25年1月26日付『みなとニュース』(バングラデシュから/暮らしを支える予算になるか/お勧めの一冊『カレー移民の謎』)
みなと隆介の近況:バングラデシュから
1月19日は、10年来の友人に誘われて堺市へ行ってきました。南アジアのバングラデシュで俳優・教師・活動家として活躍しているアハマド・サキさんが来日して公演を行うことで、誘われたのです。バングラデシュで昨年8月にハシナ政権が倒れましたが、その過程で大勢の方が警察との衝突で殺されたこと、また、そんな最中にサキさんたちが抵抗の野外演劇を敢行したことを知り、興味深く(言葉のチョイスが適切ではないかもしれませんが)思って参加しました。
お芝居はなんとも壮絶でした。殺された実在の7人が願いを語る、というスタイルなのですが、ただ水を配っていただけの人、催涙弾の煙の流入を断つために窓を閉めようとしていた少年、屋上で遊んでいた少女、、、強権的な政権との衝突がなければ死ななくてよかった命です。アフターパーティでサキさんに「半年前の出来事の死者を演じる時の感情は私には想像すらできません。一体どう感じながらお芝居を?」と質問すると、目頭を拭いながら「日本に来て練習を始めた初日は涙が流れて仕方がなかった」と語ってくれました。
私が日本共産党で活動していることを伝えると「共産主義に興味がある。様々な課題の解決に有用ではないか。長い活動になると思いますが、どうか頑張れ」と励ましてくれました。「私が、必ず変えられると信じています。ベストを尽くします」と答えると「信じることが最も大事なことです」とも。良い出会いでした。
みなと隆介の視点:暮らしを支える予算になるか
1月24日、通常国会が開会。25年度予算が最大のテーマです。自民公明の与党だけでは予算が成立しないため、野党側がどんな態度で臨むがか問われます。
日本共産党は「富裕層や大企業に公正な税負担をお願いしたり、防衛費を5兆円水準まで戻す(今は約9兆円)ことで18兆円の財源を確保し、消費税減税・学費負担の引き下げ・ケア労働者の待遇改善などを実現する」ことなどを提案しています。税金の集め方の歪みをただせば、実現できる政策はたくさんあります。軍事対軍事の悪循環で安全保障環境がむしろ悪化する道からも抜け出さねばなりません。
野党各党がどんな財源論を掲げ、どんな予算案で折り合うのか折り合わないのか、ぜひご注目ください。
みなとお勧めの一冊:室橋裕和『カレー移民の謎』
知人が「読みますか?」と差し出してくれた時に「確かに街のあちこちで外国人の経営するカレー屋さんが増えたな、、、」と思い、読み始めました。これらのカレー屋さん、実はネパールの方が経営しているものが
殆どだそうです。出稼ぎに頼るネパールの経済やネパール人の特性、日本の就労ビザ政策、様々なものが相まって同じようなメニューのお店がここまで増えたとのことでした。
今、その子どもたちの日本での教育をどう保障するかは大きな課題になっています。社会でともに生きる人たちに、国籍を超えて連帯できる日本でありたいなと思いつつ読了しました。