜日桜の葉もかげる粘膜
2020年6月21日 11:30
電球の下で繕い物をしてるあなたが見えたと思ったのでも違ったそれは似ても似つかぬあの人だった針と糸で縫い付けているのは繕い物ではなくわたしの恋心だった出血多量の恋心は余命幾ばくもなく死んでいくあわれ惨めなあの人は必死に取り繕って抱きしめる迷子のおさなごのようにおろおろ、おろおろ泣きじゃくるどうしてだろう私の視界が歪んでくどうしてだろう私の喉
2020年6月20日 11:30
しおりの脚を3回撫でてもういらないと呟いてウィスキーをロックであおったらどこかの風が椅子の下を通った猫も知らない夜中の話
2020年6月19日 11:30
コノワタとお銚子で涙の出窓が閉まらないはめ殺しになっていたからねとおかみさんが言う通りがかりのイグアナが決まり悪そうに隣に座って舌をチョロリと出した曇り空にはコールテンのズボンが侘しい