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蔵語り紡ぐ~IN宇都酒造~

明治36年創業、宇都酒造さんの蔵は碁盤の目のようにきれいに整地された水田に囲まれた自然豊かな場所にあります。
120年以上に及ぶ歴史の中で継承されてきた焼酎造り。
その伝統を守るべく、杜氏 宇都尋智さんは、杜氏発祥の地南さつま市笠沙町黒瀬集落に名を残す【 神渡勇治氏 】から技術を受け継がれました。


碁盤の目のような水田

清酒蔵にて学んだこと

宇都杜氏の修行の場は、和歌山の清酒蔵だったそうです。
「どうして焼酎蔵ではなく、清酒蔵で修行をされていたのですか?」
との私の問いに
とことん麹と向き合いたかった」とお答えを頂きました。
宇都杜氏が焼酎造りに携わり始めたころは、大きな酒造メーカーでの働き口はあっても小規模の焼酎蔵は家族経営などが多く、人手が足りていて酒造りを学ばせていただく環境が少なかったそうです。
小さな蔵で手造りで酒を造ってみたいと思われていた、若き宇都杜氏が望む蔵元がなかなか見つからず、清酒蔵で修行をすることを決断されたそうです。
そこでの清酒造りは、今の宇都杜氏の酒造りに大いに影響を与え、特に麹の知識に関しては造詣が深く、たくさんのお話を聞かせていただきました。

宇都酒造 社長兼杜氏 宇都 尋智氏

宇都酒造の焼酎が出来るまで

宇都酒造さんの焼酎は、丹念に作られた米麹と、鹿児島県内産の新鮮なさつま芋など、厳選した原料で仕込んでいます。
焼酎造りは大きく分けて、麹造り、醪造り、蒸留と3つの工程に分かれていて、味わいに大きく影響を与える麹造りで「ふくらみ」をもたせ、蒸留においては、低温蒸気を使い「柔らかさ」を求め造りにあたっています。

丁寧に説明していただいてありがとうございました^^

全ての人に愛される酒造り

宇都杜氏の信念は一貫して「いい酒だね!」と言われる酒を造りたい一心との事。
芋の甘み、香り、余韻、味わいのどれかが突出した造りではなく、全体的に全てが同じくらいのバランスの取れた焼酎造りを目指しているそうです。

管理の行き届いた蒸留器

手間を惜しまず、とことん造りにこだわる

宇都酒造さんの仕込みは、とても丁寧です。
大体15トンの芋を仕込む際に要する人員は通常4名ほど。
宇都酒造さんの場合は、なんと15名!約4倍もの人員を確保して芋の選定、芋切りをされています。
芋を選別する際のこだわりはありますか?とお聞きしたら
「農家のおばちゃんたちに手伝いをもらって、芋を仕込むのですが
僕が必ず言うことは、孫に食べさせたいと思うような芋の状態にしてください」とお願いするそうです。
宇都杜氏の、焼酎造りのこだわりはまるで子育てのような愛情をもっていることがよく伝わりました^^

冷却装置

自ら発案した冷却装置

麹が熱を持ちすぎないように、各蔵で様々な冷却装置を用いています。
宇都社長は、なんと!自ら設計した冷却装置を使用しており、装置の内側に冷却水が流れる仕組みになっています。
ここにも焼酎造りを追究する宇都杜氏の心意気が感じられました。

宇都酒造の銘柄

代表銘柄は「天文館」「金峰」などになります。

その中で、当店でも人気の高い季節限定銘柄の「金峰 荒濾過」。

黄金千貫を黒麹で醸した原酒の中で、甘みのある原酒が入ったタンクを選別し、その原酒を用いて新酒~熟成と4回に分けて出荷することで時間によって酒質がどのように変化していくのか、その違いを楽しんでいただきたいという想いの銘柄になります。
その他にも、33℃ かせだんもん FOR HIGHBALLなども手掛けられおり、本来の焼酎造りを元に新たなニーズの追及も常にされております。

宇都酒造さんの蔵はとてもアットホームで♪
かわいくて元気な息子さんが笑顔で挨拶してくれたのも印象的です。
穏やかで、子煩悩な宇都杜氏。
そんな笑顔を絶やさない素敵な宇都杜氏の造るお酒は、全体の調和に重きを置き、とても優しい味がすると思います。
ぜひ、ご興味わきましたらお試しください^^

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