恋愛に必要なことは物理学に聞くといい
僕大学は物理学科でした。
高校で物理にふれて、電磁気学とかが楽しかったので勉強して、なんとなく出来るようになったので、よりその魅力にひかれていった、みたいな感じです。
ちなみに好きな方程式はシュレーディンガー方程式、好きな関数はルジャンドル関数です。
ただ、物理学を好きな人ってそんなにいないのかなと。
数字が出てきて嫌だ、とか。
勉強したって役に立たないでしょ、みたいな。
まぁ、そうですね。仰る通りだと思います。
でもですね、数字はともかくとして役立つことはあるんです。
そこで、物理学面白いんだよってことを伝えるべく、恋愛になぞらえて紹介したいと思います!
万有引力の法則は合コンで使える。
今回は2つの物理現象を考えてみたいと思います。
まずは万有引力から。
万有引力はニュートン先生が発見した法則として有名だと思います。
リンゴが落ちるのは地球にリンゴが引っ張られてるからだってやつです。
この法則の意味するところは重さを持つ全ての物質には引力が働くというもので、式は
F=G×M×m/R^2
で表されます。
Fが引力の強さ、Gは万有引力定数で数字合わせるための決まった値、Mとmは引き合ってる同士の物体の質量、RはMとmの距離です。
「^2」は累乗を表してて、同じ数字を何回かけてるか、ってやつです。
この時は、距離Rを2回かけてます。
なのでこの式は、重いものであればそれだけ引力は強くなる、物体同士の距離が離れれば引力は弱くなる、っていうことを言ってるんですね。
このように重さを持つモノ同士は引き合ってるということをニュートンは見つけました。
つまり重さを持っている人間同士も実は引き合ってるってことです。
隣を見てください。
そう、今あなたと隣にいる方、引き合ってますよ。
どれくらいの力で引き合っているか気になりますよね。
じゃあ計算してみましょう。
ここでは60㎏の人間2人が1m離れている場合を考えてみて式に入れてみます。
また万有引力定数は6.67×10^-11としてます。(定数の単位はいったんなし)
F=6.67×10^-11×60×60/1^2
=2.4×10^-8[N]
ということになります。
単位のNはニュートンって読んで、これは力の大きさを表します。
つまり60㎏の人間2人が1m離れていたら、2.4×10^-8[N]の力で引き合ってるってことです。
ちなみに1[N]っていうのが、1キロのものを1加速度(この値が大きいほど速く動いてる感じ)にさせるために必要な力です。
ちょっとイメージつきづらいと思うので、どれくらいの重さを感じているかで考えてみます。
この引力FはF=maの形でも表せます。
いわゆる運動方程式です。
F=maって懐かしいなぁって方いるんじゃないですか。
ここにも代入してみましょう。
aは加速度で今回は近い値で出そうと思うので重力と考えてg(重力加速度)を代入します。
gは9.8と決まっていますが、ほぼ10なので10を入れます。
2.4×10^-8=m×10
m=2.4×10^-9[kg]
=2.4×10^-6[g]
出せましたね。
これどれくらいかっていうと、1円玉1枚が1グラムなので、それの100万分の1くらいの重み(引力)を感じている、みたいなことです。
気づかないレベルの引力ですが、確かに人間同士は引き合っているんです。
これ合コンで使えるんですね。
例文です。
初めて会ったけど、気づかないうちに僕たちずっと万有引力で引き合ってたんだよ。
今1mくらい離れてるから、そうだな・・・僕らの間に1円玉の100万分の1くらいの重さを引っ張る力、君も感じてるよね?
これ理系女子だったら一撃だと思うのでぜひ試してみてください。
素粒子は遠距離恋愛で使える。
次は素粒子についてです。
素粒子って言うのは、物質をめちゃめちゃ分解すると出てくる、これ以上分解できない粒子のことです。
ものすごくちっちゃい粒だと思ってください。
近畿大学のサイトから持ってきたのですが、この図分かりやすいんじゃないかと思います。
水分子は水素原子2つと酸素原子1つから成っていて、酸素原子は原子核(陽子8コと中性子8コ以上)と電子8コから成っていて、原子核の1つである陽子はクォークから成っている、みたいな、大体こんな感じで小さく分解していけるんです。
で、この一番小さい構成要素のことを素粒子って言います。
ちなみに僕の専攻は原子核でした。
素粒子についてはまだ分からないことも多いのですが、図の一番右側、クォークという素粒子にはグループが存在していることが分かっています。
クォークはアップ、ダウン、チャーム、ストレンジ、トップ、ボトムの6つから成るグループがあり、例えば陽子(原子核)はアップのクォーク2つとダウンのクォーク1つから出来ています。
陽子を分解したらクォーク3つで出来てるみたいな感じです。
で、このクォークは単独で存在することが出来なくて、クォーク同士がいつもものすごく強い力で引き合ってるんですね。
寂しがり屋なクォーク。かわいいですよね。
そしてこの引き合っている力がめちゃめちゃ強くて、その名も強い力っていいます。
で、この強い力は、離そうとすればするほど、より引き合うんです。
つまり物質を一番小さくしたときに出てくる粒子(素粒子)は、引き離そうとすればするほど強い力で引き合う、ということです。
そうですね、これは遠距離恋愛の時に使えます。
例文です。
僕たち今、遠距離になってるけど、でも大丈夫。
クォークみたいに離れた分だけ想いも強くなるよね。
だから心配しないでね。
これ理系女子だったら一撃だと思うのでぜひ使ってみてください。
ちなみにこの強い力は短い距離にしか働かないので、離れすぎたら、あとは知りません。
まとめ
いかがでしたか?
物理学にちょっと興味持ってもらえましたか?
僕この2つ結構すきで、人間レベルのサイズだと「重力」優勢になるので、離れると引力は弱くなる、だけど素粒子レベルのサイズだと、「強い力」優勢になるので離れたらそれだけ引力は強くなる。
同じ物理現象なのに逆の結論になるのってなんだかロマンですよね。
(厳密な話をすると、若干異なることもあるんですが、現役離れて久しいのでご容赦ください・・・!)
恋愛だけじゃなくって物理学を学ぶと、電車内で絶対に転ばない立ち方とか、静電気でバチっとならない方法とか、雨に一番濡れないで歩ける速度など、生活の色んな面で使えることを知ることが出来ます。
計算の必要がなくって、こういった雑学的な話だけ書いてある本とかもあるので、この機会にぜひ物理学にふれてみていただけると嬉しいです!
引き続きよろしくお願いいたします。
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