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愛されたいなら努力をしろよ
もはや口癖のように、愛されたいなぁと嘆く。しかしふと、愛されるために何か具体的な行動をしているか?と自問すると、現状そうではないことに気づく。愛されたいのなら努力をするべきだ。それは全く確かなことだ。
まず外見に改善の余地がある。もっときちんとスキンケアをすべきだし、中年になって緩んできた腹は引き締めるために筋トレなり何なり出来るはずだ。やり方が分からない、自分だけでは続かないなら、エステに通うとかジムに通うとか、そんな金を使わなくてもyoutubeで勉強するとかだって出来るだろう。周りの同世代の女性たちはしっかりとそういうことをやって美しくあろうとしている。オッサンの方がよりそうすべきだ。すっかりハゲてしまった頭だって特に何もケアはしていない。どうせ無理だと諦めずにAGA治療をすれば多少は蘇るかもしれない。髪の毛があれば、「ハゲは生理的に無理」だと最初から守備範囲外だった層にリーチ出来る可能性だってある。本気で愛されたいと思っているのなら出来ることは何でもやるべきだ。
愛されたい対象へのマーケティングも怠っている。自分の価値観をアピール出来ているか。私にはこんなにも愛する価値があります。私を愛するとこんなメリットがあります。私を愛するとこんな返礼があります。税金ですら直接的なメリットのあるふるさと納税を選ぶ時代だ。どうせ愛するならメリットのある人を愛するに決まっている。そのメリットを明示しなければならない。こんなハゲてて金もなくてエロいおじさんでも愛してくれますか?冷えがイマイチで音がうるさくてデカくてスペースを取っていつ壊れるか分からない型落ちの冷蔵庫だけど買いませんか?と言っているのと同じだ。きちんとメンテナンスをして、レトロで雰囲気のあるお洒落な冷蔵庫でしょう?きっとあなたの部屋に合いますよ?なら或いは売れるかもしれない。そういう努力をせねばならないのだ。
ふと、初めて一人暮らしをした頃に押し掛けてきた新聞屋を思い出す。洗剤を付けます、ビール券です、ディズニーの割引券です、最初の3ヶ月は無料です……次から次へとオマケが出てきて、半ば強引に契約させられた朝刊。僕という新聞を契約してもらうのにはどれだけ付加価値を付けねばならないのだろう。自分も新聞と同じようにオワコンになっているのだろうか。どれだけ紙面を工夫して、どれだけオマケを付けたところでおそらく僕は新聞を契約することはない。ほとんどの人がそうだろう。では今、新聞を売るためにはと考えると、今どき新聞を契約するような情報弱者や老人を狙うか、口八丁手八丁で強引に騙すような契約をするか、極端な主義主張の紙面にしてニッチな層を狙うか、となってくる。恋愛に置き換えるとどれもまあ酷い。
愛されたいなら努力をしろよという自分と、どれだけ紙面をリニューアルしたところで新聞買うやつなんかいねぇだろという自分が脳内で戦っている。愛されたいなら努力しろよの放ったストレート正論パンチはどれだけ紙面をリニューアルしたところで新聞買うやつなんかいねぇだろに見事に躱され、タックルで倒された愛されたいなら努力しろよは万事休すと言ったところだ。この戦いの結末は明日の朝刊に掲載されます。新聞紙は窓ガラスやフローリングの掃除にも使えます。この時期、大掃除のお供にもいかがでしょうか?まずはお試しからよろしくお願いします。
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