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第3回「次の100年に向けて~原田産業が描く、サステナブルな未来」

皆様、こんにちは。さいたまサステナブル経営研究所「サステナ経営の指南役」の青木祥世です。
気候変動、環境問題、社会的不平等など、私たちを取り巻く課題が深刻化する中、企業のサステナビリティへの取り組みは、もはや選択肢ではなく必須となっています。特に2025年からの非財務情報開示の義務化を控え、多くの企業が対応を迫られています。このような状況下で、中堅企業である原田産業の取り組みは、多くの企業にとって貴重な示唆を提供しています。
これまでの2回にわたり、原田産業のCFP(カーボンフットプリント)算定やサステナブル素材の活用など、具体的な取り組みについてご紹介してきました。最終回となる今回は、同社が描く壮大なビジョンと、その実現に向けた全社的な取り組みについて、最後にご紹介します。


◆全員が主役!サステナビリティ推進体制


原田産業では、サステナビリティを特定部門だけの課題とせず、全社員が主体的に活動できる独自の体制を構築しています。この体制は以下の3つの柱で支えられています。
•    全社的な目標設定と進捗管理
                        各部門による年間アクションプランの策定
                        2030年に向けた具体的なマイルストーンの設定
                        四半期ごとの進捗確認会議の実施
                        データに基づく客観的な評価システムの導入
•    継続的な社員教育と意識改革
                        月1回のサステナビリティ研修会の開催
                        外部専門家を招いた勉強会の実施
                        部門横断的なワークショップの開催
                        社内報を通じた好事例の共有
•    イノベーション創出のための仕組み作り
                        社内提案制度「サステナブル・イニシアチブ」の運営
                        四半期ごとのアイデアコンテストの実施
                        優秀提案への実現サポート体制
                        部門を超えたプロジェクトチームの編成
 

◆イノベーション創出への挑戦


原田産業は、次世代を見据えたイノベーション創出に積極的に取り組んでいます。
•    HARADA ACCELERATOR PROGRAM
                        スタートアップ企業との戦略的パートナーシップ構築
                        年間10社程度との協業プロジェクト実施
                        実証実験の場の提供
                        事業化支援とメンタリング
•    若手社員の積極的な登用
                        入社2年目の杉本知輝氏による新規プロジェクト立ち上げ
                        20代社員で構成される「未来創造チーム」の設置
                        若手社員への権限委譲と責任の付与
                        メンター制度による支援体制

◆100年の歴史が育んだサステナビリティへの想い


原田産業は、100年以上の歴史の中で、社会貢献を大切にしてきました。関東大震災後の復興を支援するなど、社会の課題解決に貢献してきた歴史は、現在のサステナビリティ経営の礎となっています。
・関東大震災後の復興支援活動
・戦後の地域経済復興への貢献
・環境配慮型商品の早期取り扱い開始
・地域社会との強固な信頼関係の構築
澤田取締役は、「商社は社会課題の解決こそをビジネスにするべきだ」と語ります。この言葉には、原田産業がサステナビリティを単なる企業の社会的責任ではなく、ビジネスの核として捉えていることが表れています。

◆未来への挑戦『SBT認証取得とさらなる発展』


原田産業は、2025年までにSBT(科学的根拠に基づく目標設定)認証を取得することを目指しています。これは、パリ協定に基づいた温室効果ガス排出削減目標を設定し、科学的な根拠に基づいて目標達成に向けた取り組みを進めることを意味します。
また、CFPをビジネスの指標として確立し、サステナビリティに関する専門知識を持つ人材を育成することで、サプライチェーン全体でのサステナビリティレベル向上を目指しています。
・SBT認証取得による科学的根拠に基づいた温室効果ガス排出削減
・CFPをビジネス指標として確立
・サステナビリティ専門人材の育成
・サプライチェーン全体でのサステナビリティレベル向上

◆まとめ


原田産業は、サステナビリティ経営を通じて、企業の成長と社会貢献を両立させようとしています。澤田取締役は、「SDGsへのアクションを通してビジネスをより強固にし、社会全体を継続可能な形で未来につなげていく」と語っています。
原田産業の取り組みは、私たちに多くの示唆を与えてくれます。企業は、経済的な成功だけでなく、社会に対する責任を果たすことも重要です。そして、一人ひとりが意識を持ち、行動することで、より持続可能な社会を実現できるのだと思います。
 

◆最後に:考える前にまず行動を!


全3回に渡り、中堅企業である原田産業のサステナ経営をお伝えしてきました。サステナビリティ経営は、もはや大企業だけの取り組みではありません。原田産業は、100年の歴史の中で培われた経験と、社員一人ひとりの情熱で、サステナビリティ経営を推進しています。中小企業の皆様も、資金や人材が限られている中で、どこから手をつければ良いか悩んでいるかもしれません。しかし、そこで立ち止まっていては、何も生まれません。
弊社は、何から始めて良いのかわからない・・・専門家が社内にいないから手がつけられない・・・といった企業課題に寄り添い、中小企業の皆様がスムーズにサステナ経営に取り組める環境作りをお手伝いしています。
27年度から大企業に対するサステナ情報開示の義務化が始まることは間違いないと思います。大企業を取引先にもつ中小企業への影響は甚大です。何もせずにその時を迎えると、売り上げの多くの割合を占めている大企業との取引が突然なくなってしまう可能性があります。
よく、サステナ経営をやるとどれだけ儲かる?と中小企業の経営者の方々に聞かれますが、中小企業では、まずやらないことによって起こり得るリスクを回避すべきだと思います。そのためには、その時になってからでいいかな・・・という考えでは後手を踏みます。27年度から始まるということは、26年度の1年間は取り組みをしていないといけないということであり、26年度に取り組むということは、25年度中に次年度からやることを決めておかないといけないということになります。
中小企業の経営者の皆様!思ったほど多くの時間はありませんが、今であれば、まだ時間が味方になってくれます!!25年度中にじっくりと自社の身の丈にあった取り組みを考えることができます。
中小企業の経営者の皆様、やるなら今です。
時間を味方につけましょう!!
 
参考記事

原田産業HP

注意書き:このメルマガの内容は、上記URLの記事および原田産業HPを私が個人的に読み、私自身が理解した内容を噛み砕いて発信しています。
上記記事に記載されている内容および企業の取り組みを保証するものではありません。

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