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日刊うたうたい。

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短歌らしきものを綴ってまとめていきます。 毎日七首、誰かの一週間を支えるうたになりますように。
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2019年12月の記事一覧

年末年始の歌

年末年始の歌

「来年は毎日掃除するからな」
「去年も言ったよ 窓拭きながら」

待つ子らへポチ袋とピン札と
用意し始まる帰省支度

道中の混雑予想 手土産で
増える袋を計算に入れ

実の中のさらに小さなみかん見て
ぼくみたいだと笑う幼子

薄皮に栄養があるという母と
食いにくいだろとちまちま剥く父

武道館 実家に コミケ最終日
それぞれ過ごす この大晦日

走り去る月を追いかけ駆け抜けた
僕から僕へ襷をわた

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月曜日の歌 4週目

月曜日の歌 4週目

パッチンと切符の切られる音がなる
Suicaで行けない 駅に帰る

寝る食べる ビールを飲んで外を見る
それぞれの旅 電車内

後席から腕のアーチをくぐりぬけ
車窓をレールに 走るおもちゃ

都内から片道列車三時間
行けば行くほど 冬が濃くなる

並ぶ列 紙袋のなか おそろいの
菓子折り2つ きみも帰る人

福袋 予約を前に祈るよう
戦いは既に始まっている

道をゆく 人々の群れ それぞれの
ただ

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日曜日の歌 4週目

日曜日の歌 4週目

暖房の 届かない床 寝転んで
底に沈む 空気と眠る

はげかけた ネイルとともに恋心
コットンと一緒に捨ててやるから

届くもの 両手半径70センチ
腰までコタツに食べられる冬

宝石を目にはめ込んだ ゆきうさぎ
飛び跳ね 貴方に冬をお届け

2℃高い体温の傍 コート越し
こちらの熱を誤魔化す「寒いね」

あと一歩 昨日に追いつかれないよう
もう一歩だけ 我が爪先よ

絡みつく水の中を泳ぐよう

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土曜日の歌 4週目

土曜日の歌 4週目

触りたい けど触れない 跳ねる青
冬の恋する 帯電少女

置いてきた 手袋のせいにしてみる
悴む 右手差し出すために

「あったかい」言って欲しくて直前に
カイロを隠す かたっぽの手を

白い息 君のとなりで吐く僕の
緊張気味の 道と空に

空気裂き はじめの一歩を競うように
駆け出し飛んで 霜柱踏む

来年の最初の挨拶くらいなら
僕にも出来るはずだし 書くよ

行方すら 知らないけれど 言い

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金曜日の歌 4週目

金曜日の歌 4週目

終わらせて 区切りをつけて 金曜日
今年最後の金曜日の夜

退勤の挨拶ひとこと付け足して
おつかれさまです 良いお年を!

帰宅後のタスクを並べ 組み立てる
帰省支度に大掃除とか

そんなにさ 使わないと思うのよ
カゴいっぱいの 住宅洗剤

今年中 食べ切れるかな
冷蔵庫 覗いて悩む 年の瀬も近く

Switchを 抱えて帰る人もいる
ボドゲとUNOと悩む人もいる

友人と 同期と 職場の先輩と

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木曜日の歌 4週目

木曜日の歌 4週目

指につく 長い髪の毛 梳かす手を
ふわりぱちぱち 包むカミナリ

濡れた子を とっ捕まえて くるみ巻く
お風呂上がりの 親の愛情

焼き芋の 紙袋 手に歩く子と
手繋ぎ帰る冬 並木道

適齢期 クリスマスケーキというけれど
今日のケーキも 美味しいもので

全員の好物いっぱいもちよって
みんなで褒めよう 一年おつかれ!

君のじゃない マフラーまいて 始発待つ
世界で一番 寒い場所にいる

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水曜日の歌 4週目

水曜日の歌 4週目

「報連相しないからだ」と わらいあう
机に並ぶ ホールケーキ2個

煙突も 大きなツリーもないけれど
我が家のサンタは玄関から来る

家中の鍵を開けて 手紙書き
罠をしかけて待つクリスマス

「寝ないから!」睡魔に負けた5歳児の
寝顔見ながら微笑むサンタ

シュトレンの最後の一切れ 頬張って
メリークリスマス 迎えるきみ

明日には終わってしまう パーティの
かたちをどうにか 遺したくて

あと

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火曜日の歌 3週目

火曜日の歌 3週目

世界中 息を潜めて 眠るイヴ
サンタとともに 夜は巡る

鈴の音を鳴らして君がやってくる
大人になって 迎えるよ イヴ

箱を持つ 帰宅ラッシュの 大人たち
すれ違う みな どこかのサンタ

ベッドにも フトンにもくる クリスマス
橋の下にも来るクリスマス

体のいい言い訳みたいに クリスマス
使ってキミを誘ってみる日

さぁお退き あっという間に 大晦日
国を跨いで 冬支度する

連作「クリスマ

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月曜日の歌 3週目

月曜日の歌 3週目

剥き出しの 危険な毒を 晒すよう
あざやかな赤 覗かせる舌

長い影 瞳の星を 落とし見る
既にわたしの手の上と知れ

瞬きの刹那を 永遠にする魔法
瞼の上に広がる宇宙

ざわめきも どよめきさえも 跳ね除けて
纏う風さえ 味方につけて

虹色に輝くエオスの指先が
今日も私の世界を変える

薔薇色の頬を作る 朝一番
おはよう自分 今日もよろしく

悪いけどあなたの台詞は聞こえない
これはあなた

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日曜日の歌 3週目

日曜日の歌 3週目

誰が為の 我が命かと 問われれば
主の歩む 運命の為なり
【忠義(sincerity)】

我が道が 茨の道だと言うのなら
斬り拓こうぞ 未来の為に
【忍耐(patience)】

握る手のぬくもり要らぬと言うのなら
抱きしめましょう その心ごと
【慈愛(kindness)】

幾千の 先人築く この世界
見渡すための ハシゴを探して
【勤勉(diligence)】

歩み寄り 許すことは出来ず

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土曜日の歌 3週目

土曜日の歌 3週目

ハリボテも貼り続ければ ホンモノに
なればしないが 慣れはするさ
【虚栄(inanis gloria)】

その瞳 とっても好きで 大嫌い
私以外を見つめる 貴方
【嫉妬(invidia)】

働いて 祈らず働き 働いて
あなたの生きる 意味とはなんだ?
【怠惰(acedia)】

消し炭に しても尚まだ 燃え盛る
貴方のことを 灰にするまで
【憤怒(ira)】

両の手じゃ 足りないとでも言うの

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金曜日の歌 3週目

金曜日の歌 3週目

早くない? まだクリスマス 来てないよ
しめ縄並ぶ 冬のスーパー

いいこと いやなこと多き年ですが
すべて消すには 少し惜しいね

めくるめく 日々を捲ってカレンダー
さようならまであと数日間

別れ際 またねに加えて もう一つ
良いお年をが響く週末

鈍行と特急乗り継ぎ くる人の
好物作り 待っている僕

出迎える 君の笑顔を 浮かべては
手土産増える 下りの列車

かわりゆく 街並み追って

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木曜日の歌 3週目

木曜日の歌 3週目

宵闇に 赤い牡丹を たずさえて
足音鳴らし あなたのもとへ
(「牡丹灯籠」、お露)

泣きながら みなそこひとり 九枚目
幾度数えど 足りぬ一枚
(「番町皿屋敷」、お菊)

久々の娑婆に浮かれて酔いつぶれ
幽霊だって もと人の子さ
(「応挙の幽霊」、女幽霊)

着物から 匂い立つ香 昨晩の
私の記憶 まったく無いの
(「源氏物語」、六条御息所)

ほんとうに この子を抱いて欲しい人
誰だったかを

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火曜日の歌 2週目

火曜日の歌 2週目

降りるべき駅を通りすぎさって
隣の座席 にいたのは誰

泣いた日も 負けずに通い続けたね
在りし日の君よ また会う日まで

君のまつ 駅に初めて降り立った
おんなじ顔した 君がたってた

突然の片道3時間半を
静かに急ぐ 郷里へのみち

1000円とちょっとで行ける 世界には
わたしを知る人 誰も居なくて

涙乗せ 絶望乗せて どこまでも
レールの先まで 君をのせて

間違えて 特快に乗ったその

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