キャノンボール挑戦記(準備編)(中咽頭がん 肺転移ステージ4)
2024年10月12日から13日にかけて、キャノンボールに挑戦しました!
今回は、その挑戦について綴らせていただきます。
まずは、準備編から
自己紹介
初めてこのnoteをご覧くださる方へ簡単に自己紹介です
このnoteでは普段は中咽頭がんの治療経過を中心に綴らせていただいています
2023年2月に中咽頭がんが見つかり、
2024年1月には肺転移が見つかり、ガンのステージは4へ
現在、鋭意治療中です💪
キャノボ当日の年齢:56歳11か月
性別:男
身長:183㎝
体重:65kg
キャノンボールとは?
まずは、キャノンボール(略してキャノボ)とは何か?を説明しなくてはいけません。
自転車に興味のない方には全くわからないと思いますし、自転車に乗っていても、知らない方も多いかと。。
もともとは、1981年に公開された「キャノンボール」という映画で描かれたアメリカの東海岸から西海岸まで5000kmを乗り物の制限なく速さを競うレースに由来します。
その名称を冠して、
自転車で東京大阪間を24時間以内で走破する自転車版「キャノンボール」が誕生しました。
2ch発祥のようです。
ルールはざっくりと以下の通り
国道1号線の端と端がスタートとゴール地点(日本橋⇔梅田新道)
走る方向はどちらでもよい
24時間以内に走り切れば達成、キャノンボーラーを名乗れる(時間をオーバーすると完走のみ)
ルート選択は自由(元々は国道1号線を走るのが王道だったらしいが、今ではなんでもあり。達成しやすいルートから、より難易度の高い中山道ルートなどを走る猛者も)
交通ルール順守
単独走(サポートカーの並走や、複数人でローテーションしてドラフティングの恩恵を受けるのはなし)
ただ、このキャノンボールは、なにか団体があり、達成したことを公認をしてくれるといものではありません。
言ってしまえば、ただの自己満足の遊びです。
しかし、SNSやネット上で
「よくやったね!😘」
「ユーアーキャノンボーラー!🤩」
などと、同じ趣味嗜好の同志達から賞賛され、苦労をわかちあい共感しあえるという、公認以上の得難い喜びがあるのです。
キャノボの定義について詳しくはこちらの「ばるさん」の記事をご覧ください
なぜキャノンボールをやろうと思ったのか
この遊びの存在を知ってから、こんな凄いことにチャレンジする人たちがいるんだ、と何となく思っていました。
こういう類のチャレンジは際限なく凄いのがあるもので、日本縦断やらアメリカ縦断やら、ランニングでいうとトランスジャパンアルプスレース(日本海から太平洋までアルプス山脈の各ピークを越えて走るレース!)など、世の中には凄いことにチャレンジし、成し遂げている人がいるものです。
そういった人たちのチャレンジを見て、自分はどこまでできるだろう?と考えました。
それらの中で、キャノンボールはまだ自分でも背伸びをすれば手が届きそうな目標だ、と思いました。
そして、いつかはやりたい、とぼんやり思っていましたが、ヒルクライムレースやツールドおきなわへの参加など、ほかのイベント参加への準備があり、なかなか実行するきっかけがありませんでした。
そんな中、がんに罹りました。
そして、肺転移。。
自分の余命、残された時間を強く意識するようになりました。
「身体が動くうちにやれることをやっておかないと」
そして、バゲットリスト(死ぬまでにやりたいことリスト)を書き出しました。
これによって、やりたいことが明確化され、いつまでにやるか、を具体的に考えるようになりました。
そして、今年の年初、2024年の目標として、仲間へ、「富士ヒルシルバーリング獲得」と「キャノンボールの達成」を宣言したのです。
残念ながら、富士ヒルシルバー獲得は逃してしまいましたが😢
情報収集
まずは、情報収集です。
キャノボは知っていましたが、どのルートがよいのか?
日本橋スタートがいいのか?梅田スタートがいいのか?など、よくわかっていませんでした。
調べを進めると、
偏西風の影響で西風基調の日が多く、大阪→東京の方が追い風のメリットを得やすく、達成しやすい
最近人気の達成しやすいコースは、国道1号線をなぞるルートではなく、伊賀越え、姫街道、246ルートである
スタート時間は都市部の渋滞を回避するため午前6時ころがよい
などの貴重な情報を得ました
ネット上にご自身の経験知見、そして分析を惜しげもなく、しかも無料で公開いただいているキャノボの賢人の皆様のおかげです。本当に感謝です。
特に、以下の方々の記事を参考とさせていただきました。
ばるさんの「東京⇔大阪キャノンボール研究」
素晴らしい情報量と質です。分析力もすごいです!!これが無料なんて!!本当に恐れ多いです。感謝感激😭😭
もにぐら~さんのサイト
実績が凄すぎて参考などと畏れ多いですが、装備や考え方など非常に為になりました!
かつおちゃんねるさんのブログ記事と動画
わかりやすくまとめていただいていて、非常に参考になりました!
ルートと実施日の決定
ルートは、達成最優先で、大阪スタートの、伊賀越え、姫街道、246ルートとしました。
現在住んでいる愛知近辺と、地元の東京方面の道は通ったことがありますが、ほかは一度も走ったことがない道ばかりです。
賢者の方々もおっしゃっていますが、ルートは人が引いたものをパクるのではなく、自身で引くことで、間違いやすい場所などを意識できる、という教えを守り、自分で大阪から東京までのルートを引きました。
とはいえ、今はルートを引けば、GPSでナビをしてくれるという、なんとも便利な世の中になったものです。GPSが無い時代に達成した先輩方の偉大さよ。。
そして、さらに、私は便利な機能を使いルートを引きました。
Stravaでルートを引いたのですが、(Stravaとは?)Stravaにはヒートマップというものがあり、Stravaを利用している方が走ったルートが可視化されていて、人気のルートの色がより濃く表現されています。
ルートを引く時も、このヒートマップを利用して、ある地点からある地点を指定すると、その間の「一番人気のあるルート」を自動で設定してくれる機能があるのです。
つまり、いくつかのルートがある場合、そこをいつも走っている地元のライダーに一番人気の(おそらく自転車が走りやすい)ルートを自動設定してくれるのです。
これは便利です!!超オススメです。(課金ユーザーしか使えませんが😅)
ただし、指定した地点と地点の間に人気の峠などが含まれていると、平坦な道もあるのに、峠の方にルートが引かれたりすることもあるので、注意が必要です😆
作成したルートは 516.4km 獲得標高 3,492m になりました
次に実施日の検討です
2024年中に実施したいと考えていて、気候の良い時期である、春(4月か5月)か秋(10月か11月)のどちらかの選択肢があったのですが、春は6月に富士ヒルという最大の目標があり、その調整中にキャノボをやるのはさすがに無理だな、、ということで、秋(10月か11月)に実施するつもりでいました。
しかし、7/10のCT検査で、がんが大きくなってしまっていて、10月から治療方法が変更となり、副作用が出るリスクが上がることが濃厚となりました。
そうなると、自転車に乗るどころじゃなくなる可能性が出てきてしまい、治療変更前の、9月に実施する方向で検討することにしました。
実施するなら9月後半の3連休(9/21か22)という前提で、準備を進めます。
今年の残暑は酷く、9月末でも余裕で35℃を超えていました。
事前の予報でも酷暑が予想されていて、達成へ向けての一番のハードルは「暑さ」だと思い、暑熱順化のために暑い日に長距離をこなすトレーニングを重ねていました。
そして、実施予定の9/21と22の天気予報からなかなか雨マークが消えず、一日に何度も色々なサイトで天気予報とにらめっこをする😅時期(皆さんも経験ありますよね😆)の9/11に治療方法変更が決まるCT検査がありました。
そこで、なんと、現在の治療の継続が決定!!
今の治療のままならほとんど副作用も出ていないので、9月実施にこだわらなくとも、悪天候での順延や涼しくなってからでも挑戦できる!!と選択の幅が広がりました。
ただ、もうすでにやる気モードだったので、天気に問題がなければ9/21の6時大阪スタートで実行するつもりで友人や仲間に話していました。
しかし、予約していた大阪の宿泊先のキャンセル期限の9/18の天気予報で雨マークが消えなかったことから、9/21、22での実施はとりやめに。
結果としては好天で、風向きも絶好だったのですが。。そういうものですね🤣
次の候補日として10/12~14の連休をターゲットとにして天気予報とにらめっこを始めます。
どうやら、天気はよさそうです。
次に、風向きです。
風向きは非常に重要です。向かい風が強いと、自転車はほんとうに進みません。悲しいくらいに遅くなります。
一方、少しでも追い風が吹いていると、「あれ?俺今日すごい調子いいじゃん!!」と勘違いするほどスピードが乗ります。
しかし、予報は無情にも、西風の日が多いはずが、なんと、その週末は東風基調の予報。。
大阪スタートで計画していますので、直前まで風向きが変わらないかと一日に何度も風向き予報とにらめっこです。
風向き予報はこちらで見ていました。
なんと、キャノンボール用に風向き予報が調べられるサイトを作成してくださっている方がいるのです。コチラもまたしても無料!!なんというボランティア精神にあふれた方でしょう😭 感謝感激
東京スタートに変更しようかどうか悩みます。
しかし、今まで大阪スタートでイメージしていたのと、東京でゴールして、東京の友人たちに出迎えてもらいたいこと、またその後、実家で物置の組み立てをしなきゃいけないこと(重要課題)、などなどがあり、東京スタートに気持ちを切り替えることが難しく、また、予報では風速はそれほど強くなさそうなことから、予定通り、大阪スタートとすることに決断しました。
装備品など
今回、キャノボ実施のために購入したものなどを紹介いたします。
サイクルコンピューター
今までGARMIN Edge530を使用していて、全く不満はなかったのですが、今回24時間ぶっ通しで走るという、ことで、必ず途中で充電が必要となるのと、そろそろ新型を買ってもいいかな、という事で Edge840 Solar を購入しました!!
走っている間、ソーラー充電してくれるので、24時間電池が持ってくれることを期待して(結果、ぎりぎりで電池警告が出てしまったため、充電しましたが。。😅)
サイコンの設定
かつおちゃんねるさんが、動画の中でGARMINのナビがわかりにくい、とおっしゃっていたので、その理由を考察。
確かにGARMINの案内はポンコツなとこはあり、どう考えても道なりなのに右折だ左折だの案内をするかと思えば、がっつり曲がるところでなんの案内も出なかったり。。でも地図に表示される道順に間違いはないはずなので、なぜわかりにくいのか??もしかして地図が見にくい??それはあるかも、と検索すると、このようなサイトを発見!!
やはりGARMINの地図がわかりにくいらしい!
OSMという地図をGARMINにインストールすることで解消する模様
かつおちゃんねるさんがわかりやすいと言っていたiGPSPORTのサイコンに使われている地図もOSMなので、これで間違いないでしょう
そして、キャノボ実行中は地図表示を基本にすることになるので、地図表示と共に確認できる項目を多くしたい、という事で、GARMINのConnect IQストアで「Edge Mapfields #4 」をダウンロード
最大8項目表示可能になります。(デフォルトは2項目)
私は、4項目表示にしてスピード、パワー、経過時間、平均速度を設定しました。8項目表示にするともう老眼でよく見えませんでした😅
また、平均時速もグロスの平均時速がわかるように、「AvgSpeTotal」を
停止時間がわかるように「Total Paused Time」というものもダウンロードしてデータ項目として表示させました
データ項目の設定は以下のサイトを参考にしてみてください
ライト
CATEYEのVOLT800を使っていましたが、キャノボ実行を口実にVOTL800 NEOを購入
サファイアブルーの限定版!!イイ!(自己満)
電池の容量が増えているので、夜通し使っても電池が持つことを期待して
結果として、電池は持ちました!
日中は点滅、暗くなってからは街道沿いで明るい道はローで点灯、暗い峠道はハイやミドルにして運用しました。
もともと持っていたVOLT800の電池を交換用で持って行ったのですが、使わずに済みました。
リアライトも二つ新調しました
ひとつは日中からずっとつけていられる、電池の持ちが良いもの、という観点でCATEYEのタイトキネティックを購入。
点滅だと170時間も持つ仕様です!しかも、減速すると明るく光ってくれる安全仕様😘
もうひとつは夜間に目立つように光量の高いもの、という観点でCATEYEのViZ300を購入(CATEYE信者です😆)最大300ルーメン!
これで、夜間走行も安心。
バッグ類
トップチューブバッグとサドルバックを新調しました
トップチューブバッグはORUCASEのものを購入
これは良かった!
その一番の要因は「マグネティックジッパー」による開閉です。ファスナーとちがって磁石でくっつけることで閉じているので、手を差し込むだけでバッグが開いて、手を抜くと自動的に磁力によってピタリと閉じます。
非常に便利!!これはおススメです!🤩
サドルバッグはオルトリーブの1.6Lのモデルを購入
普段はツールボトルを活用しているのですが、キャノボではボトル2本体制で運用したいので、ツールボトルに入れていた工具やチューブ、パンク修理キットなどを入れらてかつ、防寒着も入れられるサイズ感のものとして選びました。
サイズも大きすぎず、サドルレールにしっかりと固定されるので、ダンシングしても揺れずに、使用感は非常に良かったです!
ボトル
当初9月の実施を予定していたので、保冷ボトルを購入しました。
エリートの「NANOFLY 0-100」です。
暑熱順化練習では氷をたっぷり入れて水を入れることで、最後まで冷えた水を飲むことができ、なかなか優秀でした。
ただし、公称の4時間保冷は??です。500mlなので、2時間もあれば飲み切ってしまいますが、飲み切る前にはほぼ冷たさはなくなっています。
ただ、普通のボトルだと真夏では、すぐにお湯になりますが、それは避けられるので良いです。
キャノボ実行した10/12、13はそこまで暑くなかったので、氷を入れての運用はしませんでしたが、比較的冷えた水を摂ることができました。
ベスト
PECOさんの反射ベストを購入しました
サイズはフリーサイズなので、身長が183cmある私には少し丈が短く、せっかく装備していただいているバックポケットの位置が上に行ってしまう事で、手が回せず、活用することができませんでした(残念。。)
あ、ちなみに肩が固くって手が回らないわけじゃないです。どちらかというと、肩は柔らかいほうかと😉
でも、ジャージのバックポケットへのアクセスへは全く邪魔にならないので、運用上全く問題にはなりませんでした。
反射ベストとしては、非常に目立ちますし、優秀で良い買い物でした!
補給食
補給食は薄皮あんパンを1時間に1個&ジェルを1つと想定して事前に大量に準備しました。
あと、飲料に混ぜるパラチノース。効率的なカロリー摂取を考えました。
薄皮あんパンは事前に袋を開けてプラスチックのトレーを取り除き、パンをつぶして圧縮してコンパクトにします。これで4袋がサイクルジャージの左右の二つのポケットに収まります。
ジェルとパラチノースはトップチューブバッグへ。
トップチューブバッグとジャージのポケットはパンパンの状態でした😆
何事を成し遂げるにも、準備が9割とはよく言うものです。
パフォーマンスは当然のこと、体調管理、情報収集、前日や実行中、ゴール後の行動イメージなど、実施1週間前からは仕事そっちのけで、キャノボのことばっかり考えていました😆
しかし、そういうときに限って忙しかったりするのはなぜなんでしょうね?😓
準備編だけで結構な長文となってしまいました。
また、後日、実行編をつづらせていただきますので、引き続きお付き合いをよろしくお願いいたします。🙇♂️