「脱医療化」を考える
65歳以上は、人口の29.1%
2022年9月末の発表です。
今年もまた記録は更新され、
過去最多というニュースが流れることでしょう。
国際医療福祉大学の都島基夫教授が
”「主治医は自分自身」という心構えで
生活習慣を改善していくことが大切”
と、鹿児島医師会のトピック蘭で
書いてました。
お、「自分の主治医は自分®」とよく似てる!
と思わず、目が止まりました。
(これ、弊社の登録商標です)
「聖人は未病を治す」
さて、そのトピックの中で、
”2000年以上前の中国の書物に
「聖人は未病を治す」と書かれていて
予防の重要性がすでに認識されていたことが
わかります。”
とあり、
”「治未病」の考え方が今後、より重要になる、
高脂血症、糖尿病、高血圧も「未病」の一つと考えられます”
とありました。
なるほど、高脂血症も糖尿病も高血圧も
じつは、未病だったわけです。
しかし、今はもちろん病気になっています。
治療すべき疾患という扱いです。
考えてみると、これは立派な「医療化」の一つと言えます。
哲学、文化、宗教など様々な分野の領域から
医療へと取り込まれたものはとても多い。
出産も、死も、
いつしか医療抜きに考えられない状況が
今の日本にはあります。
認知症の医療化
東京都立松沢病院名誉教授の
齊藤正彦氏は
2021年に「認知症の医療化」という連載記事を
毎日新聞に掲載されています。
(https://mainichi.jp/premier/health/articles/20210830/med/00m/100/017000c)
彼は、1988年「老人性痴呆専門治療病棟」が
松沢病院に誕生し、その時、担当医になりました。
強い精神症状や行動障害が原因で
在宅や福祉施設での介護が
困難な患者を治療するため、
厚労省が整備を進めたのです。
「痴呆老人専門治療病棟及び
痴呆性老人デイ・ケア施設の整備基準について」
この制度がきっかけになり
認知症高齢者が精神医療の対象として
認知されていった、と彼は言います。
さらに、その後1999年に出た
アリセプトという、
アルツハイマー型認知症の薬の普及が
それに拍車をかけたと言います。
精神科から、内科やその他の総合病院にも、
この薬は広がっていったと言います。
投薬できることで認知症の患者さんを
定期的に通院させられるようになり、
医療機関にとって、大きな一つの収入源になった、というわけです。
そういえば、
父もなくなる数年前、
肺気腫と、認知症を抱えて
肺気腫は日赤病院へ
認知症は香川大学病院へ、と
毎月、父を通院させてたなぁと思い出します。
これまでの「医療化」
出産、死、
認知症、そして最近は発達障害、
そんな風にどんどん医療化は進んできたのですが、
でも最も大きかったのは「未病」の分野だったとは・・・・!
高脂血症や糖尿病、つまり生活習慣病の治療が
今の医療経済を支えている、とも言えます。
未病を治すのが聖人、だと言った大昔の中国には、
もちろん、化学薬品などなかっただろうから、
今の日本みたいに、
未病を治すことは、治療薬を出すこと、では
絶対になかったはずです。
未病を医療化することへの警笛
未病という概念はとても大切です。
でもだからと言って、
未病をどう考えるか、どう対処していくか、は
やっぱり個人の哲学の領域だと私は思ってしまいます。
哲学、つまりは人生観であり、健康観です、
【私は何を大切にして生きるのか】
これはどう考えても、一人ひとりが考えるべきことです。
医者に考えてもらう必要はない。
医療知識を参考にすることはあっても、
「未病」まで「医療化」することへの
強い抵抗が、私にはあります。
過去に、同性愛は病気と捉えられ
治療の対象になっていた時期があります。
今は、国際疾病一覧からも外されました。
病気ではない、と明らかにされたのです。
「脱医療化」の一番、有名なモデルでしょう。
このあと、何が「脱医療化」になるのか、
または、また新たに何が「医療化」へと取り込まれていくのか、
興味を持って見ていきたいものです。
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