見出し画像

くしゃみの意味を考える男の戯言

【第13回】

くしゃみの意味

突然ですが。

皆さん、くしゃみの意味って、考えたことはありますか?

僕はあります。

まずはこの引用サイトを見てくれ。

いいウワサ、悪いウワサ? ~くしゃみとウワサの関係~
くしゃみをすると、誰かがウワサしているという俗信がありますが、その由来になったといわれているのが「一誹り 二笑い 三惚れ 四風邪(いちそしり にわらい さんほれ しかぜ)」ということわざです。くしゃみ1回なら誰かに悪口をいわれており、くしゃみ2回なら誰かに笑いのネタにされており、くしゃみ3回なら誰かに惚れられており、くしゃみ4回なら風邪を引いたに違いない……という意味です。

くしゃみの雑学|健康の雑学|元気通信|養命酒製造株式会社

どうだろう。
これって認知度は高いんだろうか。

そこのところが、実は良く分かっていない。
なぜなら、意味について聞いてみたことがないから。

おそらく無意識的に

「くしゃみの意味について問うたら『そんな迷信を信じているのかよ(笑)』って、バカにされやしないだろうか・・・」

みたいな懸念が頭をもたげて、今まで、他の人に聞くことが出来なかったのかもしれない。

今回、こうして、初めて聞くことが出来た。
初めて記念日。おめでたい。

コホン。

僕は母親からくしゃみの意味について教えられた。
物心付いた時には既にインプットされていたと思う。
だから、くしゃみにまつわるエピソードが、いくつかある。

だけど、意味について質問することすら躊躇われた僕のことなので、くしゃみに関して情報を共有したためしが、全くと言って良いほど、ない。

なので、今日、思う存分、くしゃみに関して話をしてみたい。

「時は来た!それだけだ。」

ということで、本題に移っていこう。
どうぞよろしく。

※元ネタ※

「時は来た。 それだけだ。」

1990年2月10日、プロレスラーの故・橋本真也が蝶野正洋とタッグを組んで、アントニオ猪木&坂口征二組と対戦する前のインタビューで口走った、あまりにも有名な迷言。

時は来た - ピクシブ百科事典

くしゃみをすると意味を考えてしまう

これは現在進行形の話。

さすがに今はアラサーなので、「信ぴょう性の無い占い結果に相槌を打つ」程度ではあるが、一応、意味は考えている。考えてしまう、といった方が適切だろうか。

子どもの頃は、それはもう、ひどいもんだった。

くしゃみ一つで、思考が右往左往したことも結構あった。
それを今回は話してみたい。話したいんだ僕は。

それはなぜか。
直接友達とかに話すと、バカにされかねないからだ。

「そんなの考えてるのお前だけだわ(笑)」

みたいに一蹴されたら、悲しいじゃないか。
アラサーの僕でも心が痛んじゃうよ。
ましてや、少年時代の、か弱い僕だったらなおのこと。

というわけで、聞いてくれ。
僕の中学時代の、くしゃみエピソードを。

※その前に意味をおさらい※

くしゃみ1回:悪口を言われる
くしゃみ2回:笑いのネタにされる
くしゃみ3回:惚れられる
くしゃみ4回:風邪を引いた

エピソード1:くしゃみ2回→「もしかして嫌われてる!?」

これは中学2年か3年か。

授業中、くしゃみを2回出した。
特に誰からも反応をされることはなかった。

しかし。
僕はくしゃみ2回の意味について考えた。

僕は母親にこう教えられていた。

「くしゃみ2回は誰かに嫌われてる証拠やで」

と。

おい母さん!
聞いてた話と違うじゃないか!
くしゃみ2回は笑いのネタにされてると書いてあるじゃないか!!

実は意味を調べた時に、聞いていた話と違ったので、(おいおい・・・)と思いながらも、今こうして書いている。

まあ、いい。
エピソードに戻ろう。

”くしゃみ2回:誰かに嫌われている”

という刷り込みが行われていた僕は、当然の如く、こう考え始めた。

「俺、誰に嫌われてるんだろう・・・」
「あ~、もしかしたら、あいつかなあ・・・」
「いや、あの人にも良く思われていなさそうだし・・・」

中学生の脳内は妄想パワーが無限大に詰まっている。
あることないこと考えて、ドンドン膨らませてしまう。

そしたらね、ふと思い出したの。

「待てよ・・・」
「そうだ、あの時・・・」
「テスト返却の時、ちょっとした事件があったな・・・」

そう。
くしゃみ2回を出した数日前ぐらいだったか。
定期試験のテスト用紙を返却する際に、事件は起こった。

あの時、僕は、テスト終了時刻のだいぶ前に、問題を解き終えた。

こう書けばあっという間に解けちゃったみたいだが、実際は、ロクにテスト勉強をしておらず、ほとんどの問題がチンプンカンプンだっただけだ。

そこの話は本筋から逸れるので置いといて。

テストの時間が終わるまで暇だったので、僕は居眠りを始めた。
気が付けば終了を告げるチャイムが鳴った。
寝ぼけまなこで、テスト用紙を回収している人に紙を手渡そうとした。

ここで事件は起こった。

なんと。

テスト用紙には、ヨダレが付着していたのだ・・・。
(汚い話でごめんなさいね)

それを察したのであろう。
明らかに嫌悪の表情を浮かべながら、紙の端をひとつまみして、足早に去っていった。

ちなみにその子は、キレイ系の、いわゆる「映える」タイプの女の子だった。
性癖によっては「ありがとうございます!」と言いたくなるような。
まさに、お手本のような軽蔑の眼差しを、僕はいただいてしまった。

2回くしゃみを出した意味について考えていると、そんな話を思い出したのだ。

「ああ、やっぱあの子に嫌われたんだ・・・」
「無理もないよな・・・」
「俺だって嫌だもん、他人のヨダレついたテスト用紙を回収するの」

当然のように「2回くしゃみが出たのはあの子に嫌われたからなんだ」と解釈した。
それもキレイな子だったから、なおさら落ち込んだのを、今でも鮮明に思い出すことが出来る。

もう一つ言うと、成人式の時に顔を合わすのに、ドキドキしていた。
まだあの時のことを根に持っていたりするのかな、と。

うん。
自分で書いていてもバカバカしさを感じている。
だけど気になるものは仕方ない。自分の心には嘘をつけない。

まあ、蓋を開けてみれば、どこに居るのかすら分からなかったんだけどね。
たぶん、居たとは思うんだけどなー。見つけられなかったよ。

いや、探してたわけでは、ないんだけどさ・・・。
んー、もしかしたら、ちょっとは探していたかも・・・。

エピソード2:くしゃみ3回→「もしかして惚れられてる!?」

これは時期を正確に覚えている。

中学2年、夏休みが明けた2学期の話だ。
9月~10月といったところか。

なぜそこまで正確に把握しているのかは、後述する。

出した場所とかは、エピソード1と同じ。

授業中、くしゃみ3回を盛大に出したものの、特にリアクションされることもなく、授業は終わっていった。

そしてもちろん。
僕はくしゃみ3回の意味について考えた。

僕は母親にこう教えられていた。

「くしゃみ3回は誰かに惚れられてる証拠やで」

と。

うん、これは調べたやつと同じだな。
問題ない。合っている。

「中学生 × 誰かに惚れられている証拠」

最高の組み合わせだ。
これでテンションが爆上がりしない中学生なんて居ない。
居たらその子は「スカすことがカッコいい」と思っているだけだ。
いわゆる「厨二病」とでもいうやつだ。

僕は厨二病患者ではなかったので、それはもう必死に考えた。

「いったい俺は、誰に惚れられているんだ・・・!?」

と。

しかし、考えても、なかなか答えは浮かんでこない。

それはなぜか?

簡単な話だ。
中学時代は全然モテていなかったからだ。
身に覚えがないことは想像出来なくて当たり前。

ウーン、ウーンと頭を捻って、一つ、思い当たった。

「もしかして・・・」
「あいつ、俺のこと・・・」

あいつとは誰か。

もちろんあいつしかいない。
中学2年の夏休み明け、急激に可愛くなった、あいつのことだ。
そう、「F・R」のことだ。

現金な話だが、それまで僕は、彼女を意識することはなかった。

だがしかし、夏休みが明けて2学期がスタートしたタイミングで、彼女の顔が一変していた・・・!

・・・ように見えたのだ、僕の目には。
他の人は「言うほどか?」というリアクションだったけど。

僕からすれば、突然、天使が舞い降りたような。
それはもう、天にも昇る思いだったのを、今でも鮮明に思い出せる。

※おそらく夏休み中にアイプチメイクを覚えたんだと思う。

そんなわけで、僕は喜び勇んで、友達連中に言いまわった。

「俺、F・Rのこと、好きになっちゃったかもしれん・・・」

と。

今振り返ると、僕はなんて単純な生き物なんだ。
目が一重から二重に変わったら一気に態度を変えて。
まあでも、そんな短絡的な自分も、案外、嫌いではない、けどな。

これが明確に日にちを覚えている理由。

で。

話を戻そう。
そうだ。
くしゃみ3回の話をしていたんだ。

くしゃみ3回:誰かに惚れられている
F・R:天使になった(目が二重になった)
俺:F・Rのことが好きだと言いまわった

この図式から出た答えは。

「俺とF・Rって、もしかして、両想いなんじゃね・・・?」

男子中学生の妄想は末恐ろしい。
何の迷いも疑いもなく、自分に都合の良い未来を描くことが出来る。

まず間違いなく、アラサーになった今の自分には、出来やしない。
「そんな上手い話あるわけないよ」って、サッと流してしまうことだろう。

ある意味、羨ましい。
ある意味、尊い。

信じ切れるというのは、素晴らしいことだ。

まあ。
当たり前のように、そんなことはなくって。
マンガやドラマのようなことは起きなくて。

特に進展するわけでもなく。
かといって嫌われているわけでもなく。
その他多数のクラスメイトの一人として接せられて。
そのまま、中学校卒業を迎えたわけだが。

唯一、思い出せるのは、掃除時間の1コマ。

席替えで、同じ班になった時。
横ではなかった。斜め上とか、斜め下とか。
それだけでドギマギしていたのはハッキリと思い出せる。

掃除の割り振りは班単位で行なわれた。
つまり、毎日同じ箇所を掃除出来る権利を、僕は得ることが出来た。
その時の1コマを紹介したい。

F・R「〇〇(僕の苗字)、あそこって掃き掃除終わった?」
僕  「あ、うん、もう掃いたけど」
F・R「そっか、ありがと。じゃあ、もう教室もどっていいね」
僕  「あぁ、うん」

※僕は好きな子と話すと、会話の初めに「あ、」が付く悪癖がある。

以上。

1ヶ月~2ヶ月は同じ班で同じ箇所を掃除していたはずなのだが、オクテの僕には、これぐらいの日常会話が精一杯だった。

より正確に言えば、それで満足してしまったんだと思う。

「F・Rに苗字呼ばれちゃったよ・・・(照)」
「F・Rにありがとうって言われちゃったよ・・・(照)」

そんな多幸感に包まれて、これ以上進展したいという気を無くしてしまったらしい。

せめて、苗字で満足せずに名前で呼ばれるまで頑張れと、書きながらダメ出しをしてみたが、どっちもどっちだな。
やはり僕はオクテの域を出れないらしい、アラサーになった今でも。

ちなみに。

彼女、F・Rのことは成人式で見かけることが出来た。
だけど、ウーン。
天使が舞い降りたような心持ちにはならなかった。

相変わらず、かわいらしい、魅力的な方だったんだけどね。
「あ~懐かしいな~」って、懐古の念には浸らせてもらったよ。

顔の可愛さってよりも、愛嬌がある可愛さを持ったタイプでね。
個人的には、エピソード1で出て来たキレイ系の子よりも好きだな。
ちょっと天然が入ったような。男子ウケしそうな子なんだよね。

今、彼女、何やってんのかな・・・。

青春の1コマに彩りを添えてくれた母に感謝

いやあ。

やたらと長くなってしまった。
誰が見たいんだよ、この思い出話。

まあいいじゃない。
誰得みたいな記事も書いていこうよ。
断言できるのは、書いている本人は、メチャクチャ楽しいということだ。

コホン。

こうやって書いていて感じたのは、母への感謝の思い。

だってそうじゃない。
くしゃみの意味を教えてくれなかったら、ここまで妄想は広がらなかった。

「あの子に嫌われちゃったんじゃないか・・・。」
「あの子に惚れられているかもしれない・・・!」

今回は大きなエピソードを2つ披露したが、大小あれど、くしゃみから始まった小話はそれ以外にも色々ある。

それに、やたらと長くなったので、やむを得ず割愛するが、相手のくしゃみから始まる妄想も、実は結構多い。

「あの子がくしゃみ2回出した→誰に嫌われているんだろう・・・?」
「あの子がくしゃみ3回出した→誰に惚れられているんだろう・・・?」

妄想は人生に彩りを与えてくれる。
中学生ならなおさらだ。

なので、この場を借りて、母に感謝したい。
直接伝えるのは、恥ずかしい、というよりも、こっぱずかしいので。

「お母さん、くしゃみの意味を僕に教えてくれて、ありがとう。」


おわりに

前回、僕は「聴く力」について割とカッチリした文章を書いた。

勇んで書いてみたところ、これが結構疲れた。
なので、最後に、こんな言葉を残している。

>フー。
 真面目に書くと疲れる。
 次はもうちょっと軽めのテーマを持ってきたいところ。

”まさに有言実行”

個人的には良い記事が書けたなと思っている。
手応えは皆無に近いが、満足感はある。
そんな感じ。

またこういう軽いテーマも書きたいね。
日常の何気ない話を取り上げてさ。


<サムネイル画像>

僕は太陽に当たるとくしゃみが出るという謎の癖がある。

そう、これに関しても原因を解明してみたいところだが、それはまた、別の機会ということで・・・。

そんなわけで、

「くしゃみ=太陽」
「太陽=夕日」

という、こじ付けにしても、いささか無理はあるが、夕日の写真を持ってきた。ただ、それだけの話。

ていうか、これまでの記事で、一番、文字数いってるわ・・・。
どおりで時間食うわけだわ・・・。

それでは、また。

(5547字)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?