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組織にUXを広める!ファシリテーター育成講座でまなぶ共感力

こんにちは、matsukoです。
普段はデザイナーやってます。一児の母です。

UX DAYS TOKYOさんの勉強会「組織にUXを広める!ファシリテーター育成講座」に参加させてもらった時のお話です。

きっかけ

これまで、UXデザインと呼ばれる仕事はしてきました。
ですが、ビジネスと結びつけることが難しいと感じています。

定量的に評価しづらい。KPIに設定しづらい。
効果が不確実なのに、時間だけ膨大にかかるイメージ。

アクセス解析やSEOで効果をあげているのであれば、
新しいアプローチとしてすぐ採用ってことにはしづらい手法。

それらと戦いたいわけではない。連携して進めたい。うまくやる方法はないだろうか。
そう思って受講を決めました。

最初にまとめ

最初に、受講した私なりの講座まとめ。

UXファシリテーターの心得
・メンバーそれぞれの、言葉が違う・認識が異なる・前提が異なることを考慮する
・発言や意見を促す必要があるので、UXの知識や経験が必要
・「なぜ?」と深めていき、議論の輪を広げる役目
UXを広めるためには
・相手を理解して、UXや自分を正しくPRするため、強い思いで推進する
・組織を仲間だと思う。敵だとは思わない
・相手のタイプを判断して言葉選び、伝わるように話す
・一緒にやるメンバーは神様ではない。誤りは正しく丁寧に気付かせる

座学とワークショップ

【講座の目的】
基礎の考え方を学ぶこと。
「how toは敢えて言わないようにしている」という説明がありました。

たしかに、ファシリテートは状況を読んで変えていく必要があると思う。
根本的な考え方を理解できないと、うまく振る舞えないし、アドリブが効かない。

学んで、自分のチームへ持ち帰り、考えて、自分なりの形を作っていく。
この講座はその第一歩という位置付けなんだろうな。

【進め方】
グループワークを主軸に進行されていました。
3〜4名のグループで座席が組まれ、
座学(インプット)→グループワーク(アウトプット)を繰り返します。

2時間以上の長丁場ですが、グループワークが7回も実施されるので楽しかったです。ソファ席に座れたのでリラックスもできました。

【この記事では】
座学の内容をメインでまとめ、グループワークはテーマだけ書いてあります。

(ワークショップの詳しい内容は文字だと伝わりづらいし、その場のコミュニケーション自体が大切と考えたからです。興味を持ったら参加して体験してみるとよいかな〜と思います)

- UXer・UXチームの役割(横軸)

「良いUXは、UIだけで実現しづらい」

時にはSEO、時にはオペレーティングシステムなど、
複数の部署をまたがった改善が必要なことがある。

ニールセングループが提唱するUXの定義でも、
「ユーザーエクスペリエンスには、エンドユーザーと企業、サービス、および製品とのやり取りのあらゆる側面が含まれます」と記されている。

このようにUXはある一部署や個人がやるのではなく、
いろんな部署を横断してやっていくものです。

グループワーク【1】
 「UXを実施する上でよく言われること」を出して、話し合いましょう

※最後のグループワークに紐付くので、詳細は最後に書きます。

- UX道具の種類と役割

CJMやペルソナなどは共感 ・共通認識を保つためのツール。

それぞれがバラバラで異なるイメージを持っているという前提で、
その認識を揃えるためにツールが必要です。
なので、そのツールを納品物(成果物)=ゴールとするのは違う。

- ワークショップ開催の心得

・言葉が違う(役割によって話し方や情報が異なる)
・認識が異なる(言葉の定義が違う)
・前提が異なる(サービス知識など)

- ファシリテーターの役割

ファシリテーターは発言や意見を促す必要があるので、知識が必要となる。
「なぜ?」と深めていき、議論の輪を広げる役割である。

(周りがシーンとなって、ファシリテーターだけ話してるとかは違う)

- 伝え方・話し方

伝え方によって、行動・気持ちが一気に変わります。
キーワードは「ピークエンドの法則」「心理的リアクタンス」

グループワーク【2】
以下の言葉で嫌な感じがしました。どう直せば良いでしょう?
・これ美味しいね、塩辛いけど
・旅行楽しかったし美味しかったね、でも遠かったね

- ファシリテーターに必要な要素

【テクニック】
・疑似体験できる(→自分ごとにして理解)
・イメージできる
・感覚的に伝わる
・大脳皮質(記憶)に直結している

グループワーク【3】のテーマ
「寅次郎えんぴつを売る」の動画を見て、寅さんのファシリテーターの良いところをあげましょう。 

(このワークはみんな苦戦しました。全部あげれた人はいなかったと思う!)

【必要な要素】
・信頼
・身なり(ファーストインプレッション)
・話し方(テンポ・間の取り方)

グループワーク【4】
冒頭で行った自己紹介を、これら踏まえてやり直してみましょう

ちなみに、拍手は目線より上だと「賞賛をあらわす」そうです。
参加メンバー全員、高めの拍手を徹底👏

グループワーク【5】
2人1組になって言葉で伝えてイラストを完成させましょう。
・Aさん:描いてもらう画像を決め、言葉で伝える
・Bさん:Aさんの言葉を聞いて、イラストを描く

このグループワークは盛り上がったので、実際のイラストを載せます。

▼私が選んだのはこのイラスト▼

画像1

簡単なイラストを選んだはずなのに
言葉で伝えるのって難しい。
ふわふわで雲みたいな葉っぱたちがあって
花が6つあって花びらはギザギザで...と
しどろもどろになって伝えました。

結果

▼相方さんが書いたのはこのイラスト▼

画像2

結構近い気がする!!!

「大切なのはうまい下手ではない。いかに伝わったか」
これは、だいぶ伝わったのでは…?

【考察】
「考察」はUXインタビューの参考になる。
相手がどんなタイプか判断して、言葉を選ぶ。相手の状況を知ることが大事。

グループワーク【6】のテーマ
イベントに参加したけど、不満がある参加者へのフォローアップはどうしたらよいか?

【必要な知識】
具体での説明が説得力を増す。だからUXの知見と実績が必要。

グループワーク【7】
グループワーク【1】で出した「UXを実施する上でよく言われること」に対して、解決策を考えてみよう

こちらが、最初のグループワークと結びついたテーマ。
私たちのグループはUIUXデザイナーが2人いたので、デザイナー目線の悩みが2つ出ていました。

グループワーク【1】で出たこと
1:UXの効果は定量データでどう売上に寄与するのか、話すことが難しい。定性的なものだと定量的な評価が難しい。
2:他社のUIを持ってきて「このUXいいよね」ベースで話をされることが多い。どんなものを実現したいかわからない。

あるあるですよね・・・!

グループワークでも盛り上がりましたが、全体へ共有したときも「わかるわ〜」と頷いている方が多かったのが印象的でした。
今日来ているメンバーの共感力がすごい。居心地良いです(笑)

私が出した1つ目の悩みに、グループから解決策が。

解はないと思う。それを正直に周りへ言う。
そして、きっと自分なりの課題感を持っているだろうから、
それも伝えて、みんなを巻き込んでやってみる。

答えがなくて困っている状況を受け止め、
その中で自分なりの意見を話して、協力してもらうコミュニケーション。

私は2つ目に対して、こんな解決策を考えていました。

まず共感して、ヒアリングする。そして課題を明確にする。
このUXいいですよね。これのどんな部分がよいと思いましたか?
●●いいですよね。このサービスでそれと同じような満足を得られる体験にするとなると、○○でしょうか?
となると、課題は▲▲で■■でしょうか?...

同じように、ヒアリングして理解すること、共感や思いやりは大事、という声がグループで出ていました。

振りかえり

「共感力」というワードがぴったりな講座でした。
コミュニケーションが大切だと学ぶために、グループワークメインの進行にしているのだと思います。

「うまくやる方法はないだろうか?」

そう思って今回受講したけど、自分と完全にシンクロできる人はまずいないし、だからこそ完璧にファシれる人もいない。
トライアンドエラーはずっと必要なのでしょう。

「個人でつくらない(考えない)のは甘えだ」

そういった考えもあるけど、1人では誰でも考えられて、みんなでつくるには様々な苦労がある。
それらを乗り越えて初めて、より良い体験が生み出させると改めて思いました。

余談ですが・・・

グループワークが盛り上がりすぎて、メンバーと仲良くなりました。
こうやって職種の枠を飛びこえて輪が広がったことも、受講して良かったと感じる理由の1つです。

UXを酒の肴に、今度飲みに行こうと思います🍺

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