【夢日記】目が覚めたら二日酔いでリビングも散乱してて頭を抱えたが何も思い出せない
ふと目が覚めたらリビングに居た。
僕はリビングで寝る習慣は無い。ちゃんと寝室があるので普段はそこで眠っている。ところが今日は、不意に眠ってしまったのか、うたた寝をしていたら本格的に寝入ってしまったのか、良く分からないが、リビングで目が覚めた。それは紛う方なき事実なのである。
ちなみに、ソファで眠ってた、とかではなく、カーペットで寝転がってたらしい。おかげで体が痛い。これに関しても、自分の意志でカーペットにゴロンとしたのか、それとも、突然、意識を無くしたように、カーペットに倒れ込んだのか、それは誰にも分からない。僕が知らないところで、僕の部屋に、監視カメラでも付いていない限りは。
オマケに頭も重たい感じがした。ああ、これは二日酔い特有の状態だな、と、瞬時に僕は悟った。「瞬時に」と言えるのは、僕が、頻繁に二日酔いを経験している証左とも言えるだろう。「証左に」と書いたりすると、何だかちょっとカッコ良い感じだけど、表現を変えれば「僕はお酒の飲み方を未だに心得ていません」とカミングアウトしているに過ぎない。これが20代になりたてならまだ可愛いものだが、気付けばもうアラサーだ。いい加減、失敗から学んで欲しいものだ。
僕は、頭がクラクラして、多少の眩暈を感じつつも、何とか立ち上がって、辺りを見回した。すると、いつもよりもリビングが散らかっていることに気付いた。「よくこんなところで眠れたものだな・・・。」と、我ながら、自身のズボラさに感心したものだが、それと同時に、普段の自分であれば落ち着かず、とても眠れたものじゃないな、とも思った。要するに、眠る前から、アルコール等で、意識が朦朧としていたから、こんな部屋でも眠れたわけだ。
僕は、まずはこの部屋をどうにかしないと、と思い、整理整頓に着手しようとしたのだが、程なくして、おかしなもの、があったために、手を止めることとなった。
その「おかしなもの」とは、カップラーメンのことだ。それも、食べて中身がカラになったものではなく、中身もある状態。それも、なぜか、フタだけ開けて、あとはお湯を注げば完成しますよ、といった状態のまま、放置されていたのだ。しかも、二つ。
「いったい何があったんだよ・・・。」
僕は頭を抱えた。二日酔い特有の、頭重とも頭痛ともとれる症状を気にして、頭をさすった時とは比べ物にならないぐらい、それはもうしっかりと、頭を抱えた。抱え込んだ、と書いた方が、より事実に即している、と言えるぐらいには、頭を抱えた。
しかし、何も思い出せない。これも、いつものこと、だったりする。僕は、必要以上にアルコールを摂取してしまうと、自分でも良く分からない行動をしていて、尚且つ、何も覚えていない、といった、面倒臭いタチなのだ。「自分に都合が良いから忘れたフリしてるだけだろ」と、幾度となくツッコミを受けてきたが、それでもやっぱり、何も、思い出せない。誓って言うが、忘れたフリも、思い出したフリも、覚えているフリも、僕は、一度もしたことがない。なぜなら僕は正直者だから。否、バカ正直、と言うべきであろうか。
しばらく、沈思黙考状態で、記憶の手がかりを探ってみたのだが、どうにもこうにも掴めそうにない、というわけで、僕は、考えることをやめた。そんなことよりも、今、目の前の状況を、なんとかしないといけない。そう思い直して、謎のカップラーメン二つは、そのまま放置しておいて、リビングの状態を元通りにすることに努めた。
とはいえ、黙々と整理整頓作業に取り組んでいる間も、頭の中では、カップラーメンのことが気に掛かっていた。思い出せないにしても「なぜ?」と疑問に感じる点が、幾つかあったからだ。
「なぜカップラーメンが二つあったんだろうか」
「シメラーメンは分かるとして、一気に二つ食べたかったのか」
「僕は大食漢タイプではない。一つで十分満足するはずだ」
「それに、そもそも、シメラーメンを食う腹の余裕が、近頃は無い」
「たまたま食べたくなったとしても、せいぜい一つだろう・・・。」
「それと、フタを開けたまま放置、これも良く分からない」
「更に謎めいているのが、お湯を沸騰させた形跡もないことだ」
「なぜなら、電気ポットは、定位置のままで、中も空っぽだから」
「というか、フタを開け切ると、それはそれで良くないだろう」
「お湯を入れて、フタを閉じて、数分待って、完成するのだから」
・・・・・・・・・。
僕は「カップラーメンの謎」について、自問自答を繰り返してみたが、やはり何も分からなかった。何も思い出せないし、何も分からない。なんだか、コレ、僕の、学生時代、全体を指しているのかもしれないなぁって思うと、それはそれで、笑えてきた。ただし、この場における「笑い」の感情は、ポジティブよりもネガティブだし、プラスよりもマイナスだ。言葉を当てるならば「自嘲」といったところであろうか。
そんな、苦々しい想いに駆られながらも、ニタニタ、といった具合に口角が上がっている状況で、現実世界の僕もまた、目を覚ました。
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