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【マンガ感想文】何度も売って何度も買い直した「動物のお医者さん」を愛してる

みなさま、ご機嫌いかがですか?
朱祥です。

私は以前にもチラっとお話ししましたが、
好きな漫画は紙媒体派です。
電子書籍も素晴らしいものですが、
重い、かさばる、置き場所がない。というのも
どこに置こうかな、と考える楽しみになるし
何冊も買い込んだ時に書店からふうふう言いながら
自宅にお連れする時の至福感がたまらなく好きなのです。

私は「なかよし」より「りぼん」派、「マーガレット」より「花とゆめ」派です。

成田美名子先生の「エイリアン通り」も大好きだし、
樹なつみ先生の「マルチェロ物語」も大好きだったなぁ。

でも、私が心底惚れているのは
佐々木倫子先生の動物のお医者さんです。
テレビドラマ化もされたマンガです。
全119話、2000万部以上を売り上げた空前の大ヒット作。

そもそも私は「ペットの大感動物語」など、一切読めないし
そういった類の番組も見れないんですよ。
「大感動」って、その前に「エグいぐらいの不幸」があるじゃないですか。
もう、無理。ハイ、無理。
「幸せになってよかったね」と涙するのではなく
「エグいぐらいの不幸」にフューチャーされすぎて全く感動できない。

「不幸」に引っ張られすぎるし、私の妄想力が大爆発を起こしてしまい
心に矢が刺さったように辛くて辛くて仕方ない。
リアルな職場でも
「私に動物の感動する話しを聞かせるな、私の精神が病んだらどうすんだ!」と、マジでかん口令を引いているぐらい、ちょっと病的にダメなんですよ。
すぐうちにいる愛し子達の顔が浮かんじゃって涙崩壊なんです。

しかーし!!!
このマンガはそういうことは一切なし!!!

主人公、西根公輝
(公の漢字を分解し、マンガ上では「ハムテル」と呼ばれる)
ハムテルの「おばあさん」
獣医になるきっかけとなるシベリアンハスキーの「チョビ」
おばあさんの飼い猫、マンガでは関西弁を使う「ミケ」
西根家最強生物、恐れを知らない、ただ、ただ乱暴者の
白色レグホン(にわとり)ヒヨちゃん。

ネズミが嫌いなのに何故か獣医学部に入学し、
教科書のネズミの写真に
「私はリス。尻尾を剃られたの」と書いてごまかしてある。
友人の二階堂

アフリカが大好き、粗野で粗暴忙しいのは全く気にしない。
初対面のハムテルに
「キミは獣医になる。このカシオミニ(計算機)を賭けてもいい」
と言った人。
漆原教授

馬が大好き几帳面なイギリス紳士風。生徒の策略により
馬のセリカ号に鼻水をつけられても怒らなかった。
菅原教授

血液検査の器具の掃除が大好き。自宅で飼っているネコに
微妙な距離を取られている。
大学院生 菱沼聖子

その他、大勢の犬、猫、ネズミ、
動物園の研修の話し、冬の犬ぞりレースの話し、
獣医師国家試験の話し、細部に渡る取材力は脱帽です。

とにかく「動物がかわいそうな話しは1話もない」というのが
好感度爆上がりなのです。

動物の気持ちのつぶやきが随所にありますが
それが毛筆のフォントで書かれており、
「~にゃん♡」ではなく、
「ほな、これからネズミの取り方教えてやるさかい」といった
日常の言葉で書かれていて
「ね?かわいいでしょ?」という押し付けが一切ありません。
ほのぼのでクスリと笑える、というより、
電車で読むのはキケンという人がいるぐらいツボに入ってしまうと
抜けられなくなる危険性をはらんだ漫画です。

そして恋愛マンガではありません。
ただただほっこりと愛しく、獣医学生のみんながバタバタしていて
大学ってこういう所なんだなと身近に感じられます。

線が細く、独特の世界観ですが、
今読み返しても面白さは当時のまま、いつまでも新鮮な気持ちで
読み応えがあるマンガです。
マンガの中のスクリーントーンとか、手であみかけを書いてるとか
細かい作業もきっちり仕上げているプロの心意気を感じます。
「名作」と言われるに相応しいと思っています。

マンガ上では「H大獣医学部」となっていますが
北海道大学獣医学部で長年取材をされていたのは
有名な話しです。
いつも獣医学部に菓子折りを持参し「ついていっていいですか?」と
学生たちに声をかけまくっていたという逸話を残しています。

きっとこのマンガがきっかけで獣医になった方々も多いのでは
ないでしょうか?

こんなに熱く語っているのに何故売ったりまた買ったりしてしまったのか・・。

いつもいなくなってから気づくの。
私っていつもこうなの。

あなたの優しさに甘えていたの。
いつでも私の所に来てくれるって信じてたの。
時々ね、TSUTAYAの貸本であなたのこと見ていたの。
ああ、まだ大丈夫ってなんで思ったのかしらね。
そんな根拠のない自信なんてどこから湧いてきたのかしら。

そう

あなたはいつのまにか単行本というジャンルから
姿を消してしまった・・・・。

嗚呼!!
もっと早く気づいていれば!!
私達、やり直せたの?

どうしても、どうしても、あなたと一緒にやり直したい!!
姿が変わったとしても、私の愛は変わらない。
今更気づいてごめんなさい。
もう一度、
もう一度だけ、
あなたの愛に甘えさせて。


愛蔵版 動物のお医者さん 全6巻 大人買い。


くぅううう、高っけぇええええ!


本屋さんの紙袋に入っているクッソ重い6冊のマンガ。
いや、この重みこそ、私への戒め。
今までの無礼をこの程度の重さで無しに出来ると思うのか、
バカめ!!もっと身の程わきまえてから物を言え!

近くの喫茶店に入って、まずはこれまでしてきた無礼な出来事を本に詫びよう。

アタシの所に来てくれて本当にありがとう。
今までのこと、許してくれる?
ううん、許さなくてもいいの。
むしろ、許さないで。
愛されなくても私はあなたへの愛だけで生きていくって
決めたの。だから・・・ね。
触れるのもまだ勇気がいる。表紙を人差し指でサっと撫でた。

注文したパンケーキとアイスコーヒーがやってきた。
バターとアンコとホイップクリームをペタペタまんべんなく
塗っていく。
アイスコーヒーにはミルクを入れる派です。

カラカラとストローで無駄にアイスコーヒーを回し、
自分を落ち着かせるように1つ、小さいため息をつく。

「大人買い」とはよく言ったものよ。
のぉ、爺や←え、誰?

もう、さぁ。本当にいい加減にして。
脳内会議が忙しすぎるやん。
もう、キャラが全く定まっていない。
泣いてすがるオンナと、どっかの殿様のような男と
現実社会にいて冷静になっている自分。
自分の所に来てくれたこのマンガが私のことを狂わせていくのだ。


チラリチラリと横目で袋の中の「動物のお医者さん」を見る。
パンケーキを飲み込むたび
「やっちゃったなぁ。」という気持ちも湧いてくることも事実で。

袋の中をパシャリと撮って友人に送った。
「やっちまったわ」
すぐに返事が返ってきて
「やっちまっても良し!」
その言葉に私の心は一気に上昇し、
そして気持ちを新たに宣言しよう。

私はもう、この愛(マンガ)を絶対手放したりしない。

これからの人生、あなたの居場所(本棚)を死ぬ気で守り通す!

それが私に出来る唯一の罪滅ぼしなのだから。

家に帰りメイクを落とし、風呂にも入り
とっととご飯も食べ、紅茶もいれて
後は何もしなくてもいいように、
この愛の想い(読んだ感想)だけ抱いて眠れるように準備した。

はぁあああ。。。。

6冊分の愛は重かったけど

6冊分の愛を求めた時に手に入れることが可能な「大人」だったことが

今日ほど嬉しかったことはない。

動物のお医者さん、名作です。

あなたも、ぜひ!!!


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