シェア
メメント盛蔵
2019年12月31日 10:44
「来年は毎日掃除するからな」「去年も言ったよ 窓拭きながら」待つ子らへポチ袋とピン札と用意し始まる帰省支度道中の混雑予想 手土産で増える袋を計算に入れ実の中のさらに小さなみかん見てぼくみたいだと笑う幼子薄皮に栄養があるという母と食いにくいだろとちまちま剥く父武道館 実家に コミケ最終日 それぞれ過ごす この大晦日走り去る月を追いかけ駆け抜けた僕から僕へ襷をわた
2019年12月30日 12:23
パッチンと切符の切られる音がなるSuicaで行けない 駅に帰る寝る食べる ビールを飲んで外を見るそれぞれの旅 電車内後席から腕のアーチをくぐりぬけ車窓をレールに 走るおもちゃ都内から片道列車三時間行けば行くほど 冬が濃くなる並ぶ列 紙袋のなか おそろいの菓子折り2つ きみも帰る人福袋 予約を前に祈るよう戦いは既に始まっている道をゆく 人々の群れ それぞれのただ
2019年12月29日 23:32
暖房の 届かない床 寝転んで底に沈む 空気と眠るはげかけた ネイルとともに恋心コットンと一緒に捨ててやるから届くもの 両手半径70センチ腰までコタツに食べられる冬 宝石を目にはめ込んだ ゆきうさぎ飛び跳ね 貴方に冬をお届け2℃高い体温の傍 コート越しこちらの熱を誤魔化す「寒いね」 あと一歩 昨日に追いつかれないようもう一歩だけ 我が爪先よ絡みつく水の中を泳ぐよう
2019年12月29日 00:47
触りたい けど触れない 跳ねる青冬の恋する 帯電少女置いてきた 手袋のせいにしてみる悴む 右手差し出すために「あったかい」言って欲しくて直前にカイロを隠す かたっぽの手を白い息 君のとなりで吐く僕の緊張気味の 道と空に空気裂き はじめの一歩を競うように駆け出し飛んで 霜柱踏む 来年の最初の挨拶くらいなら僕にも出来るはずだし 書くよ 行方すら 知らないけれど 言い
2019年12月27日 18:21
終わらせて 区切りをつけて 金曜日今年最後の金曜日の夜退勤の挨拶ひとこと付け足しておつかれさまです 良いお年を!帰宅後のタスクを並べ 組み立てる帰省支度に大掃除とかそんなにさ 使わないと思うのよカゴいっぱいの 住宅洗剤今年中 食べ切れるかな 冷蔵庫 覗いて悩む 年の瀬も近くSwitchを 抱えて帰る人もいるボドゲとUNOと悩む人もいる友人と 同期と 職場の先輩と
2019年12月26日 20:47
指につく 長い髪の毛 梳かす手をふわりぱちぱち 包むカミナリ濡れた子を とっ捕まえて くるみ巻くお風呂上がりの 親の愛情 焼き芋の 紙袋 手に歩く子と手繋ぎ帰る冬 並木道適齢期 クリスマスケーキというけれど今日のケーキも 美味しいもので全員の好物いっぱいもちよってみんなで褒めよう 一年おつかれ!君のじゃない マフラーまいて 始発待つ世界で一番 寒い場所にいる
2019年12月25日 20:49
「報連相しないからだ」と わらいあう机に並ぶ ホールケーキ2個煙突も 大きなツリーもないけれど我が家のサンタは玄関から来る家中の鍵を開けて 手紙書き罠をしかけて待つクリスマス「寝ないから!」睡魔に負けた5歳児の寝顔見ながら微笑むサンタシュトレンの最後の一切れ 頬張って メリークリスマス 迎えるきみ明日には終わってしまう パーティのかたちをどうにか 遺したくてあと
2019年12月24日 20:38
世界中 息を潜めて 眠るイヴサンタとともに 夜は巡る鈴の音を鳴らして君がやってくる大人になって 迎えるよ イヴ箱を持つ 帰宅ラッシュの 大人たちすれ違う みな どこかのサンタベッドにも フトンにもくる クリスマス橋の下にも来るクリスマス体のいい言い訳みたいに クリスマス使ってキミを誘ってみる日さぁお退き あっという間に 大晦日国を跨いで 冬支度する連作「クリスマ
2019年12月23日 23:00
剥き出しの 危険な毒を 晒すようあざやかな赤 覗かせる舌 長い影 瞳の星を 落とし見る既にわたしの手の上と知れ瞬きの刹那を 永遠にする魔法瞼の上に広がる宇宙ざわめきも どよめきさえも 跳ね除けて纏う風さえ 味方につけて虹色に輝くエオスの指先が今日も私の世界を変える薔薇色の頬を作る 朝一番おはよう自分 今日もよろしく悪いけどあなたの台詞は聞こえないこれはあなた
2019年12月22日 23:59
誰が為の 我が命かと 問われれば主の歩む 運命の為なり【忠義(sincerity)】我が道が 茨の道だと言うのなら斬り拓こうぞ 未来の為に【忍耐(patience)】握る手のぬくもり要らぬと言うのなら抱きしめましょう その心ごと【慈愛(kindness)】幾千の 先人築く この世界見渡すための ハシゴを探して【勤勉(diligence)】 歩み寄り 許すことは出来ず
2019年12月21日 23:58
ハリボテも貼り続ければ ホンモノになればしないが 慣れはするさ【虚栄(inanis gloria)】その瞳 とっても好きで 大嫌い私以外を見つめる 貴方【嫉妬(invidia)】働いて 祈らず働き 働いてあなたの生きる 意味とはなんだ?【怠惰(acedia)】消し炭に しても尚まだ 燃え盛る貴方のことを 灰にするまで【憤怒(ira)】両の手じゃ 足りないとでも言うの
2019年12月20日 22:29
早くない? まだクリスマス 来てないよしめ縄並ぶ 冬のスーパーいいこと いやなこと多き年ですがすべて消すには 少し惜しいねめくるめく 日々を捲ってカレンダーさようならまであと数日間別れ際 またねに加えて もう一つ良いお年をが響く週末鈍行と特急乗り継ぎ くる人の好物作り 待っている僕出迎える 君の笑顔を 浮かべては手土産増える 下りの列車かわりゆく 街並み追って
2019年12月19日 21:08
宵闇に 赤い牡丹を たずさえて足音鳴らし あなたのもとへ(「牡丹灯籠」、お露)泣きながら みなそこひとり 九枚目幾度数えど 足りぬ一枚(「番町皿屋敷」、お菊)久々の娑婆に浮かれて酔いつぶれ幽霊だって もと人の子さ(「応挙の幽霊」、女幽霊)着物から 匂い立つ香 昨晩の私の記憶 まったく無いの(「源氏物語」、六条御息所)ほんとうに この子を抱いて欲しい人誰だったかを
2019年12月17日 19:28
降りるべき駅を通りすぎさって隣の座席 にいたのは誰泣いた日も 負けずに通い続けたね在りし日の君よ また会う日まで君のまつ 駅に初めて降り立ったおんなじ顔した 君がたってた突然の片道3時間半を 静かに急ぐ 郷里へのみち1000円とちょっとで行ける 世界にはわたしを知る人 誰も居なくて涙乗せ 絶望乗せて どこまでもレールの先まで 君をのせて間違えて 特快に乗ったその