人材不足対策を考える3つの軸とは
一口に人材不足といってもその原因や解決策は様々です。その人材不足の原因を探っていくと「外形的要因」「経営課題」「人材の量と質」の3つの軸に分けて考えることができます。
経済産業省から公表されている中小企業・小規模事業者の人手不足対応研究会の調査結果では、人材不足についてこのような3つの軸で対策事例が紹介されています。
ただただ「人が足りない」と言っていても事態は変わりませんので、課題を細分化して解決できそうなところから取り組んでいきましょう。
┃会社の業種・規模・立地など
一つ目は、会社の業種や規模、立地(所在地)などの外形的な要素です。これは、変えることができないどうしようもないこともありますが、それをしっかりと見つめなおすことで、今までマイナスイメージを持っていたこともアピール材料に変わるかもしれません。
┃会社が抱える経営課題
二つ目は、会社が抱える経営課題を軸に考えた要素です。慢性的な人材不足という共通した課題と次のような問題点がクロスしているようなケースです。
「男性が多い/今まで男性中心の職場だった」
「力仕事のイメージが強く女性や高齢者の登用が進まない(応募がない)」
「○○のスキル(資格)を持った人材が欲しいが応募がない」
┃量的な人材不足か、質的な人材不足か
三つめは、人材不足の量と質の問題です。ビジネスモデルや会社のビジョンなどによっても異なりますが一括り人材不足といっても二つのパターンがあります。
それは、「人数が必要だけれども人手が足りない」というパターンと「人数は少なくてもいいが一定のスキルや資格を持っている人が足りない」というパターンです。
自社がどちらのケース(あるいは両方)の人材不足なのかを振り返ってみることで、解決策が変わってきます。
┃それぞれの課題の解決事例
○時間外労働・残業削減
時間外労働が多い会社には人材が定着しずらくなっています。応募の段階でも多くの求職者が気にする点の一つです。長時間労働対策は、労働問題としてだけではなく採用力向上のためにも重要になっています。
○働き方改革を実行
求職者が時間外労働・休日労働と合わせて気にするのが休日休暇です。年次有給休暇の消化率については聞かれたら答えられるようにしておくとよいでしょう。消化率が高いのであればそれをアピールポイント材料にしましょう。
○キャリアアップ機会の確保
地方に勤めることで都心部の会社よりもキャリアアップの機会が少ないと思われているため、都心部の企業との企業間交流などを実施したケースもあります。
○女性が働きやすい環境作り
短時間社員や時間単位年休などを導入することで女性が働きやすい環境を整備します。もともと女性が少ない職場でもこのような取り組みをすることで新たな人材を迎え入れることができます。
○設備投資・設備導入
力仕事のイメージが強い業種では、設備導入をすることでシニア層や女性も働きやすい環境を作ることができます。こうした部分には、国も補助金制度などを打ち出しているので活用していくとよいでしょう。
┃まとめ
今回は、人材不足の課題となる3つの軸についてお伝えしてきました。
課題を明確にすることで解決策に対する考え方も変わってくるのではないでしょうか。
人材不足は今後、ますます深刻になっていきます。課題を明確にして解決策を考えていきましょう。
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