【詩】会話1 松本のカフェ
今日は山に登るつもりが
寝過ごしてしまったんだ
不思議に思って窓を開けると
外は雨だった
右脳のお告げかもしれないですよ
そうかもしれない
強い雨だったから
普段はつい左脳でものを考えてしまう
論語と算盤は大事だよ
でも寄り道がないと生きているのはつまらない
道草
いいですよね
俺が若い頃
と言っても
もう二十年も前の話だけれど
日の出町がホームだった
いい店がたくさんあったよ
でもいい店はつぶれるんだ
ビジネスでやっていませんからね
今だと
ハイエナみたいに
後を継ぎたがる輩が出てきますけど
歳を重ねて日も落ちて
今は裏町で飲んでいるけれど
やっぱりいい店はつぶれていくんだ
いい奴はみんな死ぬ
本当に
さびしいよ
さびしいですね
そこで言葉が止まった
常連客がカフェオレを飲む間
店の時間も止まっていた
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