見出し画像

映画「658km、陽子の旅」を観て心が抉られた件について

なんとなく、あまり期待せずに見始めたんだけど、見終わったらちょっと打ちひしがれてしまった。
エグるねぇ。同年代を。
ところどころ状況にツッコミどころはあったんだけど、身につまされる部分が刺さりすぎたからちょっと記しておく。

主人公の陽子、42歳。氷河期世代らしく、東京でほぼ引きこもり生活を送っている。住んでいる環境も貧しそうだ。最初は、あまり期待せずに見始めたが、ヒッチハイクを始めると物語が動き出した。

最初に車に乗せてくれた女性が黒沢あすかさん。
この女優さん、好きなんだよな。相変わらず色気たっぷりでなんか惹かれる女性。
あ、見上愛ちゃんだ。「きれいのくに」で始めて見たときから気になってる女優さん。この子がマフラーを巻いてくれたシーンから、気持ちが入っていった気がする。

そして旅の途中で出会う老夫妻のところで泣いたよ。
なんだろ。風吹ジュンさん大好き。
周りの人たちに気を配りながら温かく暮らしてきた姿がリアルに伝わってくる。
陽子は言葉はうまくでてこないけど、心から感謝を伝えたくなったんだろう。
人と関わることをずっと避けてた陽子が、自分から人に気持ちを伝えたくなったのだろう。

たぶん、青森に近づくにつれ、陽子がすこしずつ温度を取り戻していったんだ。きっとあの冷たい海で濡れた時に、ちょっと一線を越えたんだ。

陽子が最後に乗った車で、自分語りをするシーン。
そのセリフが同年代の私にグサグサ刺さる。
エグってくるねぇ。身につまされるよ。
陽子と違う環境にいるけど、似たような感情があるんだよね。

私は結婚して子供もできたけど、子供が巣立った今は空っぽだ。
最初は私が夫を養えるくらい稼ぐぞ!と思って結婚したのに、
いつの間にか仕事が減って、スキルも無くなっていって、好きな仕事だったのに、その求人も応募できるところがなくなってた。
自分の知恵も経験もすべて子供に与えて何も残っていない気持ちだ。
後悔はないけど、この先が不安でしかない。

子供のことに一生懸命応援しているうちに、自分のことを後回しにして、自分のことをがんばることをやめていた。
子供のせいじゃない、気づいてたんだ。
子供を言い訳に逃げてた。
どんどんブランクができてどんどん能力がなくなって年だけとっていく自分と向き合うことが怖かったのだ。
そして子供が巣立った今、何もなくなってしまった。

家族としか話していないからか、外でバリバリ働いているであろう友達の前で自信がなくなってしまった自分がいる。
その結果、自信がなくておどおどしてコミュ力すら低下してしまった。
ここにきて、頑張って這いつくばってでも社会に居続けることの価値がわかった。
能力に自信があったあの時の自分は、やめたってどこでも再就職できると思ってた。この年になったら応募することだけでこんなにハードルがあがってることに想像がつかなかった。

恥を捨てて、殻を破って、みっともなくて、惨めに縋ってヒッチハイクをした陽子。
だいぶ遅くなったけど、すんでのところで間に合ったのかな。

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0CMVYYX4Y/ref=atv_dp_share_cu_r


いいなと思ったら応援しよう!

まさだりりい
サポートのお気持ちとても嬉しいです!コーヒーで一息ついた気分で、これからも頑張れそうです☕✨

この記事が参加している募集