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海馬という水たまり
2022.10.20
きょうは、「10月にやることリスト」の最後を飾ったミッション「ベランダの掃除」を行った。
夏場に緑のカーテンとして活躍してくれたゴーヤと朝顔を片付けたあと、ベランダを掃いて、ブラシで水拭きをして完成。所要時間は約1時間。
10月のミッションはこれで完遂。あ、でも連載の締切だ。なんも考えてない……。
きょう観たドラマ
きのうに引き続いて「silent」の第2話。目黒蓮のかっこいいのにおびえたような雰囲気、号泣するでも、我慢するでもないハラハラとした泣き方、よかった……。なぜか「鈴鹿央士が悪い心を持ちませんように……」と願いながら観ている。
きょう読んだ歌集
『オールアラウンドユー』(木下龍也 ナナロク社)。北海道旅行中、小樽の「がたんごとん」で購入した。なんとなく旅行先で買うのがいいのでは、と思った。
まず手に馴染む装丁がすばらしい。
サイズ感、角丸の加工、表紙の布、タイトルの箔押し、1ページ一首、123首というボリューム、ぜんぶすばらしい。
歌集を読むのってすごく消耗するので、これくらいの歌数がすごくありがたい。
短歌ももちろんすてきだった。
印象としては「精神と肉体と生と死」みたいな概念が滲んでいたように思えた。死生観というか。
あと、いくつか複数回出てくるモチーフ(鈴、氷から水、くちづけ、風、神……)があって、そのへんも興味深かったな……。
説明の少ない静かな造本で、読んでいると急に1ページ空いていたりするので、そこらへんでひと呼吸おいてくれ、ということなのだろう、と思いながら読んだ。
表題作は、前後に空白ページがあり、この歌は特別なんだな、みたいなことが伝わる。
付箋を付けたのは、こんな短歌だ。
たんぽぽに生まれ変わって繁栄のすべてを風に任せてみたい
くちづけのたびに明度が低くなりあなたにはもうまぶしさがない
食う者と食われる者をはっきりと隔てるために箸は置かれる
あと、これがおもしろかった。
海馬にはおならを泡で見せ合った湯船が今も沈まずにある
これ、「海馬には〜沈まずにある」だから、「海馬」を「水がたまっている場所」として捉えてるってことだよね。「海」の文字からの連想だろうか。それとも本当に海馬には水がたまっているの? そこに「湯船」が浮いている、という、情景だけだとなんだか印象派の絵画みたいなんだけど、意味内容だけを抜き出すと「おならの泡を見せ合ったことを覚えてる」っていうことだよね? そのギャップがすごくおもしろい、と思った。こういう技(?)、いいな。
全然見当違いだったら、ごめんなさい……。
きょう作った短歌
誰にでもあるものだから表出のしかたで違いが出すぎてしまう
— 仁尾智(におさとる) (@s_nio) October 20, 2022
あらゆる「欲」に言えることだな、と思ったけど、ちょっとぼんやりしすぎてしまった。
晒されるたびに強度が増していき晒さなければ錆びるのが歌
— 仁尾智(におさとる) (@s_nio) October 20, 2022
作品は読まれてなんぼ、みたいな意味の短歌です。
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