この時期になるとやっぱり思い出す大学受験のこと
毎年この時期になれば、やっぱり思い出す、大学受験のこと。
国公立大二次試験前期日程始まる
先日ニュースでその文言を見て、やっぱり今年も、思い出された。
4点差で失敗した1度目の二次試験も。その悔しさを乗り越えて合格をつかみ取ることができた2度目の二次試験も。
1度目の受験、高3の頃の二次試験の日。
いつもより随分早く起きて、会場まで向かう。センター試験で失敗したため、二次試験での追い上げが必須という状況だった。「センターから今日までの間、必死に頑張った。とりあえず今日は持っている力をちゃんと出し切ろう。」そう言い聞かせた。
「試験中以外は試験教室から出されるから、防寒はしっかりね。」
当時通っていた予備校で、私の志望大学に在学中のチューターさんの助言通り、防寒対策もしっかり。
最初の教科は悔いなくやり切れた。
二つ目の教科は……ボロボロだった。限られた制限時間の中で頭をひねるも、大問1つまるごと何もわからなかった。センター試験の時も足を引っ張った教科だったので、その時のことも思い出されて、泣きそうになった。
「またこの教科か……なんで」
高校入学時点で苦手意識があった教科だったので、他の教科よりも高1から力を入れてきた。その結果、高2の終わり~高3の最初の頃には他の教科よりも点数が取れる教科になっていた。それなのに……それなのに!!
そんなことまで頭に過って、この教科の試験中は精神的にも追い込まれてしまった。二つ目の教科が終わった時、「あぁもうダメかもしれない」と半ば諦めていた。
三つ目の教科。二次試験ラストの教科。気持ちはもう切れそうだった。でも、「このまま三つ目の教科をやってしまったら、結果は目に見えているし、ずっと後悔しそうな気がする。本当にもう望みは0なのかな?」と思う気持ちがまだわずかに残っていた。
「とにかく自分にできることをしよう。」
そう心から思って物事に取り組んだ時、自分の予想以上の力を発揮して、良い結果を出せるということを、過去に習い事で出場した大会で3度経験していた。だから私は解答用紙・問題用紙が配布され、試験開始の合図が鳴るまで、自分に必死に言い聞かせた。「他の教科のことは一旦いいから、とにかく今、この教科で自分にできることをするんだ。」
そうして臨んだ三教科目は、二つ目の教科の気持ちを一旦捨てて集中してできた。この三つ目の教科は、心の底からベストを尽くせた!!と言える出来だった。
こうして1度目の二次試験を終えた。帰り道冷静になると、色々な後悔に襲われる。受験お疲れ様と、その日家族で晩御飯を食べに行ったけど、気持ちはずっと沈んだままだった。
2度目の受験、浪人生の頃の二次試験の日
最終的に1度目の受験の結果は、合格最低点と自分の点数は4点弱という結果だった。
1度目の受験のことを踏まえて、臨んだ2度目の受験。
センター試験は自己ベスト達成、併願校の受験も合格という良い状態で、二次試験に繋げることができた。あとは二次試験で普段通りにできればいい、もしくは去年の同じぐらいの点数でもいい、だから大丈夫!!と自分に言い聞かせ続けた。
異変が起きたのは二次試験の約1週間前だった。左右の耳で聞こえる音の音程に差が出るという症状を突然発症した。駅の電車の発車メロディー、車内放送etc.、ある日を境に違和感を感じるようになった。「なんかこんな音程だったかな?」って。スマホで電話をかけた時、明らかにプルプルという発信音がいつもより低いことに気づき、慌てて逆の耳にスマホを当て直したら、後者の方は聞き馴染みのある音程のプルプルだった。
電車に乗るのも、音楽を聴くのも、電話をかけるのも全部怖くなってしまった。
耳鼻科に何度か行って聴力等調べても何も問題はなかった。絶対音感を少しでも持っている自分を初めて全否定しそうになったのは、その時だった。
そんな状態になりながらも、この2度目の受験で絶対に後悔は残したくないからと最後まで勉強を続けた。
先に現役で大学に進学していった友達も応援のメッセージをくれて、それも励みになった。
そうして迎えた2度目の二次試験。1年前と同じ会場で同じ試験教室。
きっと大丈夫。「とにかく自分にできることをしよう。」
そう言い聞かせて臨んだ一教科目。一部問題形式変更があり少し驚いたけど、「やり切ったな」という感覚。
二教科目。去年大失敗した教科であり、この1年で力を入れた教科だ。大問を一通り確認して、「去年よりいける気がする」と感じた。どんどん解き進めていく。終了の合図と共に出来上がったのは、明らかに去年よりも自信を持って埋まった解答用紙。
「ちゃんと持てる力発揮できた!」という感覚。
三教科目。これが最後の受験科目。ここで最低でも去年と同じレベルで点数が取れれば大丈夫。絶対今の自分ならいける、そう考えながら落ち着いた状態で迎えることができた。開始の合図と共に、どんどん解き進め、しっかり自信を持って解答用紙を埋めることができた。
終了の合図と共に達成感が凄かった。
こうして2度目の受験を終えた。数週間後に合格発表で自分の受験番号を見た時は、嬉しくて泣いた。
(そういえば試験が終わって以降いつの間にか耳の音程の件も日に日に治っていった。結局何だったのか今でもわからない。ストレスか?鼻炎で飲んでいた風邪薬のせいか?)
終わりに
自分のことを心から信じて最後まで諦めずやり抜く。
その大切さを、今振り返っても改めて感じられるエピソードだ。
二度の大学受験は、私の中で大きな経験として、きっとこれからも残り続ける。