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変態絵画と1970年代カルト映画と『君たちはどう生きるか』

だいぶ落ち着いてきた感もありますが、宮崎駿監督の新作『君たちはどう生きるか』についての意見がけっこう賛否両論、真っ二つに分かれていて、色んな人のレビューを楽しませてもらってます。

僕は初上映の翌日に観に行ったのですが、他の方の感想や考察を読むのがおもしろすぎて、この流れに自分も乗っかるのはあえてやめておこうと思ってました。

ひとつだけ、なぜかこの映画を観たときにパッと頭に思い浮かんだのがルネサンス時代の異端画家ヒエロニムス・ボスの三連祭壇画『快楽の園』(1503~1504)です。

この作品、三面鏡のようになっていて閉じたり開いたりできます。

外面の閉じた状態 天動説にもとづく天地創造の地球といわれている


開いた状態 正面左はエデンの園、中央は快楽の園、正面右は地獄といわれている


かなり有名な作品ですから知っている方も多いかと思います。変態的絵画なんて呼ばれたりもしますが、本作を所蔵するプラド美術館の最重要作品の一つとしても位置付けられている傑作です。

もちろん僕はこの作品、大好きです。ずっと見てられる。特に個人的には右翼パネルが味わい深い。

「樹幹人間」と「耳の戦車」


「地獄の王子」


それで、ヒエロニムス・ボスとアニメーションをつなげると、個人的にもう『ファンタスティック・プラネット』しか思い浮かばない。

『ファンタスティック・プラネット』は1973年制作のフランス・チェコスロヴァキア合作のアニメーション作品で、宮崎駿監督も大きな影響を受けたカルトアニメとして知られています。

いやぁ、改めてみたら、この予告編後半の湯浅政明監督の言葉、『君たちはどう生きるか』の予告があったらそのまま使えたんじゃない⁉って思いました。





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