うえぽん

ちょっと不思議なお話や妄想やエッセイや、不器用な恋バナのようなものを書いております。フォローいただけると喜びます。お仕事依頼などはXのDMからどうぞ

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  • 不器用な男女の恋の物語

    僕のnoteより、恋の話セレクションです

  • 探偵神宮寺マキヒコ

    探偵小説パロディシリーズです

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自己紹介数え歌

そう言えばちゃんと自己紹介をしていなかったなと思ったので、今更ですがゼロから自分のことを書いてみようと思います。 一応、本業はお笑い芸人をやっておりまして、都内のお笑いライブや、あとはたまにお芝居なんかにも出演したりしております。 恥ずかしながら芸人だけでは全然食っていけてないので、二足のわらじで色々と副業もやりつつ活動しています。 なかなかお笑いライブにも出づらい状況になってきた中、何かやれたらと思って始めたのがこのnoteで、三日坊主になるかなとも思っておりましたが

    • 3文(くらい)日記4/7歩く

      ※日曜日まで中の人は本業である舞台の本番中のため、3文の短い日記のみ更新とさせていただきます……と言って始めたものの、3文という縛りも煩わしくなってしまったので、3文(くらい)とちょっとファジーにしてしまいます。 今回の劇場は自転車で15分、歩くと30〜40分くらいのご近所である。劇場入り初日から雨模様だったのもあり、ウォーミングアップがてら毎日徒歩で通っている。昔から、歩きながら考えごとをするタイプだった。朝晩30分余、歩きながらあれこれ考えごとをする時間が持てるのはいい

      • 3文(くらい)日記3/7

        ※日曜日まで中の人は本業である舞台の本番中のため、3文の短い日記のみ更新とさせていただきます……と言って始めたものの、3文という縛りも煩わしくなってしまったので3文(くらい)とちょっとファジーにしてしまいます。 心の底から他人を信頼したことがないのかもしれないなとふと思う。逆に心の底から他人に信頼されたと思ったこともない気がする。信頼しないから信頼されないのか、信頼されないから信頼出来ないのか。鶏が先か卵が先か。全部持ち前のネガティブによる勘違いで普通に信頼してるしされてる

        • 3行日記2/7

          ※中の人は日曜日まで本業である舞台の本番中のため、3文の短い日記のみ更新とさせていただきます。 そんなわけで即興演劇をやっているわけだが、たまに「目標にしているプレイヤーは?」「理想のパフォーマンスは?」などと聞かれることがある。そんな時にいつも答えていたのが、詩のボクシングというイベントで詩人の谷川俊太郎氏が披露した即興詩のパフォーマンスだった。即興とはとても思えない詩のクオリティはもちろんのこと、まるで詩が具現化したかのような谷川俊太郎氏の佇まいはあまりにも圧倒的で、い

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        自己紹介数え歌

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          3文日記1/7

          ※本日より1週間、中の人は本業である舞台の劇場入りとなるため、3文の短い日記のみ更新とさせていただきます。 オセロというのはシェイクスピアの戯曲である『オセロ』が語源なのだそうだ。黒人の将軍オセロと白人の妻デズデモーナを中心に敵味方が目まぐるしく寝返るというストーリーが、白黒ひっくり返るゲーム性に似ているということで名付けられたらしい。そんなことよりデズデモーナの名前のインパクトあるすぎるだろ。 明日から本番です インプロカンパニーPlatform第26回公演「再犯、

          3文日記1/7

          この戦いが終わったら

          俺、この戦いが終わったらひたすらドラクエをやろうと思うんだ。 ふらりと近場に旅に行ったり、 でっかいお風呂にゆっくり浸かりに行ったり、 友達とお酒を飲みに行って何でもない話でゲラゲラ笑ったり、 映画館をハシゴしたり、 続きが気になってる漫画を読みに漫画喫茶に行くのもいい。 好きな人と一緒に行こうと言っていた映画の予定も決めなきゃだ。 何の予定もない休日を何の予定もないまま無為にぐだぐだ過ごすのもいい。 丁寧にカレーを作って食べたりしたい。ほんとは自炊が好きなん

          この戦いが終わったら

          神の嘆き

          ここ1ヶ月ほどとても調子が良くない。そう思ってnoteを読み返してみると、ここ1ヶ月ほどここでは実によく人が死んでいる。創作の中で人を殺すことでストレスのはけ口にしていたのだろうか。物語の登場人物にとって僕は神のような存在になるわけだが、全く酷い神様もいたものだ。 創作は書き手のコンディションを反映する。その最たる例は恋愛だろう。恋をしている時には恋の話が多くなる。それが幸福な恋ならば幸福な話が、辛い片思いならつらい話が生まれやすい。学生時代、身を焦がすような片思いに悶々と

          370ゴールドのいのち

          死んだ友人を生き返らせてもらうために教会へ行った。人を生き返らせるには370ゴールドの寄付が必要なのだと言う。僕が金を払うと神父様はしばし荘厳な祈りを捧げ、ややあって友人は生き返った。祈りは神に届いたのだ。 友人と同居するようになって2年。これで3度目の死、3度目の復活。合わせて1110ゴールドを納めたということになる。そう言えばくたびれていた教会の壁が最近綺麗な白に塗り直されたばかりだが、僕の寄付のおかげなのかと思うと何だか複雑な気持ちだ。 生き返った友人と一緒に教会か

          370ゴールドのいのち

          茶色の小瓶

          親元を離れて上京して一人暮らしをすることになった時、最後に駅まで車で送ってくれた父が別れ際に小さな茶色の小瓶を渡してくれた。 「それはな、毒薬や」と父は言った。「推理小説とかに出てくるやろ。苦しまずに確実に死ぬことが出来る毒薬や。もしも本当につらいことがあってどうしようもなくなった時はそれを飲むといい」このクソ親父は一体何を言っているんだ?俺は呆気に取られつつも一応小瓶を受け取って鞄に入れた。小瓶は鞄の奥にしまったまますっかり忘れてそのままになっていた。 ふと小瓶のことを

          茶色の小瓶

          私が嫌いな私の幸せ

          いわゆる愛の告白というものを初めて受けたのは高校の頃だった。放課後の教室というベタなシチュエーション。相手はバスケ部の宮城くんだった。「好きです。付き合ってください」と、高校生らしいド真ん中ストレートな告白。宮城くんはとてもかっこよくていい人だった。しかし私はピシャリとその告白を断った。私のことを好きになるような人とはセンスが合わないと思ったからだ。私は私が嫌いだった。 そんな私があの人に出会って変わった、私は真実の愛に目覚めたのだ……となるのが物語のセオリーだ。そうなれた

          私が嫌いな私の幸せ

          札束の重み

          初めて100万円の札束を見たのは小学校の2年か3年の頃だった。じいちゃんの古い家があったのを壊して新しく実家を建てることになって、そのための資金として銀行から下ろしてきたか借りてきたかしたお金を見せてもらったのだった。テレビでしか見たことのなかった札束。ほんとに紙の帯で束ねてあるんだなとか、こんな厚さ重さなんだなとか、仰ぐと風が来る!とか。無邪気にはしゃいだ覚えがある。 40歳になって、初めて仕事1本の報酬が100万に乗った。ギャラは必ず現金で手渡しで貰えというのは、俺がこ

          札束の重み

          弱音を吐いたらサヨウナラ

          人に弱みを見せるのが苦手だ。「しんどい」「つらい」がなかなか言えない。それでも頑張って弱音を吐く時も、どうも半笑いになってしまう。半笑いで「無理だー」と言う人に対して、人は大抵「そんなこと言わないで頑張って」と半笑いで返すものだ。精一杯のSOSを半笑いで握り潰され、あぁ自分は弱音を吐いたら終わりなのだなと絶望することがままある。 上手に弱音を吐ける人が羨ましいなと思う。しんどい時つらい時にちゃんとそう言える人が、ちゃんと泣ける人が羨ましいなと思う。そんな機能は随分昔に失われ

          弱音を吐いたらサヨウナラ

          忍者の末裔・イン・ラブ

          俺の先祖は戦国時代から続く伊賀忍者の家系だった。俺自身は正式に忍者の修行をしたわけではないが、例えば足音を立てずに歩くとか、食事は素早く済ませるだとか、我が家では当たり前にやっていたことが普通の家ではそうではないことに長らく気づかないまま大きくなった。 大学生になって上京して通い始めた東京の郊外のキャンパスで、俺と同じく全く足音を立てずに歩く女性を見つけた時には随分と驚いたものだ。それがノブコだった。ノブコは甲賀忍者の家系だった。学科こそ違ったが、同じような境遇で育った2人

          忍者の末裔・イン・ラブ

          一四〇〇

          14:00に待ち合わせをしている。十四ツ谷の駅前の1400階建ての駅ビルの入り口。男は1400万円を受け取る手筈になっている。 1400年前に書かれた1400ページの本がある。1400匹の羊と共に暮らす、1400代続いた牧場の歴史を綴った小説。人類がまだ1400光年離れた地球に住んでいた頃の、どこかで書かれた日常の話だ。 クラブ創立1400ゴール目のメモリアルゴールを決めたのは、今季デビューしたて、プレイ時間1400分の若手選手だった。彼のフォロワーは一夜にして1400人

          狸の皮算用

          今日も早朝から仕事に出かける。アパートから駅に向かうまでの道の脇、パンパンに膨らんだ黒い長財布が落ち葉に埋もれて落ちているのを見つけた。 いかにも高級そうな、黒光りした革の長財布だった。お札で膨らんでいるのか?だとしたら一体いくら入っているんだ?10万円?いや、そんなはした金じゃない。もっと入っている厚みだ。交番に届けて、1割もらえたとしてもかなりの額になるんじゃないか。……いや、そもそも届ける必要があるのか?まだ薄暗い早朝の住宅街、俺の他には誰も歩いちゃいない。このまま懐

          狸の皮算用

          六本木の天使

          早朝の六本木、仕事明けの歩道の脇にキラキラと虹色に光る羽根が落ちていた。何の羽根だろう?と思って上を見上げると、金髪をなびかせた美しい天使が空に昇っていくのが見えた。あぁ、六本木にも天使はいるんだと思った。 茨城の田舎にいた頃はよく山で天使の羽根を拾ったものだ。小学校の低学年くらいの頃だったかな。羽根を集めて町に1つだけあった教会に持っていくと、牧師様が褒めてくれてお菓子をくれたっけ。お店では見たことがないような、カラフルな外国のキャンディー。甘くていい匂いがして美味しかっ

          六本木の天使