最近の少年隊が「楽曲をどのくらいのキーで歌唱しているか」についてのレポート
旧ジャニーズ事務所のアイドルグループ「少年隊」。
2020年末よりグループとしては無期限の活動休止のような状態になりましたが、その後もメンバーの皆さんは下記の形でそれぞれアーティスト活動を続けられています。
・錦織一清さん…ソロアーティストとしてアルバムを複数枚リリース、パパイヤ鈴木さんと"Funky Diamond 18"としてユニット活動
・東山紀之さん…ソロアーティストとしてディナーショーを開催 (現在は社長業専念のため芸能界を引退)
・植草克秀さん…ソロアーティストとしてアルバムをリリース、ディナーショーやコンサートを開催、山本淳一さん&佐藤寛之さんと"Three Clovers"としてユニット活動
アーティスト活動の内容は三者三様ですが、
ソロ活動やユニットの際は、メンバーそれぞれの解釈で少年隊の楽曲をアレンジしてパフォーマンスされています!
※曲によってはオリジナルに近いアレンジや振り付けの時もあります!
ということで今回は活動休止後の少年隊メンバーがそれぞれのアーティスト活動で
・少年隊の楽曲をどのくらいのキーで歌唱しているかについてのレポート
に加え、
・少年隊メンバーそれぞれの得意な音域
・少年隊が再始動した際、「仮面舞踏会」をどのくらいのキーで歌うのか
について考察していきたいと思います!
今回のレポートのルール
・2020年末の少年隊の活動休止後、メンバーの2/3が歌唱している楽曲について扱う。
・その上で、その楽曲をパフォーマンスしている映像や音源が公式に残っているもののみ扱う。
(参照元は
④ワイドショーや東山さんのFCで公開された2023年末のディナーショーの様子
(正式なロゴが公になっていないので写真無し)
・「Baby Baby Baby」「君にこの歌を」などもメンバー全員が歌唱しているが、メンバーの2/3が歌唱している"映像や音源"が無いので今回のレポートでは扱わない。
・少年隊メンバーはソロで少年隊の楽曲を歌唱する際、出来る限り自分のパートを歌唱する(自分がハモリのパートを担当している楽曲はハモリのパートを歌う)が、今回はあくまで伴奏のキーについて扱う。
・東山さんの場合メドレーの曲も含まれるので「メドレーで繋ぎやすいようにキーを調整していて、もしかしたら東山さんはもっと高いキーで歌える可能性もある」が、今回は"披露されたキー"のみに焦点を絞る。
レポート本編
※♭というのはカラオケでキーを操作する際の「-」ボタンと同じ意味ですのです
また、(☆)がついている楽曲は、
「ふたりのSHOW & TIMEのYouTube動画では無音だったものの、恐らく錦織さんは植草さんのキーに合わせての歌唱なのでこのキーで歌われたのでは?
("植草さんソロだとこのキーで歌われている"というのが映像に残っている)」
という楽曲となっております。
①仮面舞踏会
原曲キー…Cm
・錦織さん&植草さん…♭2 (B♭m)
・東山さん…♭1 (Bm)
②ダイヤモンド・アイズ (☆)
原曲キー…Bm
・3人全員が原曲キーで歌唱
※余談ですが、東山さんは
"錦織さんと植草さんがオミットしている歌い出しのサビの振り付け"
を完璧にこなされていました。。
③バラードのように眠れ
原曲キー…F#m
・東山さん…♭1 (Fm)
・植草さん…♭2 (Em)
④stripe blue
原曲キー…Gm
・東山さん…♭1 (F#m)
・植草さん…♭2 (Fm)
⑤君だけに
原曲キー…E♭
実は「君だけに」のオリジナルレコード音源は、歌番組/コンサートで歌われているver.や「少年隊 35th Anniversary BEST」収録のNew Vocal ver.と比べると、
全体的に四分音高いという特徴があり、一概にキーの名称を出すのが難しいので、
・錦織さん…オリジナルレコード音源ver.から♭1
(植草さんと一緒に歌われる時は植草さんと同じキー)
・東山さん…New Vocal ver.からキーを♭2
・植草さん…オリジナルレコード音源ver.からキーを♭2
という書き方で記載します。
(分かりやすく伝えるために度数やスケール、譜面上の調の話は省略しています)
⑥ABC
原曲キー…A♭
・東山さん…♭1 (G)
・植草さん…♭3 (Dm)
※植草さんはスタンドマイクver.に近い振り付けでパフォーマンスされますが、東山さんはハンドマイクver.の振り付けでパフォーマンスされます!
⑦ふたり
原曲キー…A
・東山さん…♭1 (A♭)
・植草さん…♭2 (G)
⑧What's Your name
原曲キー…Dm
・東山さん…原曲キー
・植草さん…原曲キー
⑨まいったネ 今夜 (☆)
原曲キー…D♭
・3人全員が原曲キーで歌唱
⑩EXCUSE
原曲キー…Em
・東山さん…♭2 (Dm)
・植草さん…♭2 (Dm)
※ダイジェスト動画では東山さんご本人が歌われている箇所は流れなかったものの、伴奏のキーがこのキーでした。
また、元々「EXCUSE」は少年隊のアルバム「愛は続けることに意味がある」収録のアルバムver.では"キーが♭2され、ブラスロック色の強いアレンジ"になっていました。
⑪Oh!!
原曲キー…Em
・東山さん…♭2 (Dm)
・植草さん…♭2 (Dm)
⑫The longest night (☆)
原曲キー…E♭
・3人全員が♭2 (D♭) で歌唱
※ふたりのSHOW & TIMEのダイジェスト動画の冒頭でイントロだけ流れていたのですが、このキーでした。
また、この曲はワンコーラス内で2〜3回転調があるので、サビのキーを記しています。
⑬あなたに今Good-by
原曲キー…Dm
・東山さん…原曲キー
・植草さん…♭1 (C#m)
⑭トワイライト・フィーリング (☆)
原曲キー…F#m
・錦織さん&植草さん…♭2 (G)
・東山さん…原曲キー
⑮星屑のスパンコール
原曲キー…C#m
・錦織さん&植草さん…♭2 (Bm)
・東山さん…♭1 (C#)
※「少年隊 35th Anniversary BEST」収録の「星屑のスパンコール 2020」はキーが♭1され、伴奏もリアレンジされています。
データから読み取れること
①初期曲について
このデータを踏まえると、デビュー初期の楽曲はほとんどが
・東山さん…キー1つ下げ
・植草さん(と一緒に歌われる時の錦織さんも)…キー2つ下げ
であることが読み取れます。
※これは
「"植草さんは主旋律を歌われている"のに対して"東山さんは下ハモを歌われている"ので、下ハモである分植草さんよりキーを下げなくてもいい」
ということも一因だと思われます。
また、少年隊の楽曲は全体的に「マイナーキー」の曲が多いことも読み取れます。
②90年代の楽曲について
90年代の楽曲である「Oh!!」と「EXCUSE」と「The longest night」は東山さん植草さんともに"キー2つ下げ"で歌われています。
個人的に「Oh!!」と「EXCUSE」の2曲は、
「ブラスパートの鳴り方」が好みだったり、
「今の歌声の良さ」や「余裕のある大人のカッコ良さ」が出ているように感じるので、キーを下げたver.の方をよく聴いています!
(勿論原曲キーには唯一無二の良さがあると思っています!)
ちなみに…
まだ映像が放送前の"今年の植草さんのコンサートツアーで披露された曲"を含めると、
僕が「最近のキーを正確に把握している"90年代の楽曲"」は、
・東山さん…湾岸スキーヤー (♭1)、情熱の一夜 (原曲)、FUNKY FLUSHIN' (♭2)
・植草さん…誘われてEX (原曲)、封印LOVE (♭2)、愛と沈黙 (♭1)
などです。
こうして楽曲を聴きながら考えると、
「90年代の楽曲はデビュー初期より大幅に高い音域を使って歌う曲が多いのでは?」
と感じます。
③元々キーが低い楽曲について
元々キーが低い「ダイヤモンド・アイズ」「what's your name」「まいったネ 今夜」などの楽曲は、
恐らくメンバー全員が原曲キーで歌うことが出来ると考えられます。
考察
①実は植草さんより東山さんの方が"高い音域が得意"なのでは?
少年隊メンバーには、
・東山さん…低い歌声
・植草さん…高い歌声
というパブリックイメージがあると思いますが、
僕は
・東山さん…声質自体は低く聴こえるが、実は得意な音域は高め
・植草さん…声質自体は高く聴こえるが、実は得意な音域は低め
なのではないかと考えています。
これは先程のレポートで、「植草さんの方が東山さんよりキーを下げている」というデータが出たことや、
実は少年隊の曲で
・植草さんはソロパートだと低いメロディを多く歌われていること
・東山さんはソロパートだと高いメロディや高いフェイクなどを多く歌われていること
も根拠の1つです。
そのため、東山さんは結構高い音域が得意であると考えられます。
では何故
少年隊は
・錦織さん…上ハモ
・植草さん…主旋律
・東山さん…下ハモ
でハモるのか?
それは東山さんの低い声質が"3人の歌声のボトムを支えることに適しているから"であると考えられます。
ズッシリと落ち着いた低音で3人のハーモニーを支える。。
しかも下ハモ用のメロディが一番難しいので、それを何十年もこなされている東山さんは本当に凄いと思います。
逆に言うと、得意な音域は低めだとしても、
3人の中で一番"鋭くパンチの効いた高い歌声"を出せるのは植草さんなので、
「踊り子」の「♪別れて行きましょう〜」の部分などは植草さんにしか歌えないパートであると感じています!
また、植草さんソロの歌声を聴いていると「少年隊のハーモニーの主軸はやっぱり植草さんなんだな〜」と実感することも多いです。
ちなみに、錦織さんはハスキーで厚みのある低い歌声ですが、メンバー全員の中で一番高音域が得意な上に、シャウトやファルセットを駆使した歌い方もされるので、メンバーの中で一番音域が広いと思われます。
※声質の感じ方や聴こえ方などは声の倍音などが関係していて、説明が長くので割愛しています!
②少年隊が再始動した時に披露される「仮面舞踏会」のキーを予想
メンバーの2/3がキー2つ下げなので、恐らくキー2つ下げで披露されると思われます。
原曲キーである"C#m"は「不気味さや悲しみを表現にするのに適したキー」であると言われていて、仮面舞踏会の歌詞の内容や曲調にマッチした絶妙なキーです。
一方、2つ下げのキーである"B♭m"は、
「悲劇的な暗さで響きは悪めだが、凛とした力強さが出るキー」
であると言われています。
仮面舞踏会は、良い意味での「不気味さ、怪しさ、暗さ」が必要な楽曲なので、
個人的に"B♭m"は
「大人の魅力が詰まった50〜60代の少年隊が歌う『仮面舞踏会』」
にピッタリなキーであると考えています!
↑こちらの公式LIVEレポにも「楽曲のキーを下げたことで大人の色気が出た」と書かれていますが、僕もそう思います。
僕としては、
「初期の頃から"♪Tonight ya ya・・・のところ振りの手の形や位置"が3人ともそれぞれちょっと違かったが、最近はちょっと違うのレベルでは無く"3人とも完全に異なる"」
点が
「3人揃って披露したらどうなるのか」
の方が気になっています、、
まとめ
・少年隊メンバーがソロで歌っている際のキーの表を作成すると、メンバーごとの"得意音域"や"楽曲アレンジ"などについても掘り下げることが出来た。