苦しくても12年続けた広告運用が今のわたしを支えてる
ウェブ広告の仕事
これまでずっとゆったり過ごせていた日々から一変し、今週は、在籍中の会社も副業でお手伝いしている会社も、MTGや作業の依頼があって、いきなり忙しくなった(とはいえ、働いていた頃の稼働時間の半分も満たない)。
わたしの専門は、ウェブ広告・ウェブマーケティングだ。
新卒でウェブ広告の代理店に入ってから、この領域での仕事はかれこれ12年やっている。
初めての転職では「もう広告運用なんて嫌だ!」と思って事業会社に転職したはずが、結局そこでも自ら進んで広告運用をやったりもしたし、3社目の今の会社でも、代理店時代なみにガッツリ広告運用に携わることとなった。
新卒時代は要領も悪く、ミスばかり、怒られてばかりで、広告運用の仕事が本当に辛かった。
ミスを防ぐことがとても難しい仕事にも関わらず、ミスしないことが当たり前で、一つの小さなミスでも致命的な損失を被ることもある。
代理店のときは、そんな些細なミスで、何度心臓をえぐられるような想いをしたことか……。
企業が求める「ウェブ広告で成果を出せる人」とは
でも、ファーストキャリアでウェブ広告運用に携われたこと、そこで死ぬほどミスして苦しみながらも這いつくばった経験は、確実に、その後のわたしのキャリアを優位にしてくれたと思っている。
まず、ウェブ広告の運用ができる人は、かなり重宝される。
特にスタートアップなどの、常に他の業務で忙殺され、人材不足だけど広告は出さないと集客が間に合わない、という会社は常にウェブ広告で成果を出せる人材を探している。
でも、「ウェブ広告で成果を出せる人材」というのが、これまた探すのが難しいのだ。
正直、広告を出すことは誰でも簡単にできる。
しかし、「効果を出す」「ミスを出さない」「適切に管理する」スキルは、十分な経験を積まないと身につけられないものだと思っている。
まず、広告管理画面を正しく使えるようになるスキルは最低限で、効果計測のためのタグ設定・HTMLについてもある程度の知識が必要だ。
次に、効果検証・分析のスキル。
広告を出してから改善をし続けるために必須のスキルだ。
分析ツールの使い方、データ集計方法、改善施策につなげるための分析の切り口のセンスも必要である。
そんな左脳をフルに使うようなスキルを発揮しながらも、あくまで領域は広告。
広告を見た人の心をどう動かすかも考えなければ、目的であるアクションには繋がらない。
広告クリエイティブは、キャッチコピーは、ランディングページは……など、配信後の領域にも気を配って改善を重ねる必要がある。
「ウェブ広告で成果を出せる人材」というのは、こういうさまざまな視点で知識があり、それを実践に落としこみ、数値を改善できる人たちのことである。
ここまでの広い守備範囲をカバーしようと思うと、数ヶ月スクールに通うくらいではかなり難しいと思う。
嫌だった仕事は時間をかけて自分の自信と誇りになった
わたしは、この12年という年月をかけたからこそ得られたスキルとその深度が少なからずある。
また、それが、一緒に働く人には”安心感”として受け取ってもらえているのではないかと感じている。
あんなに辛く苦しいものだった「ウェブ広告」の仕事は、今はもう、わたしにとっては最も自信を持ってクライアントに提供できる仕事であり、呼吸するようにこなせる仕事の一つとなっている。
休職中に行った軽い仕事でも、このスキルが誰かの役に立てた瞬間がたくさんあった。
嫌々ながらも自分が12年間積み上げてきたものは、今のわたしの生活だけでなく、社会人としての誇りも支えてくれている。