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仁尾智(におさとる)
2016年2月22日 00:05
見て見ないふりをしてたら死んでいた猫じゃなければ見なかったかな(連作「ネコノイル」より)猫からの手紙が届いたのは、2006年9月2日土曜日の朝だった。僕はまだベッドで起きるでも、眠るでもなくうだうだしていた。先に起きて、なつめ(オス猫)を病院へ連れていったはずの妻が、数分で戻ってきた。(なつめには持病があり、週1回通院していた)何事かと思い、玄関に行ってみる。「どうしたの?」と
2016年2月2日 20:58
ノラだった頃じゃできない顔で寝て 油断とスキしかない猫でいて(短歌初出『ネコまる』辰巳出版)屋外で冬を過ごした経験がある猫を、必要以上に甘やかしてしまう。2003年2月2日、僕らは、まだ大阪に住んでいた。夕方、妻が買い物から帰ってくるなり「猫が鳴いているから、一緒に捕まえてほしい」と言ってきた。妻の話によると、一週間ほど前から同じ場所で大きな声で鳴いているという。初日に確認したと