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【ありふれた日常から】なんてこと言うんだぁ!

座席に座って居眠りをしていた。
居眠りといっても完全に寝入っている訳ではない。
目を閉じて座っているという感じだろうか。

途中の駅から大学生風の男女が乗り込んできて、ぼくの座席の近くに立った。
目は閉じていたが、話し声がよく聞こえるくらいの距離にいることはわかった。
だから話している内容がわかってしまう。

話の内容の雲行きが怪しくなってきた。
やばい!実にやばい!
ぼくがこの週末に観に行こうと思っている映画の話だ。
その男女はその映画をすでに観ていたようだ。

これはまずい!
せっかく座れたのに席は立ちたくない。
それに車内は混んでいて他の席は空いていない。
かと言って、このまま映画の結末を聞いてしまっては、週末の楽しみが台無しになる。
耳を塞ぐべきか、そんなことしたら周りの乗客に変なやつだと思われる。

頼む!頼むから結末だけは言わないで・・・。
ぼくの願いは届かず、彼らは無慈悲にも声高らかに結末を語ってしまった。
ぼくはその映画を観に行かなかったことは言うまでもない。


▼毎日ふと思うこと、エッセイのような、詩のような、サラリーマンのつぶやき



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昭真(shoshin)
「通勤電車の詩」を読んでいただきありがとうございます。 サラリーマンの作家活動を応援していただけたらうれしいです。夢に一歩でも近づけるように頑張りたいです。よろしくお願いします。