「さつき寮⑤」(夕日を通して見えた解決)
皆さん、おはようございます。
ryukoです。
久しぶりになりましたが
「さつき寮」シリーズの完結編を
書きます(笑)
文章の表現が私には難しくて
なかなか進んでいなかったのですが
ようやく、つたないながらも
仕上がりました。
そして…投稿するタイミングすら
失っていました…。
(;^ω^)
金縛りや幽霊の存在がちらつく夜が
続いて手立てがないまま…
寝不足と恐怖で心が崩れそうな
ところからですね。
※過去の実話のため
霊的に敏感な方はご注意ください。
…恐怖の先に見えたもの…
高校生の時
寮生活で体験した恐怖
同室者と共有したこの体験は
思わぬ形で解決した…。
金縛りや笑い声で眠れなかった私。
正体を掴みたい思いで
恐怖と戦っていた。
ある日の夜。
深夜に仰向けで寝ている私の足元から
ヌルヌルと何かが這いあがってくる感触…。
なんど経験しても怖い…。
「それ」は胸の辺りでとまり
目をつむっていても
こちらを見ているとわかるのだ。
ドキン・ドキン…
しかし、その日は
笑っていないのだ。
私の上に乗っているだろう「それ」
気配を感じるだけで…
笑い声が聞こえない。
静かすぎる…。
あまりにもその時間が長く感じられて
変な心の余裕が出来たようだった…。
そのためか…
思わず目を開けた…。
が…恐る恐る開けた目は
一瞬で見開いてしまった。
至近距離で私を見下ろす顔がそこに…
ある!
女の子だ。
髪がボブくらいの長さで
真っ直ぐこちらを
じーっと見ているではないか。
硬直した私に流れ入る感情は…怒り?
次の瞬間
グゥッ
首に手がかかり締め付けられた。
うう…息が出来ない…。
ヤバい、これはヤバい。
脳裏をかすめる「死」
真っ直ぐ私に向けられた視線は
ビクともせずに私に刺さったまま。
「ryukoちゃん‼‼‼」
同級生の育江の声で
我に返った。
…………
「大丈夫?うなされてたよ?」
バタバタ手足を動かしながら
唸り声をあげていることに
育江が気付いてくれた。
(バタバタしてた?)
…助かった…
大丈夫じゃなかった…
マジで怖かった。
声をかけてくれてありがとうね。
育江はもう寝て…。
そう促したが私自身はその夜
一睡もできなかった。
しらしらと朝を迎え
げっそりと体を起こす。
ボーっとしたまま
厨房担当の仕事をこなすために
厨房に向かった。
その勝手口から外に出ると
鼻いっぱいに「栗の花香」
朝の匂いと共に体に入ってきた。
思わず出るため息…。
このままじゃ…いかんなあ…。
それから1時間くらい後
登校準備を始めた。
「ryukoちゃん…それ!💦」
ん?
育江に言われて鏡を見る。
見ようによっては…
「指の跡」
にも見える首の赤み…
…もう、びっくりもしない。
ワタワタする気力もない。
…そうかあ…
…物思いにふけったまま
1日を過ごした。
下校の途中
目の前に見えた夕日が
これから迎える夏を
待ちわびているようだった。
ボーっと眺めていたはずのその夕日。
不思議なことにスーッと
大きく近づいて来る。
ドワ~ッと夕日に包まれるような
温かさと安心感。
ドクン・ドクンと自分の鼓動が聞こえる。
その鼓動が私に話しかけるように
「笑いなさい」
胸の中から耳に届いたその言葉。
パチン!
脳みそが弾けた。
わかった! 笑おう!
同じ人物とは思えないほどの
エネルギー変換が起きた瞬間だった。
走って寮まで帰った。
ソワソワする心持ちで
同室者4人が揃うのを待った。
聞いて!みんな!
暗い顔やめよう!
笑った方がいいみたい。
自分の中の恐怖心と戦おう。
幽霊は女の子だよ。
昨日見た!
そうね…「かおりちゃん」って
呼ぼう!
んでね、5人で生活しているように
装うんだよ!
私の急な申し出に
キョトンとした顔が3つ並んでいる。
よう子が笑った。
「ryuko姉さんらしいですね…」
それを合図かのように
つられて全員が笑った。
しばらく開かなかった
部屋パーティー
さっそく5人分用意して始めよう。
紙コップを5つ…。
初めこそは、ぎこちなく始めたが
楽しい気分に傾いてきた。
コトン…
机から消しゴム(だったかなあ…)
落ちたが…
目くばせで…緊張を隠し
大声で笑い合った。
「かおりちゃんも参加してるね…💦」
部屋パーティーをした日から
部屋の中では
見えない「かおりちゃん」にも
話しかける4人。
他の部屋の子からしたら
奇行だ。
知られないように実行していく。
しかし、これが功を奏して
部屋の中の重たい空気が
変わっていったのだった。
数日後…私たちに起きていた
怪現象はなくなり
元の生活が出来るようになっていた。
夕日が好きになった理由と
栗の花の匂いで思い出す記憶。
昔…体が弱く友達の少なかった女の子が
寮生としていたのだが…
退学した後に病気で亡くなった…と
寮母から聞いたのは
しばらく後だった。
寮母に頼まれていたアボカドを買って
渡した時に
急に寮母の口から
聞かされた…この話。
(ここも不思議…)
他の3人に伝えると…
背筋が凍ったように
最後の恐怖感が
私たちを支配したのだった。
(完)
もし、その女の子だったなら
この寮で体験したかった
「友達との時間」を
望んでいたのかもしれません。
なかなか伝わらずに
苛立たせてしまったのだと
後に反省もしました。
あの日見た夕日に救われたと
今でも思っています。
どこかに救いがあるものですね。
なぜ、私たちがターゲットだったのか
不明のままですが…(笑)
P.S
タイミングがかなり遅くなり
秋に突入してしまいましたが
私のホラー体験を一つ
これで終わらせていただきます。
つたない文章力で
ごめんなさい(笑)