15時の陽だまりが、好き
午後、15時29分。
窓の外から射し込む光が、部屋の中を照らす。
15時半くらいになって、もう陽が沈み始めている。
気温はまだ暑さを保っているけれど、着実に、季節は移ろいゆく。
その事実に、ちょっと打ちのめされそうになる。
時間というのは、時に優しく、時に残酷だ。
あっという間に過ぎていく。
呼吸している間に、過ぎ去っていく。
もう1秒で、すべては過去の物語。
それでもこの瞬間を呼吸して
その息が続く限り、僕らは何かを見出そうと
小さい世界で、もがき続けるんだろうか。
いまこの瞬間で、動き続ける世界中の物語。
すべてに触れることはできない。
僕らには、そんな時間は余っていない。
他人に時間を費やしてしまいがちだけれど
ふと考えると、自分へ時間を使うだけで精一杯なんじゃないかと、思う。
久しぶりに、この時間の平日に、こうして言葉を紡いでいる。
シンプルに、自分の内側にある言葉を、あてもなく、連ねる。
誰が読むでもないけれど、自分にとっては、とても価値のある言葉。
誰かが何かの拍子にたまたま読んで
そこから「ああ、自分は」と、思いふけってくれるような
そんな奇跡が生まれたら、どれだけ温かい気持ちになるだろうな、と、思う。
15時の陽だまりが、好きだ。
ちょっとひんやりしてきた時期に
その陽だまりを身体で感じる瞬間は
なんだか特別だなと、思う。
自然の毛布に包まって、心も身体も穏やかになる時間。
現実は残酷だ。
けれど、時々、こういう離れの時間を過ごすことで
僕らは呼吸を整えて、バランスを見て、また息をしていく。
僕は弱い人間だから
強い人たちのエネルギーにいつも圧倒されっぱなしだけれど
弱いからと言って、ダメなわけじゃない。
弱さを抱えながら生きることも、また、強さなんじゃないだろうか。
そんなことを、誰が言ってくれたことを
ふと思い出す、午後15時43分。
まだ見ぬあなたのことを想いながら
また現実世界へと、引き戻されていく。
もっともっと、言葉と生きよう。