【本の記録】 001_『あしたから出版社』
まだ半分程しか読んでいない。
それでも、ページを捲るたびにあふれる共感や感動の気持ちを
どうにか書き留めておきたくて、書き始めることにする。
すでに付箋だらけになってしまった本を、手元に置きながら。
和田誠さんへ装丁のお願いをするシーン、
そこから、事務所に伺って装画を受け取るシーン。
わずか数ページなのに涙が出た。
いろいろな気持ちが溢れた。
著者の島田さんが、
和田さんは日本一のグラフィックデザイナーであると思った、ということ。
それを、本の装丁で感じたこと。
嬉しかった。とても嬉しかった。
和田さんの何なんだよと思われるかもしれないが、
ただのいちファンだ。
別に家族でもなんでもない。
だけど、一般的にイラストが有名である和田さんを、
グラフィックデザイナーとして日本一だ!と
思ったその気持ちに、触れられたことが嬉しかった。
本は不思議だ。
文章が読めればいいのなら、電子書籍でも、
コピー用紙にプリントされた文章でもいいはずなのだけど
装丁、サイズ、紙質、重さ、そして内容。
そういうすべてがひとつになって、
本であると同時に、プロダクトとして、心に響くものになる。
素敵すぎる。
そういうものを、私はずっと、作りたかった。
ずっとずっと、わかっていたのに、目の前の仕事にいっぱいいっぱいで
目をそらしていた。
もう目をそらさずに、できるところから、できることをしていこう。
島田さんが立ち上げた、「夏葉社」という社名。
どこかで聞いたことがある。どこかで目にした気がする。
とずっっと思っていて、やっとわかった。
去年の冬、青山ブックセンターで、
装丁とサイズとコンセプトに惹かれて購入した『冬の本』。
佇まいがとても素敵で、大好きな本になって、
冬が終わっても大事に読んだ。
それが、夏葉社だった。
装丁は、和田誠さんだった。
まだ半分しか読んでいないのに、ここまで感情移入ていて大丈夫か。
この後とんでもないどんでん返しがあったらどうしよう。
島田さんがろくでもない女にひっかかって全財産ふっとんでいたらどうしよう。
そうでないことを期待し
また読み進めながら、追記していくことにする。