#45【夢日記】クレヨンしんちゃんの夢を通じて自己内省の機会を得る
【内容】
僕は、クレヨンしんちゃんの主要メンバーである、しんちゃん・マサオくん・風間くんの言動を、相手に気付かれないぐらいの、遠い場所から眺めていた。
すると、突然、マサオくんが泣き出した。
僕の場所からでは、どういう経緯でマサオくんが泣き出したのか、見当が付かなかった。
その後も、注意深く観察していたのだが、マサオくんは泣き止むことはなかった。むしろ、泣き喚く、と形容しても良いぐらいに、人目もはばからず、泣きじゃくっていた。
風間くんは、しんちゃんとマサオくんとの、ちょうど間ぐらいの位置に立ちながら、マサオくんをなだめつつ、しんちゃんを怒鳴り付ける、といった感じで、忙しそうに動き回っていた。
しんちゃんは、マサオくんが泣き喚いている様子に「?」といった表情を浮かべていた。また、風間くんに怒鳴り付けられても、やはり「?」といった風なリアクションを取っていた。
僕が見る限り、しんちゃんは、この状況を飲み込めていないらしかった。
「なぜマサオくんは泣いているのか?」
「なぜ風間くんに怒られているのか?」
「なぜ?」の部分が分からなければ、ただただ「?」の表情を浮かべる他はない。そこに嘘偽りの感情は無いように思えた。
そうこうしていると、風間くんが、困り果てたような表情を浮かべて、マサオくんをなだめたり、しんちゃんを怒鳴り付けたりしていたのを、スッとやめてしまった。
どうやら、自分一人では手に負えない問題だと悟ったらしかった。トラブルに介入するエネルギーを喪失してしまって、もうどうにでもなれ、と、半ば、やけっぱちになってしまったのかもしれない。
それでもなお泣き喚くマサオくん。
それでもなお「?」を浮かべるしんちゃん
二人を見やって困り果てる風間くん。
僕は依然として傍観者に徹していた。自分が3人の中に割って入り、仲裁しようとする気は全く起きなかった。むしろ、眺めているだけのくせに「あわわ・・・」と、一人で勝手に慌てていた。
僕は、どうすること出来ず、ただただ、3人の行く末を見守るしかないのだ、と、一人で勝手に、やるせなさ・情けなさを感じていると、やがて、目が覚めた。
【振り返り】
「クレヨンしんちゃんの夢を見たぜ!」と言った割には、終始、鬱々とした展開が繰り広げられた。とてもじゃないが、元ネタが、ギャグ漫画・ギャグアニメとは思えない内容だった。お笑い要素は皆無だったと言い切れるだろう。
そんな中、今回、僕が気になったのは、しんちゃんの振る舞いである。
“悪気が無さそうな様子”
そこが強く印象に残ったからだ。
今回、マサオくんが泣き喚いてしまった原因は、しんちゃんにあったのかもしれない。
それを風間くんも分かっていたから、友達を泣かせたらダメだよと、マサオくんとしんちゃん、二人のことを想った上で、叱ってくれたのかもしれない。
ただ、僕は、思うのだ。
悪気が無ければ仕方ないじゃないか、と。
特に、子ども時代は、そういうことがある。成熟していないがゆえに、善悪の判断が付かず、悪意の無い行動が、相手を悲しませたりしてしまうことが。
・・・。
そんなことを考えていたら、小学生の時分、友達を泣かせてしまった出来事を、思い出した。
僕は、自分の家に遊びに来てくれる形で、友達のI.Mと遊んでいた。ちなみに彼とは、今も仲良く過ごしている。年に数回は顔を合わせて酒を酌み交わす仲だ。
当時も今も「竹馬の友」と呼べるぐらいには、仲が良い間柄だと自負している。
そんな仲であるだけに、僕は、長く一緒に遊びたいという気持ちが強くなり過ぎてしまい、彼が、そろそろ自分の家に帰ろうかな、としたタイミングで、脱いでいた靴下を、サッと隠してしまったのだ。
僕は、軽いイタズラのつもりだった。
それが大ごとになるなんて、隠した当初は、微塵も思っていなかったのだ。
彼は、脱いだ靴下をここら辺に置いていたのに無くなっていると、焦り始めた。
彼が焦っている様子を見て、内心、イタズラっ子のような笑みを浮かべつつも、一緒に探すマネをして「あった!」と言えば良いな、ぐらいに、軽く考えていた。
その時である。
彼は泣き出してしまったのだ。
僕は、予想だにしない彼のリアクションに当惑してしまった。
せめて、すぐに靴下を差し出して「すまない。君にまだ帰って欲しくなくて、ついつい隠してしまったんだ」と謝っていれば、まだ良かった。
しかし、気が動転していたのもあり、頭が真っ白になって、何をどうすれば良いのか、わけが分からなくなってしまった。
そして、何事かと駆け付けた母に尋ねられて、僕は答えたわけだ。「靴下を隠した」と。
その後、僕は、母親に、こっぴどく叱られた。
僕は、悪いことをした自覚はありながらも、別に泣かせたかったわけじゃないんだけどなぁ・・・と、センチメンタルな気分に浸っていたのを、今でも良く覚えている。
・・・。
まぁ、今回の夢の内容と、僕の悪事が、どこまで類似しているのかは、分からないけれども。
良かれと思ってやった行動が、思わしくない結果を生んでしまうこともあれば、陥れてやろうと思ってやった行動が、かえって良い結果を生んで感謝されてしまうなんてこともある。
世の中というのは、得てして不思議なものだ。
卑近な例を一つ挙げるならば、目の前から人が歩いて来て、避けたつもりが、相手も同じ方向に避けて、ぶつかってしまうこともある。
逆もまた然りなわけだ。
つまり、善意でやった行動が、善なる結果を生むとは限らないし、悪意でやった行動が、悪なる結果を生むとも限らない。
ならば僕達は、どう判断すれば良いのか?
これはあくまでも一意見に過ぎないけれど、僕は、出た結果で判断するのではなく「どういう気持ちでその行動を起こしたのだろうか?」といった「動機」の部分に着目したいと考えている。
なぜなら、善意・悪意といった部分は、自分でコントロールすることが出来る領域だと言えるが、良い結果・悪い結果といった部分は、自分でコントロールすることが出来ない領域だと言えるからだ。
今回、しんちゃんは、何かしらの行動を取ったことにより、マサオくんが泣き喚くという、悪なる結果を招いてしまったのかもしれない。
だけど僕は「マサオくんが泣き喚いた」という点に着目するよりも「しんちゃんはどんな意図をもってマサオくんに働きかけたのか?」という視点で考えたい、と思うわけだ。
・・・。
「クレヨンしんちゃんの夢を見たぜ!」と言った割には、なんだか小難しいことを書いてしまった気がするけれど、そんなことを考えさせられる夢だったと思う。