はじめて知った「社会彫刻」
先日、自分が感じているものや宮崎県新富町での活動について話しているときに、ふと教えてもらった「社会彫刻」。調べてみたら、なんだこれは!と思う内容でした。なぜなら、ぼくのアート観、ネイバーアートにもつながりそうなものだったから。すごく気になる内容なので、いろいろと調べています。
社会彫刻とは、
ドイツの芸術家 ヨーゼフ・ボイス(1921-1986)が提唱した芸術概念、行動原理だそうです。
◯美術手帖による解説 - 「社会彫刻」
社会彫刻家基金のことをまとめた書籍『へそ』から引用すると、
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●「すべての人間は芸術家である」というボイスの言葉があります。この言葉は、「いかなる人間の営みであっても、意識的な活動・姿勢である限り、社会に関わるすべての行為が芸術活動である」というボイスの信念を表したものであり、その信念に従い、ボイスは生涯をかけて、社会における人間一人一人の役割をさまざまな方法で訴え続けてきました。
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●芸術とは絵画や音楽といった狭義の表現活動を指し、芸術家とはそれら表現活動に携わる特別な人を指すという一般的な認識があります。しかしボイスは、自身が思い描くある種の理想社会をつくるためには、私たち一人一人が意志を持って創造する思考、行為、過程のすべてが社会を形成していると捉える必要があると考え、このような考えを「拡張された芸術概念=社会彫刻」と謳いました。つまり彼は、私たちが生活する「社会」全体を芸術作品(=彫刻作品)とみなし、誰しもが芸術家であり、社会を創造できると主張したのです。
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ぼくがこれまで語ってきたこととも重なるものがあります。
これまで子どもや文化芸術普及を進めるNPO法人や、児童養護施設で支援者や農業指導員として勤務し、現在は宮崎県新富町の地域おこし協力隊をしています。大学卒業後は「芸術=美術」だったのが、いろんなジャンルや場所でさまざまな体験をし、暮らしや営みの中にも人の感性や創造性でつくり出しているものがあることに気付きました。転機となったのは、祖母の赤飯のおにぎりです。土地のみのり、つくり手の思いや背景、伝統文化。それらが込められた赤飯のおにぎりという集合体はぼくにとってはとても魅力的な作品です。そこには宇宙が存在してるような気がします。
今、関わっている地域の中、すぐ隣や目の前にも魅力的なもの、社会彫刻と呼べるものを生み出している人がいます。そこにある魅力を伝えていきたいです。
ヨーゼフ・ボイス。社会彫刻。どちらも知ったばかりで調べはじめてるとこですが、これからの活動のヒントになるような気がします。
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