田原俊彦さんの 「TOKYO BEAT」 "海外のシティポップシーンで大人気になり得る説"について
今回は1989年にリリースされた田原俊彦さんの16thアルバム「TOKYO BEAT」についての記事です!
僕がこのアルバムを聴くようになったのは、
本作収録の「どーしようもない」を、田原さんの後輩である東山紀之さんや佐藤アツヒロさんがカバーされていたのを見て、
「本家ver.が聴きたい!」とCDをレンタルしたことがきっかけです。
その際、このアルバムの「シティポップ/AOR」にも通ずる音楽性に驚いて、
「これはサブスクとかで配信開始したら最近の海外のシティポップシーンで大人気になり得るんじゃないか…?」
と考えるようになりました。
↓その時のツイート
なので、今回は
・「TOKYO BEAT」が最近の海外のシティポップシーンで人気になりそうなポイント
について解説していこうと思います!
※田原さんは最近のツアーでも「TOKYOビート」を歌われているそうで、SNSで
「#拡散祭り TOKYOビート」
と調べるとLIVE映像が見れます!
「TOKYO BEAT」 "海外のシティポップシーンで大人気になり得る説"
①本作の音楽性について
「TOKYO BEAT」の音楽性は「コンテンポラリーR&B/シティポップ」を基調としています。
※80年代後半の邦楽シーンではユーロビート、ディスコサウンド、ニュージャックスウィングなどの要素が組み込まれた「コンテンポラリーR&B系ソング」が数多く作られています。
僕は最近
「アイドルのニュージャックスウィング曲」
を研究しているのですが、この「TOKYO BEAT」にもニュージャックスウィングの楽曲が収録されています。
各曲ごとのジャンルについてですが、個人的には
・「TOKYOビート」…ディスコ/打ち込みフュージョン
・「“め”いっぱい純愛」…ハウス
・「どーしようもない」…ファンク
・「宝の山」「Do you wanna kiss?」…ニュージャックスウィング
・「夜の都」…R&B
・「喧嘩するほど恋がいい」…ロック
・「迷宮の夏たち」…シティポップ
・「ただよって」…ラテン
・「帰らないで」…メロウポップ
だと考えています。
全体的に洋楽っぽいジャンルが多く、時代を考えると結構早い段階からハウスなどを取り入れられているように感じますね。
また、収録曲の多くにブラスのソロが差し込まれています。
同時期にリリースされたシングル曲「ごめんよ 涙」は普通に歌謡曲なので、
「もしかして、シングルはタイアップとかもあるから大衆ウケするように作って、アルバムはコアな曲を多めにしてるのかな?」
ということも考えました。
②海外で人気のシティポップと同じアレンジャーさんがアレンジされている
また、本作のほとんどの楽曲のアレンジは、海外のシティポップシーンで大人気なカルロス・トシキ&オメガトライブやラ・ムー、中原めいこさんのアレンジを手掛けられている新川博さんが担当されています。
新川さんのアレンジは、"ウエストコースト・サウンドに透明感やR&Bの要素を加わっている点"が特徴で、シティポップシーンではかなり馴染みのある音像に仕上がっています。
※レコーディング参加ミュージシャンもシティポップではお馴染みのメンバーが揃っています。
③最近の海外シーンでは"どういう要素"があると人気になりやすいのか
以前↑の記事で解説した通り、海外のシティポップ/80年代邦楽シーンで人気になりやすい楽曲の特徴は、
「打ち込みのリズム+ニューウェイヴ/ポップなサウンド+独創的な要素
(ちょっとだけ英語の歌詞が入ってるとなお良し)」
だと考えています。
なぜ「独創的な要素」が必要かというと、海外は"日本より音楽が進んでいる&洋楽の本場"なので、「洋楽っぽい音」が有り触れていて、
その分「ガチガチな洋楽っぽい音」より「ちょっと変化球な邦楽」の方が海外リスナーに刺さりやすい傾向があります。
そのため、海外の80年代邦楽シーンでは、シティポップの他に、フュージョンやニューウェイヴ、テクノなどがとても人気を博しています。
そこから考えると、本作の
「コンテンポラリーR&B/シティポップを基調としながら、
・マイケル・ジャクソンを意識した要素(アメリカのディスコ音楽やダンスポップ)
・日本のアイドル歌謡の要素
が加わっている」
「アレンジャーの皆さんがアレンジの際に打ち込みを使われたり、分数コードを多用されたり、複雑なカッティングギターを差し込まれている分、"打ち込みフュージョン"っぽい音像にもなっている」
「打ち込みが多く使われている分ニューウェイヴのようなサウンドにも聴こえたり、ポップな要素が強い」
という点はかなり独創的/変化球ポイントだと感じています。
これらの理由から僕は、
「TOKYO BEAT、サブスクなどで配信されたら海外で大人気になるのでは?」
と考えています。
④具体的に海外のシティポップファンに刺さりそうな曲
海外シーンで人気になりそうな曲を具体的に挙げると、
・「TOKYOビート」
・「“め”いっぱい純愛」
・「どーしようもない」
・「宝の山」
・「迷宮の夏たち」
あたりは"刺さりそうなポイント"がしっかり抑えられているので、確実に人気になり得ると思います!
僕もこのアルバムを聴いて最初に「カッコいい!」と思ったのはこのあたりの楽曲でした!
最後に国内シーンの話になるのですが、マイケル・ジャクソン系の曲に関しては、最近藤井風さんが「マイケルさんっぽい曲をリリースしてヒット」しているので、「もしかしたら80年代後半の日本より今の方がマイケルさんっぽい曲がウケるのかな」とも考えています。。
まとめ
・田原俊彦さんの「TOKYO BEAT」は、コンテンポラリーR&B/シティポップに独自の要素を加えているため、海外のシティポップシーンで人気になり得ると考えている。