シェア
龍之介
2024年2月26日 00:13
生まれてから、インターネットが当たり前にある時代の僕にとって、世の中にあふれる膨大な数の言葉たちは、まるであらゆるものを破壊しつくした聖書の大洪水のようだった。僕にとって箱舟は、あふれかえった言葉の海を渡ろうとする、必死の抵抗だった。既存の表現、美しい言葉なんていう幻想に縋りつく、愚かな自称文学者の努力、というような意味ではない。むしろどちらかと言えば、もっと個人的な叫びである。僕が僕であるため
2024年1月27日 00:28
死に場所を探していた。できれば君の隣がよかった。 そう考えたのは、これが初めてのことではない。ずっと前にも、同じことを考えた。君と出会う前に、半年ばかり付き合っていたある女の子のことだ。その時も、今も、僕は隣で死にたいと思っていた。暖かい日差しの差し込む縁側で、君のそばでこくり、こくりと居眠りをしたいと思っていた。そう思うことは、悪いことではないはずだった。 病院のベッドの上で目を覚まし
2022年7月26日 01:03
死に場所を探していた。できれば君の隣がよかった。そう考えたのは、これが初めてのことではない。ずっと前にも、同じことを考えた。君と出会う前に、半年ばかり付き合っていたある女の子のことだ。その時も、今も、僕は隣で死にたいと思っていた。暖かい日差しの差し込む縁側で、君のそばでこくり、こくりと居眠りをしたいと思っていた。そう思うことは、悪いことではないはずだった。 病院のベッドの上で目を覚ました時、第