【コラム回】和菓子が我が氏
星野リゾートスタッフの生泉です。
たまにはコラム?エッセイ?をば。
脳内の見せ合いっこみたいな行動が好きなので、noteというのは居心地がいいですね。
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6月16日は和菓子の日らしい。セブンのPOPで知った。旅館スタッフたるもの時節ごとには目を光らせてたつもりなのに、不覚。また日めくりカレンダーでも始めようか。6月に考えることじゃないが。
良いよね、和菓子。好きすぎて和菓子屋でアルバイトしてた。
むかーしむかしの幼い頃、風邪をひいたときに母が数度だけ食べさせてくれた葛湯。あれが和菓子の原体験な気がする。多分本葛ではなかったはずだが、ご馳走とはまさにこのことだった。風邪のせいか否か。
思い出は大切にしたいから、逆に葛湯をなんでもないときに飲みたくない。あの思い出は至高の存在であってほしい。こじらせすぎだな??
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あんこに黒蜜、きな粉、梅、いもくりなんきん、寒天、餅!
何に何を掛け合わせても素晴らし。
商品だけじゃなく、和菓子屋という空間がもう良い。何もかもが和菓子を愛でている、慈しんでいる、あの感じ。
季節や天気でさえも和菓子のために存在しているのではなかろうか。そんなことを考えながら期間限定のかき氷をがりがりと削った思い出がある。
そしてその空間に欠かせないのが、茶香。
ドアが開いた瞬間からゆっくりと襲うようにやってくる、香ばしい風。
これを浴びに行ってると言っても過言ではない。
生まれ育った埼玉には狭山という茶どころがあって、「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」なんて茶摘み歌もある日本三大銘茶なもんだから、
お茶屋さんはもちろん和菓子店も競うように茶香を焚いていた。きっと。
ブランドとプライドがプッシュする市場は大きい。
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では市場が大きければブランド力は自動的に付いてくるのか?
いまの勤務地である界 霧島ではこの問に開業以来向き合っている。
鹿児島県は生産量全国トップクラスの茶どころだ。例年ライバル静岡県と僅差で一位二位を競い合っている。なお三位は三重県。
先述の日本三大銘茶は江戸時代からの歴史と文化が育んだブランド。特に宇治玉露や宇治抹茶の知名度は独走状態と言える。
肌感だが、お客様に鹿児島県の日本茶生産ランキングを伝えると
「へえ〜、知らなかった!」
と返ってくることが多い。
鹿児島茶のシェアの多くはペットボトル飲料だ。あれだけ日常で目にする、手にする製品なのに、知られない…?
確かにパッケージデザインに鹿児島の文字はない。
宇治茶や加賀棒ほうじ茶はわざわざ目立つレイアウトでプリントされるというのに。
もしや実力が伴っていないのか。謎を解明すべく私はgoogle検索の奥地へと向かった。
たどり着いたのは各日本茶品評会の審査結果(いろいろありました)。なんということでしょう、鹿児島茶は驚くほど多数ランクインしているではありませんか。
一瞬でも疑ってしまい申し訳ありませんでした。
鹿児島茶、ことに霧島茶の知名度を上げたい。
もっとこの美味しさを知ってほしい。
界 霧島ではそんな至上命題を掲げ様々な企画を行っている。
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茶一杯セット【-ちゃいっぺせっと】という商品がある。
お茶を愛するスタッフと茶器を愛するスタッフ、和菓子を愛するスタッフ(私とか)が集まり制作しているものだ。
季節のお茶と和菓子を絶景とともにいただく。
ごくシンプルな体験。
どうすれば脳裏に焼き付く体験になるのだろう。
私の場合、真っ先に浮かんだのは和菓子屋のあのゆっくり襲う茶香だった。
空間が和菓子を彩り、和菓子がまた五感を研ぎ澄ましてくれることを私たちは知っている。
霧島という景色の財産を、小さく拡げていこう。誰より愛でて、慈しもう。
ホテルマンという空間の職人がやらずして誰がやる。
コラムの挿絵って言うと急にアート感が増すのなんでだろ。
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【茶一杯セットは界 霧島フロントにて絶賛販売中です。季節によって内容が大きく異なります。詳しくは界 霧島フロントまでお問い合わせください】
生泉