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音もなく忍びよる厄介なあいつ

庭の手入れをしているとあいつがやってくる。

あいつの羽の音は耳障りで仕方がない。

撃墜しようとぼくから攻撃を仕掛けるが、どこにいるのかわからない。

ぼくのパンチは儚くも空を切る。

顔の周りに接近されると音でわかるが、手や足を狙われると気付きようがない。

気が付いた時には、もう刺された後だ。

それで夏の暑い日に長袖、長ズボンで暑さに耐えながら作業をしていると、ほんの少し露出している首や足首を狙ってくる。

挙げ句の果てには、スボンの上から刺してくるから防御のしようがない。

血が欲しいだけならくれてやる。

余計なかゆさを残していかないでほしい。

噛まれた後のかゆさが不快で仕方がない。

それに噛まれた箇所を触ってみると、小さく腫れ上がっている。

これもまた不快さに拍車をかける。

なぜあいつは人に迷惑をかけることしかしないのだろうか。

同じ地球上にいる生物だから、大切にしてあげようなんて、あいつにだけはどうしても思えない。

はっきり言って、絶滅してほしいとさえ思える。

頼むからそんな風に思わせないでくれ!

頼むからもうぼくに近寄らないでくれ!

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昭真(shoshin)
「通勤電車の詩」を読んでいただきありがとうございます。 サラリーマンの作家活動を応援していただけたらうれしいです。夢に一歩でも近づけるように頑張りたいです。よろしくお願いします。