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病気が治っていないのにダイエットをしたがっている状態
税理士の渋谷です。
以前投稿した以下の記事の続きというか補足記事です。
現任税理士への不満としてよく聞く理由のひとつに、
「いまの税理士が提案をしてくれない」
があります。
ほとんどの場合、この原因は以下のどれかです。
依頼者側の社内の状況が「提案」をできるフェーズではない
税務顧問業務の料金しか支払っていない
このうち2個目は単なる商談(条件面のすり合わせ)の問題なので本記事では割愛し、最初の1個目をフォーカスしたいと思います。
会計税務の分野には、段階があります。
![](https://assets.st-note.com/img/1737786584-aml1tAiD3rnqwUOvdo9jHyfe.png?width=1200)
「社内の経理体制の構築」ができていなければ「適切な会計処理」が作れず、
「適切な会計処理」が作れていない場合、「税務コンプライアンス構築」(≒適切な税務申告)ができず、
「税務コンプライアンス構築」が出来ていなければ、より付加価値の高いアドバイザリー業務である「コンサルティング」もできない、
ということです。
クライアントの方々が言う「提案」とはこの図でいうところの「コンサルティング」が一番近いと思われます。
例えば仮に経理体制が崩壊している(例:社内で資料を全く整理できていない、プライベート利用の費用に関する資料を税理士に渡す資料に混ぜている、源泉徴収事務を適切におこなえていない、etc.)場合や、
「記帳代行なし(自計化)」を選択しているにも関わらず、毎月税理士事務所から会計処理の修正の指摘を受けているといった場合、
上記図でいうところの1段階目や2段階目ですでに躓いている状態なので、それらのレクチャーや修正の指摘、修正作業などに多大な工数を割くことになります。
こうなると、税理士事務所からすればコンサルティングどころではないというわけです。
例えるなら「まだ病気が治っていない(≒必要最低限のことが整っていない)にも関わらず『ダイエットがしたい』(≒嗜好品を欲している)と言っている状態」です。
このような状態の場合、税理士事務所を変更したところで本質的な問題は何も解決していないので意味は無いでしょう。
経理部門が強固な大企業なら別ですが、日本企業の大半を占める中小企業の場合、バックオフィスに多くの人員を割くことはできませんので「まず病気を治す」ということも結構苦労することも珍しくはありません。
しかし大切なことですので、とにもかくにもまずは足場を固める(上記図の下から3つのブロックを固める)ことを目指しましょう。