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自己紹介を書いてみた:大の外国語嫌いが大のギリシャ語好きになるまで
どうも、Δίας(ディアス)です。古典ギリシア語の解説や、ギリシャポップミュージックの歌詞和訳を中心に記事を書いています。Noteを始めて3週間ほど経ちましたので、そろそろ自己紹介を書いてみようと思います。お時間のある方はお読みいただければ嬉しいです。
名前の由来
ギリシア神話で私が一番好きな神格である「ゼウス」に因んでいます。ゼウスの現代ギリシア語読みがΔίας (ディアス)です。
元々は大の外国語嫌い
というか、英語が大嫌いでした。「英語なんか消え失せればいいのに」と何回願ったことか…笑 理由は単純で、「テストが出来なかった」、これに尽きます。当時は中学生で、小学校時代に中途半端にテストの点数が取れたせいで勉強する習慣が身に着かず、英語の実力テストはいつも100点満点中20点、偏差値は40くらいでした。「モンスターハンターポータブル」や「モンスターハンターフロンティア」というゲームに全ての時間を捧げており、親と何度衝突したか分かりません。今となっては恥ずかしいですが、「日本から出る予定が無いのに、なぜ外国語を学ばないといけないのか」と真剣に思っていました。
無理矢理塾に詰め込まれ、なんとか高校に入れたものの、英語は苦手のまま。偏差値も50を超えることは決してありませんでした。
転機は「ギリシャ神話のゲーム」
ゲーム三昧の日々で、青春とは程遠い中学生活を送っていた最中、転機が訪れました。それは「ゴッド・オブ・ウォー:落日の悲愴曲」というゲームに出会ったことです。ソニー・コンピュータ・エンターテインメントという会社が発売するPSPのソフトで、ギリシャ神話を題材としており、大雑把に言うと、スパルタ人のクレイトスがオリュンポスの神々と対決するというストーリーです。スタジオはアメリカにあり、俗にいう「洋ゲー」でした。当時は「え?ギリシャ神話?宗教っぽくてキモくね?しかも洋ゲーとかどうなん?」なんて思っていましたが、友人の熱心な勧めで購入。プレイしてみると滅茶苦茶面白くて、クレイトスの怪力無双アクションにモンスターハンター以上に感動したことを覚えています。
ここで、まずは「洋ゲー」というのがキーになり、英語に興味が出てきます。ゲーム自体は日本語吹き替えでしたが、アメリカのゲームなので、次回作等の最新情報はやはり英語が基本になります。「英語が読めたら…!」という事態に初めて直面しました。
ギリシャ神話にも興味が出てきます。というかゼウスが好きになります。このゲームのゼウスは、小賢しくて小物っぽくて「策士策に溺れる」という感じの邪悪なゼウスなのですが、それでもカッコいい。中二病だったのもあり、ゼウスが最強であるというエビデンスを集めてはニンマリしていました。
高校で英語とギリシャ神話が好きになる
そんなこんなで高校生活が始まりますが、英語は少し興味を持ってもすぐに出来るようにはなりません。それでも、何かの参考書に書かれていた「英語長文を噛み砕いて何度も読み込み、音読しまくれ!」というアドバイスに全力で従い、音読しまくっていたら、徐々にですが点数が上がっていきました。最終的には偏差値65くらいまで行けたと思います。偏差値40→65へのアップで、英語が好きになりました。
並行してギリシャ神話にもハマッて行きます。PS3の「ゴッド・オブ・ウォー3」をプレイして感激の極みだったこともあり、色々情報収集するように。ヘラクレスを題材にした小説を執筆し、5~6人の友達が完結まで読んでくれたこともあって、「ゴッド・オブ・ウォー好き」から「ギリシャ神話好き」にシフトしていきました。この頃、映画「300 スリーハンドレッド」のDVDを借りて観て、「レ、レオニダス~!!!」と感動し、歴史にも興味が出てくるようになります。
大学の古典ギリシア語の授業で挫折
気付けば大学生活。英語嫌いが嘘のように、英語系の学部に入ります。この時点では、ギリシャ神話は好きでしたが、ギリシャ語自体にあまり興味はありませんでした。古典ギリシア語の授業を受けたりもしましたが、挫折します。単位は取れましたが、原文を1人で読めるまで継続はしませんでした。和訳されたテキストを読めればいいや…原文まで読む必要はない、そう考えていました。
在学中に半年間の留学もしましたが、イギリスでした。今なら「おおぃ!ギリシャ一択だろぉ!」なんて怒鳴り込みますが、当時は「ギリシャ語は今後やることないし~♪」なんて考えていました。一応、イギリス留学中にギリシャへ1人旅し、人生最高クラスに楽しかったことを覚えています。「デルポイ遺跡に俺の遺骨を撒いてほしい」と当時の日記に書かれてました。
内定者懇親会で同期に発破を掛けられる
就活して、無事通過し、内定者懇談会。同期になる人に「え?ギリシャ神話好きなのに、ギリシャ語苦手なの?それは似非だわ~笑」と言われます。本人は多分全く悪気がないんだと思いますけど、私は大いにショックを受けて、そこからギリシャ語ができないことがコンプレックスになります。まぁ、こうなったらもうやるしかないですよね。運良く、1年目の時はほぼ残業が無かったので、仕事終わりに古典ギリシア語入門をコツコツ頑張るようになりました。入門の後は、クセノポン短編の「アゲシラオス」やら「ラケダイモン人の国制」やらを頑張って古典ギリシア語で1人読み進めてましたが、孤軍奮闘過ぎて眩暈がしてました。
言語学准教授「古典ギリシア語を本当に理解したいなら現代ギリシア語もやるべき」
日本ギリシャ協会に加入し、その総会へ初めて参加した時のこと。日本ギリシャ協会会員の言語学准教授と談笑していた時、「古典ギリシア語、めっちゃ難しいですよね!どうすれば読めるようになりますか?」的なことを聞きました。准教授は答えました。「現代ギリシア語をやらないと!言語として古典ギリシア語を理解するには、現代語への理解も必要!」。なるほど~!と思い、現代ギリシア語にも手を出すようになりました。
ちなみに、上記の説はかなり賛否両論で、アテネ大学で博士号を取得された第一線の研究者の方に聞いてみたら「それは違うと思うけど…」と否定されました。
ギリシア人の友人「めっちゃ発音いいね~!」
さて、どうやって現代ギリシア語を勉強しようか…と思ったとき、ふと思い浮かんだのは「外国の恋人を作ればその国の言語はすぐ上達する」というものでした。この為のだけにギリシャ人の恋人を探すことはしませんでしたが、友人を作るべく、言語交換アプリで交流することにしました。
更に、「ポップミュージックを聞けば、リスニングも上達するのでは…!?」と思い立ち、YouTubeでギリシャポップミュージックを聞くことに。気付けばリスニング云々以前にギリシャポップ自体にハマり、今ではお気に入りリストに常に100曲はストックしています。アーティストを真似て歌いまくっていたせいか、ギリシャ人の友人と話した時に「発音いいね!」と褒められて嬉しかったですね。「毎日ギリシャポップ歌ってるから!」と言ったら爆笑してくれました。
そんなギリシャポップミュージックの記事シリーズはこちらになります。
研究会に参加してみない?
更なる現代ギリシア語の上達を求めて、某ギリシア語教室の受講生となり、ニコス・カザンザキスの文学作品を翻訳することになりました。受講してから暫く経った後、その教室のOBとの交流会があったのですが、あるOBの方と意気投合し、「古典ギリシア語の研究会をやってるんだけど、来てみない?」とお誘い頂くことになりました。その方は、上述したアテネ大博士の方です。とりあえずやってみる主義の私は「もちろんです!」と答え、拙い古典ギリシア語力でしたが、研究会に参加し始めました。
周りは全員、大学院生か博士か教授かで、かなりハイレベルな研究会でしたが、なんとか食らい付き、今も続けて参加しています。もうすぐ3年経ちますかね。今では、3つの研究会をメインに活動しており、古典ギリシア語にも大分慣れてきました。とは言え、まだまだ分からないことだらけですが。
そんな私が書いた古典ギリシア語解説のシリーズ記事が、下記になります。もしご興味がございましたら、一読していただけると幸いです。
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