乳酸は疲労の原因？実はエネルギーとして再利用されている？

こんにちは。パーソナルトレーナーの高梨です。

皆さん、乳酸と聞くとどういったイメージがあるでしょうか？
乳酸は疲労の原因で、良く無いものだと認識している方が多くいらっしゃいます。

実は、疲労の原因どころかエネルギーに再利用される物質だったのです。

そこで今回は乳酸の本当の役割について解説していきます。

■ そもそも乳酸とはなんなのか？

ブドウ糖などの糖質が解糖系（嫌気的代謝）で代謝・分解されてできる生成物のことで、
身体の中では筋肉でエネルギーを作るとき、炭水化物が分解されて乳酸となります。

以前まで乳酸は、激しい運動をした後に蓄積することから疲労物質とも呼ばれていました。
ですが、近年乳酸はエネルギーに再利用される物質であることが判明しました。

■乳酸が生成されエネルギー源として再使用される流れについて

乳酸は、筋肉を動かくためのエネルギー機構の一つである解糖系機構で生成されます。

解糖系機構の元となる炭水化物(糖質)が以下の表の通りに分解されて、ピルビン酸となり状況に応じて
『乳酸へ変換する過程』『酸化機構』の2つの過程でATP(アデノシン三リン酸)と呼ばれる生体内で利用可能なエネルギー形態に変換し再使用されます。

■疲労の原因は何だったのか？

乳酸が疲労物質だと言われていましたがエネルギーの再利用されることが分かりました。
では実際の疲労の原因はなんだったのでしょうか。
主に以下の２が疲労の原因になります。

・乳酸が多くつくられると生成されると水素イオンが発生します。
その影響により身体が若干酸性に傾くこと、エネルギー源である筋グリコーゲンの蓄えが少なくなることが疲労の原因だったのです。

・筋収縮は筋小胞体からカルシウムイオンが放出することで起こりますが、ATPやクレアチンリン酸（ATPの代わりに骨格筋ででき、速効のエネルギー源となる物質）が分解されてできるリン酸がカルシウムイオンの放出を阻害して筋収縮が行いにくくなることなども疲労の原因になります

※疲労の原因は↑の2つ以外にもさまざまな原因が重なり合って疲労が起こっています

■まとめ

乳酸は昔から疲労の原因だと言われており、私自身もその認識でいました。
ですが実際に調べてみると、疲労の原因ではなくむしろエネルギーを再生成するのにとても重要だと分かりました。

良くYouTubeや言伝の情報を鵜呑みしますと、誤った知識を蓄えて実践してしまい、身体に悪影響を及ぼす可能性もあります。

ご自身調べる、専門家に聞くなどの癖を身につけて正しく身体について学んで行きましょう。

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