整

一年の計は元旦にありなんてことも言うわけで、人並みに、さて今年はどんな一年にしたいかなどと考えてみました。ひとしきり頭をひねってみたあれやこれやを漢字ひとつで表すならば、『整』としようかと思います。

思えばここ数年、色々とっ散らかったままに、がむしゃらに駆け抜けてきたように思います。小さな破綻や小さな無理を、まあそういうものだろうと押さえ込んで見て見ぬふりをして走って参りました。後先考えずにまずは飛び込んでみるということは、何かをやるにあたってとても大事なマインドではあります。しかしながら、そうやって突っ走る中でも自分の中の違和感や不調や、今風に言うならばしんどみなんかに気付くこともまた大事なことです。それをちょっと疎かにしてきちゃったんですね。

意図せず、「駆け抜ける」「走る」という言葉を選びましたが、本来走るという行為は目標地点まで辿り着くための手段であるはずです。より遠くまで、より高い目標地点まで走って行けるように、より長く駆け抜けられるように、そのためにまず、『整える』ことを大事にしようと思います。

心身を整え、生活環境を整え、時間配分や人間関係を整える。舞台に立つ時だって、まずは自分のコンディションを健全に整えた上で臨みたい。こうして羅列してみてもどれもこれも当たり前なことのはずなのに、これまでの自分はそういうことを蔑ろにしてしまっていました。そのツケがぶわっと表出してしまったのが昨年だったように思うのです。これはいかん！創作を最優先にする余りにその他を蔑ろにしてきたところから、創作の健全化、最適化へ。今年はきちんと「整える」を優先することを目標とします。

おそらくここ数年走り続けてきた足を止める必要があったり、背負ってきた荷物を下ろして整理して、時には捨てるという選択をすることもあるのではないかと思います。何を止まってんねんと周りに心配を掛けたり、僕自身焦りを感じることもあるでしょう。それでも「整える」を優先する。巳年ということで、ニョロニョロと長く続けられるよう、一皮剥けた自分を目指していきますので、何卒応援の程をお願い致します。