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「さつき寮③」(遊ぼ…)

皆さん、おはようございます。
ryukoです。

「さつき寮」であった不思議な話ですが
多くの方に見ていただいたようです。
ありがとうございます。

今回は同級生の育江(仮名)の話です。
そして…次の展開へと動き出すまでを
つたないながらも書いてみます。

※過去の実話の為
 霊的体質の方はご注意ください


      …聞こえてるよね…

   よう子(仮名)と良美(仮名)から
     立て続けに話を聞いた私…
    
     気になるのは同級生の育江。
       大丈夫なのか?
       何もないのか?

   ねえ、育江…最近変わったことない?

    それとなく…ゆるりと聞いてみた。

     「う~ん、特にないよ」

     そっか…なら良かった。
     私も何もない!(笑)

  そうやってはぐらかして会話は途切れた。

     でも、私は気が付いていた。
       元気がないのだ。
   学校から帰ると私が部屋にいる夕方に
     少し寝る…といって横になる。

   夜は消灯を過ぎても起きていることが
       多かったから…。

   そしてここ数日ほとんど食べていない。
     心なしか痩せたようだった。
       顔色も青白い。

       やっぱり心配…。
    よう子と良美のこともあるし…。

    ねえ、育江!食堂に行ってさあ
      一緒にお茶しようよ。
    一人じゃ寂しいから付き合って!
       TVでも観よう!

    半無理やりに部屋から連れ出した。
      食堂の奥の隅に座り
   誰にも会話が聞こえないような位置に
        陣取った。

    あのさあ、この前の部屋パーティー
       変だったよね?

    うつむいたまま無反応の育江。

     あれって、どう思う?
    やっぱり幽霊なんかね?(笑)

     少しの間を開けて育江は…

    「ryukoちゃんはどう思う?」

     話し始めた育江の目は鋭く
     笑みの陰すらなかった…。
    これは真剣話だ…察した私は
      眼を据えて答えた。

     うん、幽霊…いる気がする。
    教えて…絶対何かあったでしょ!
    私ね、みんなには言ってないけど
  小さい時から霊感みたいなものがあって…。

    初めて霊感があると友達に告げた。
       これは勇気だった…

     「そうなんだ…見えるの?」

     あっさりと受け入れてくれて
       拍子抜けしたが…

     うん、たまに見ることあるよ。
    (ホントは常に見えるほど…)

   今は魔王(母)の知り合いの霊能者に
     霊感コントロールの方法を
   伝授してもらって影響のない状態に
        なってる…。

    真面目に聞いてくれた育江は…

  「誰にも言わないでくれる?
           話すのも怖い…」

   育江は、言葉を選ぶように話し出した。

    あの部屋パーティーの日から
  夜になると…誰かが耳元で囁くらしいのだ。

       遊ぼ…遊ぼ…

     怖くなり布団をかぶるが
       それでも耳元で

       遊ぼ…遊ぼ…

       無視を続けると…
    明らかに手で布団をつかんで
   モゾモゾと触って来るらしいのだ。

      そしてそれは…なんと
   昼間の授業中にも聞こえてくるらしい。

   授業も集中できず夜もなかなか眠れず
    自分は頭がおかしくなったのかと
     口数を減らしていたという。

       そして数日前…
  夜、同じように聞こえてくる声を無視し
  布団をかぶり、丸まって横になっていると…

       ドン!


    体の上に何かが乗っかってきた。

       …遊ぼ…遊ぼ…

     …ねえ…聞こえてるよね?


      そう繰り返した声に
   育江は、極度の緊張で気を失ったのか
  その後の記憶なく気が付けば朝だったという。

   「…だから寮を出たい。
      学校も辞めようと思ってる…」

       …私は確信した。

      こりゃ、絶対にいる…。
      よー子も良美も育江も…
    誰にも言わないでと言っているが…
       …違う気がする。

       ねえ、育江…。
    その話…部屋でしゃべって!!
       大丈夫だから…。

   育江の手を引いて部屋に戻った私たち。
  私の声掛けで部屋の中央に丸くなるように
        4人で座る。

      …第一声は…私から…

        ごめん!
      黙っててほしいと
     言われたけど…共有しよ!

     3人の視線が私に集中する。

     一人じゃなかったんだよ!
         みんな…

     私に集中していた視線は
    相互に交わす視線へと変化した。

    3人が経験した恐怖体験の概要は
         私から…。

  すると順番に…口々に…みんな話し出した。

     それぞれに抱えていた
     「孤独」の解消だった…。

    一通り全員の話が終わると…
       無言の時が来た。

    解決策が思い浮かばないのだ。

     確かに…何も出来ない…
     が…この緊迫した状況を
      どうにかしたい…。

    まずね、誰にも言わないでって
   みんなが私に話してくれたこと自体が
       不思議じゃない?

   なんで、私には話してもいいという気に
       みんな…なったの?

       「…何となく…」

     だよね、その何となく…は
       …意味があるはず。

      ちょっと聞いてくれる?

     私は、多少霊感があること
      部屋パーティーの日以来
      危険を感じて霊道を閉じ
      「幽霊」との接点を
     持たないようにしていたこと…

     その方法を私はみんなに
     伝授できないこと…など。

       ねえ、みんな…
      これは私の提案だし
   うまくいくかもわからないんだけど。

       私の霊道を解放し
   その「幽霊」と接触を試みてみるのは
         どう?

        自信はない。
     なぜなら霊感コントロールが
        まだ不安定。
    私にも危険があるかもしれない。
   だけどみんなを見捨てることも出来ない。

     藁をも掴みたいみんなは
    半信半疑ながらも満場一致で
      賛成してくれた。

     よし! やってみよう…。

   当時、誰かを頼るとか相談するという
      考え方が私も未熟で…
       浮かばなかった。

    無謀と言えば無謀の策だった。


 こうして私たちは秘密の共有をしました。
 そしてこの夜から…。
 私にも怪奇な現象が
 降りかかってくるのです。

 見えるだけならまだいいのですが
 現象が起こると恐怖は強くなります。

 みんな初めての体験で
 一人で抱え…不安だったことでしょう。

 それは解消できた夜のことでした。

 
    P.S
     閲覧数が伸びた段階で
     次をまた書きますね。
     ( *´艸`)


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